カバーストーリー 2022年10月第1週号「大ヒットゲーム「羊了个羊」」

2022/10/05

ゲーム「羊了个羊」が大ヒット

最近、「羊了个羊」というゲームが大ヒットしている。プレイヤーたちは「寝たくない、もっと遊びたい」「血圧が上がる」「もう遊ばないと決めても、やはり遊びたい」、最終的には「本気になればなるほどクリアしたい」という複雑な気持ちに駆られて挑戦し続けることになる。一種の中毒性のあるゲームのようだ。
実はゲームのルールは簡単で、画面の中で同じ絵を3つ見つけ、消去すればいいだけ。スクリーンショット (1925) しかし、多くの人はこの第一関門が簡単にクリアできるので、第二関門もたやすいだろうと試すと、そうは問屋が卸さない。多くの人は自分がこんなゲームの第2関門で立ち止まっていることを認めず、勝負欲をかき立てられて、はまっていくパターンが多い。
「清華大学に合格したが、「羊了个羊」第2関門をクリアできなかった」と人をからかう者もいる。多くの人が徹夜でこのゲームをしている昨今では、ネットユーザは「昔は眠れない夜に羊を数えていたが、今は眠れないのは羊のゲームのせいだ」なんて冗談を飛ばす人もいる。
このゲームが人々に与える最も大きな印象、それは「だまされたと分かっていても、やはり遊び続けたい」ということ。第一関門は目を閉じていても楽々クリアできるが、第二関門は、永遠に届かない彼岸のように難しい。勝利が目前に迫っていると思わせておいて、実は空の果てにある。道具を使える機会は3回あるが、広告動画を見る必要があり、逆に言えばこのゲームは商業的に大成功したと言える。中には、高級数学式とコンピュータプログラミングを用いて解析するなど、試行錯誤の結果、第2関門を通過(発表されているデータによるとクリアできるのは0.01%のみ)できる人がいる事実が、プレイヤーをムキにさせるのだ。
ある専門家はこう指摘する。「羊了个羊」の中で、このようなプレイヤーたちの「つらくても、遊ぶ」心理は心理学上の「スロット効果」のようなものだという。「羊了个羊」の本質は、「消消楽(消して楽しもう)」という簡単な操作と引き換えに、「0.01%のみのクリア率」を目指し、心理的需要の「小さなリスクで、大きい獲物をとる」ことを実現すること。また、面白いBGMやファニーでシンプルな画面もプレイヤーたちを魅了する要素ともなっている。
さらに、WeiboやWeChatのモーメンツなどでゲーム体験を共有し、見ず知らずの人と強い帰属性を生むのだから面白い。「今日の羊ランキング」の順位を日々見ることで競争意識が湧き、「地域のために争う」などというバーチャルな目標を持つ者もいるそうだ。読者のみなさんも話題作りに一度ゲームを見てみよう、しかし、徹夜は禁物だ。(PPW編集部)

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