風水の奥義を行く!第122回 西へ向かうか、東へ向かうか、の巻
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。
◆瀬戸内海に存在する戦いの神様◆
今回は番外編・瀬戸内のお話です。サイクリングで一躍有名になったしまなみ海道の島々は、まるでエメラルドを散りばめたように美しい海に囲まれています。その中に浮かぶ大三島には年を重ねた多くの大木が生息しています。2000年もの間、この地に生息している御神木のある大山祇(おおやまづみ)神社は、弓矢など武器を持った仏像たちが祀られていて、宝物館には、刀剣・甲冑などの国宝級の武具が奉納されています。「闘うぞ!」という闘志満々のモチーフがところどころにあり、「この神社を参拝すると勝負に強くなる」と評判なのだそうです。二十一世紀の現代であれば、武器を使う戦いというよりも、スポーツなどの試合にご利益がありそうです。
さて、風水では、東西南北それぞれの方位が五行で表されます。東方位には木エネルギーが、南方位には火エネルギーが、そして北方位には水エネルギーが宿ります。大山祇神社は金エネルギーが宿る西方位を向いています。金エネルギーは「戦い」を意味します。神社の鳥居が西に向いている大山祇神社はこのエネルギーを活用させようとした古の人たちの知恵が込められている、と読み取れます。
◆金エネルギーの意味◆
金エネルギーはとてもはっきりとした力で、このエネルギーを持つ方は「ダメなものはダメ」とはっきり切ることができます。そこにためらいはありません。良いものとそうでないものの中間もありません。決断するのが速くて、はっきりしているのです。リストラする場合もスパッと切ることができるし、される側もスパッと次に行くことができます。とてもピュアなエネルギーであ
り、良いと思えることは迷いなく、まっすぐ進めていきます。
この金エネルギーがしっかりとある方は勝ち気です。それを良くないことのように言われる場合がありますが、「負けるものか。」と腹をくくり、勝ちに行く姿勢は、実はとても大事なことです。「失敗したらどうしよう。」とか「もし万が一何かあったらどうしよう。」とはならないからです。この金エネルギーは戦争という戦いだけではなく、ビジネスの上での戦いの場合も力を発揮することができます。そして、金エネルギーをしっかりと持っていると、自分自身との戦いにもその力は発揮できます。
◆孟意堂風水的金及び木エネルギーを活用する奥義◆
大山祇神社の本殿の向かいには「隼人の舞(はやとのまい)」というこれまた歴史ある銅像があります。隼人の舞は、本殿の向いている西の方位とちょうど反対にあたる東方位に向いています。本殿で舞を見る人たちと向き合うようにして舞う姿は、自然といえば自然ですが、その銅像の手元にある扇は、西に向かおうとする人たちに向かって「もう、西に向かうのはやめましょうよ。東に向かっていきませんか。」と言わんばかりに東の方位を指しています。
東の方位には木エネルギーが宿り、人々の知恵を意味します。木エネルギーが十分あると創意工夫があり知恵があります。人を慈しみ、戦わずして勝つ方法を考えられる知恵があるのです。
東へ向かうのが良いのか、西へ向かうのが良いのか。そのどちらが正しいかは、時代によって、そして地域によって違います。そのどちらにも優れた点があります。木エネルギーと金エネルギーは一般的には剋するので良くない関係だと言われています。しかしながら、まるで生け花をする場合のハサミとお花のように、一つの目的に向かってお互いを活用し合い、今までになかったものを作り上げていくことができます。木と金の関係は案外奥が深いものです。
彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。
孟意堂
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