中華料理の定番「トマトと卵の炒めもの」

2017/02/01

トマト

「中華料理の定番といえば?」日本で尋ねたら、餃子、マーボー豆腐、チャーハン……といった答えが返ってくる。中国で生活している方はお気づきだろう、たいへんポピュラーでしかも日本人の口にも合う中華料理が、日本では意外に知られていない。その一つがトマトを使った料理。今回はトマトにまつわる中華をご紹介したい。

トマトのふるさとは南米と言われ、百年以上前に中国に伝わった。広い中国、北と南でトマトの呼び方にも違いがある。一般に、北方の人々は「西紅柿(xi-hong-shi)」と呼び、南方の人々は「番茄(fan-qie)」と呼ぶ。「西」と「番」は、共に外国から入ったものであることを表しているが、それぞれ連想するものが違った。一方は「柿」を、もう一方は「ナス(茄子)」だった。いずれにせよ、新たに入ってきたこの食材は中華料理に取り込まれた。

代表的な料理は「トマトと卵の炒めもの」(「西紅柿炒鶏蛋」または「番茄炒蛋」)というシンプルな料理だ。この料理、作り方は簡単、味も最高、見た目もきれいと三拍子揃っていることもあり、あっという間に中国各地に広まった。今では、中国の国民的なメニューとして知らない人はいない。単品のおかずでも良いが、ご飯やゆでた麺にかけて食べるなど、いろいろなバリエーションがある。(ご飯にかけたものは「番茄炒蛋蓋澆飯」、麺にかけたものは「番茄炒蛋蓋澆面」または「西紅柿炒鶏蛋拌面」)。

トマト

トマトと卵を使った別のポピュラーなメニューとしては「トマト卵スープ」(西紅柿蛋湯)がある。数ある中華スープの中でも簡単でおいしいのがこのスープの特徴。シンプルな中華スープにトマトの酸味がほどよく利いていておいしい。色合いの美しさもGood! さて、このスープに関して、ある女優が宮廷ドラマの入浴シーンで見せた一コマが話題となった。湯船に浮かぶ花びらの色が赤と黄色だったため、中国人はこのシーンを「西紅柿蛋湯澡」( トマト卵スープ浴?)と呼んでいる。

この例からも分かる通り、トマトと卵を使った料理は中国人にとってはとても身近な誰もが知るメニューなのだ。卵とトマトの炒めものやスープと聞くと、食べたことのない人にとっては意外に思えるかもしれない。でもちょっと考えれば、オムレツにト
マトケチャップをかけて食べるように、この組み合わせはとても良く合うのだ。本場の手軽で美味しい中華料理、もしまだ食べたことがないならぜひお試しを!

 

「トマトと卵の炒めもの」

 

トマト

【材料】トマト(1個)、卵(2個)、塩(少々)、砂糖(少々)、刻みネギ(適量)、油

【作り方】
1.トマトを適当な大きさに切る。卵を溶き、塩少々を混ぜる。

2.多めの油をフライパンに注ぎ、十分熱してから溶き卵を入れる。卵がボワっと膨らむまでは、箸でまぜたりフライパンを動かしたりしない。(油が少ないと焦げてしまうので注意)。ふわっと半熟に焼きあがったら、ひっくり返して両面が黄金色になるまで焼き、フライ返しで軽くザックリと分ける(決してかき混ぜ過ぎたり炒り卵のように細かくしないように)。皿にあける。

3.フライパンに残っている油(足りない場合には追加)で、刻みネギを軽く炒め、トマトを加える。トマトの水分が出きったところで2の卵を再びフライパンに戻し、調味料で好みの味に整える。

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