風水の奥義を行く!第94回 勝負はまだこれから、の巻

2019/12/11

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

◆陰と陽◆

この時期になると思いだす大事なキーワードがあります。
「陰と陽」。このキーワードはとても奥深く、陰と陽は月と太陽、昼と夜、寒さと暖かさなどの気象とも深い関わりがあります。
一年の中でも最も日が短い日が冬至。だから一年の中で最も陰が極まる日と言われています。今年の冬至は12月22日です。日の長さは冬至を境にどんどん長くなっていきます。その後、陽が最も極まる夏至を迎え、時の流れと共に少しずつ日が短くなっていきます。
陰陽の面白いところは時間と共に変化することです。言い換えればずっと同じ状況で留まることはなく、流れるように動くのです。
太極

◆何をやっても無駄?◆

陽エネルギーの良いところは何と言ってもはっきりと分かるところです。「ダイエットをしたらその分身体がスリムになった」、「がんばればがんばった分腕が上達し、美味しい料理が作れるようになった」とか、「営業した結果成約を得ることができた」と目で見て明らかに分かるのが陽のタイミングです。ですから、みんな陽エネルギーが大好きです。
その一方、陰エネルギーはまったりとしていて自分の意識では分かりにくいのが特徴です。「ダイエットをしても何をしても身体が締まらず体重も落ちない」とか、「どんな手を打っても思うように物事が進まない」とか、「これまで以上に一生懸命営業しても成約しない」時期です。陰エネルギーの強い時期は動物だって冬眠中。「どんなにがんばったって無駄だ」と思いがちになることでしょう。
しかしながら、本当にチカラのある人たちは、この陰エネルギーの強い時期に自分を磨いています。誰からも褒められず励まされることもないのに、誰にも見えないところで粛々と努力し自分を磨いているのです。農業にたとえれば、収穫期が終わってその次の春に種まきをするまでの期間と言えるでしょう。この段階でがんばったからと言ってそれがすぐに収益に繋がることはありません。しかし、土を休ませ、土台を作り直し、土壌にエネルギーをふきかける田起こしをした土壌は痩せることがなく、次のシーズンも生き生きとした農作物を生育させるチカラがあります。

◆孟意堂風水的陰陽の奥義◆

陽エネルギーは力強く瞬発力があり、陰エネルギーは穏やかで持続性があると言われています。陽エネルギーは誰にでもはっきりと分かるため周囲からもその存在が分かりやすいという特徴があります。華々しい一方、周囲からは良いところも弱いところも一目瞭然です。そのため手の内が分かりやすく、攻められやすいという欠点があります。その一方で、陰エネルギーは表に現れることはなく、誰にもわからないという特徴があります。ですから手の内を見破られることがなく、目に見えず把握できないがゆえにどう攻めたらよいのかが分かりません。陰エネルギーはある種不気味な存在です。周囲の人々の気が付かないところで力を蓄え、知らず知らずのうちに勢力を拡大していきます。それはまるで、孫悟空が時間をかけて仙術をマスターし、「きん斗雲」を使って10万8千里(約42万4,145km)の空を孟スピードで駆け巡り、息を切らせて走ったのに、孫悟空が移動していたのは実はお釈迦様の手のひらだった、という話に似ています。
目の前にある成果や成約のみに注意を注ぎ、それだけを求めるのは世の常です。しかし、より大きな成果や多くの収穫を望むのであれば、目に見えないチカラ、つまり陰エネルギーの時こそ重要です。目の前で起きている事象のみで判断することなかれ。勝負はまだまだこれからなのです。


彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
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電話:(852)9841-6366
ファックス:(852)2961-4800
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公式ブログ https://ameblo.jp/manidou-fengshui

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