子育て・教育特集 Part 5

2020/03/11

 

P18-19 Children Bearing Education 731

 

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星さん(以下、星):息子たちは日本人小学校に通っています。主人がイギリス人なので、最初からバイリンガル教育をしようと決めていました。圧倒的に難しいのは日本語なので、小さい頃からやっていかないと読み書きができなくなると思い、小学校高学年までは日本語を勉強させようと思って選びました。

西澤さん(以下、西澤):2人ともインターナショナルスクールに通っています。まず言語の問題で両親ともに責任をもって学校側とコミュニケーションがとれるという点で、大前提として英語環境を選ぶことにしました。夫は香港人ではありますが、アメリカで育ったので、自分が経験したような教育環境を与えたかったのもあるようです。子どもの頃から多文化、多人種、多様な価値観の中で揉まれていくのはとても大切なことだと考えていたのもあって、インターにしました。

永井さん(以下、永井):末っ子を除いて、みんな現地校に通っています。香港に来たとき、いきなり現地校に入れてしまうのもしんどいだろうと思い、まずは長男を1年間だけ日本人学校に通わせました。ただ、夫婦ともに日本人ではありますが、日本へ帰ることは考えていないので、習得できる言語が多いという意味でも現地校に入れることにしました。学費が安いのもメリットですね。5人とも私立のインターに行ったりなんかしたら、主人に腎臓でも売ってきてもらわないといけない事態になりますから(笑)

一同:(笑)

永井:うちの子たちが行っているのは「Non-Chinese Speaking Class」といって、現地校でも中国語が話せない子たちのためのクラスです。

一同:えーーー、そんなクラスがあるの!?(驚)

永井:ありますよ!だから、いろんな国の子たちが集まっています。授業によって使う言語は様々ですね。そして、必ず補修のクラスもあって、宿題も学校で見てくれます。

 

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永井:ローカル校でも国際色豊かな人たちと同じ空間にいられるので、孤立感を感じることなく過ごせているようです。人種差別的な意識は全くないですね。

西澤:大切ですよね。我が家の息子たちは、インターでも少し特殊な英語と北京語に同じくらい重きを置いた学校に通っているので、少なくとも2ヵ国語習得できるというのはよいところでしょうか。ですが、更に家庭で日本語も学んでいるので、親も子もかなり大変(汗) あとは、先生や教科の選択肢の多さ、ドネーションによる立派な図書館、パソコンを使った学習の早期導入などもよいところだと感じます。

星:我が家は日本語習得の目的で入れたので…うーん、数年後に帰国が見えている駐在のご家庭にとっては、帰国後も違和感なくやっていけるという意味ではとてもよいと思います。日本人学校は、日本の文部科学省の指針に沿って授業をしていますので。ただ、我が家は永住組なので、そこをメリットとして感じているわけではないです。
 私がメリットと感じるのは、日本の行事や習慣、文化などを、香港にいながら学べるというところですね。ネイティブの先生による英語の授業も毎日あるので、息子たちにとってのもう1つのアイデンティティである英語に毎日触れられるというのは、よい環境だと思います。

永井:長男が日本人学校に通っているとき、日本で公立の学校に通わせたらタダなのにっていつも思ってました(笑)

星:いっつも思ってます!(笑) でも、日本人小学校ですけど、香港では私立校やインター校に値するので、そこは仕方ないですけどね~(苦笑)

 

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星:やはり圧倒的に日本人のお子さんが多いんです。男の子では、学年で、欧米人とのハーフはうちの息子たちだけ。そういった意味で、子どもによっては少し馴染みにくい環境かもしれません。特に、長男はオーストラリアで幼少期を過ごしたので、入学の時点では日本語の受け答えがあまり得意でなかったこともあって、周りに上手く溶け込めなかった時期がありました。いい意味でも悪い意味でも、日本が凝縮されている気がしますね。
 あと、せっかく学校が香港にあるので、せめて広東語か北京語の授業があったらいいのになと思います。

一同:えっ!?ないんですか!?(驚)

星:日本語と英語しかないんですよ。

西澤:それは意外でした!うちは国の補助がないので当然でしょうけど、やはり学費問題は厳しいですね(涙) それに、給食当番や掃除当番なども当然ないので、私が学校生活の中で自然と身につけてきたものとはかなり違います。文化的なことも然りで、運動会も、日本の学校では数ヵ月前からしっかり練習をして、1年の大行事ですよね。でも、こちらはかなりあっさりしたもので、一緒にお弁当を食べる時間もない。改善して欲しい点とは違いますが、こういった私自身が経験してきたものを共有できない寂しさはありますね。

永井:わかる!ローカル校も一緒!みんなで協力してがんばろう、みたいな感覚はないですね。

西澤:そうなんです。なので、学校で補えない日本文化は家庭で教えたり、夏休みに日本の公立校に短期入学させていただいてそこで補うようにしています。

永井:小学校に関しては特にないですね。子どもたちも楽しんで通っています。ただ、幼稚園はローカルなのに、なぜか中東の子どもたちばかり。先生も園児もインド人が多いので、ちょっと独特な英語の発音になってしまいます。ママは聞き取れません(涙)

 

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西澤:子育てしやすいと思います。お手伝いさん文化が根付いているので、働いている親は特に。それと、みんな自分軸で生きているので、子どもたちにとっても窮屈なかんじがしない。人と違うことで起きる不必要な悩みやいじめも起こりにくいし、国際色豊かな土地なので小さな頃から多様性を受け入れる土台ができるかなと。日本ではどうも他人軸というか、周りの価値観に振り回されがちですから。あ、これは善し悪しは言えませんが、非常に教育熱心な方が多く、いつも私にない視点で刺激をいただいています(笑)

星:確かに!受験戦争は激しいですね!現地校は宿題も多いですし、小さな頃からいっぱい習い事して、賞をとって、ボランティアもして、それを行きたい学校にアピールするということが必要ですから。息子も私も工作が好きなので、工作のコンペティションでよく賞をもらっていたのですが、現地校を受験するママに「受験しないなら、そんなにがんばらないで」と言われたことがあります。そのくらい受験には必死ですね。

西澤:ローカル校はテストも多く詰め込みスタイルなので、大変だとはよく耳にしますね。ですが、あるポイントでは、このスタイルも効果的だとは思うので、こちらも善し悪しという点では何とも言えませんが…

星:子育てがしやすいかどうかで言うと、半分半分ですかね。よい面であれば、我が家では雇っていませんが、ヘルパー文化が浸透しているので、親が働きに出やすいとか、多種多様なバックグランドを持つ人たちに出会えるので、グローバルな感覚も身につけやすいですし、みんなと同じでないといけないと言った息苦しさは感じずに済みます。
ただ、とにかく教育にかかる費用が高い!会社からの負担があれば気にならないかもしれませんが、我が家は住宅費も教育費も全て自分たちで支払っているので、教育費の高さを痛感しますね。

一同:香港の生活コストは高いですよね。

星:あともう1つ。思いきり遊べる場所が少ない。

西澤:確かに。小さい子ども1人では外出させられないですものね。

永井:うちの近くには、たくさん公園がありますよ!ただ、どちらにしても、香港では、12歳になるまでは保護者の付き添いが必要ですからね。

西澤:ねー、親は大変ですが、逆にいえば、小さな子どもが1人で外出できる日本の方が世界的に見ると実は珍しいのでしょうね。

星:ただ、1日ずっと子どもに付き添って出歩かなくてはいけないとなると、親の負担が大きいですよね。

永井:うちは5人もいるから本当大変(笑)

一同:いつもどうしてるんですか!?

永井:大体、上の子チーム・下の子チームか、女の子チーム・男の子チームに分かれて、主人と私でそれぞれを見ています。タクシーも1台に乗れないですからね。

星:ヘルパーさんはいないんですか!?

永井:うち、ヘルパーいないんですよ。

一同:それはすご過ぎるーーー(驚)

永井:面倒を見てくれる人がいないときは、子連れで仕事もしています。日本にいた頃はシングルマザーで4人の子どもを育てていたので、パートのヘルパーさんを5人くらい雇って、シフトを組んでやり繰りしていました。もうそれが本当に大変で。事業で日本と香港を行き来していたので、いっそのことこちらに拠点を移した方が楽なんじゃないかと思ってやってきました。だから、最初の2年間はヘルパーを雇っていました。ただ、気づいたら、子どもたちが自分のこと何もできなくない!? って気づいて。靴下は履かせてもらってるわ、お手伝いはしないわ、そこからはヘルパーはなし!今では、掃除も洗濯も洗い物も子どもたちだけで全部できるので、親が家事をしなくちゃいけないということもありません。

一同:すっごーーーい!

永井:そうそう、実は、仕事の一環で、日本向けに「CEOを育てる教育」をしているんです。日本はまだまだみんなで足並み揃えましょうという教育ですから、ダ・ン・ゼ・ン香港で子育てをする方がいいと感じます。どこに行っても働ける、自分が現場にいなくてもお金が生み出せる、夫婦ともにそんな働き方をしていますし、そういった働き方のできる子を育てる教育を推奨しているので、やはりみんな平等を重んじる日本の教育は受けさせたくないですね。

星:こんな可愛らしいお顔されてるのに、すっごく肝が据わっていて、まさに母は強し!ってかんじ(驚)

永井:はは、そうなんですよ(笑) 子どもたちにもどこでもお金を生み出せるようになってもらいたいので、そのベースは整えてあげたいですね。まずは語学!それと考え方!

 

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永井:とにかく他と違うことをしろ!ってことですね。

星:息子たちはハーフなので、それを強みにして生きていって欲しいです。弱みに感じて欲しくない。日本語では「ハーフ(半分)」ですが、英語では「ミックス」なんですよね。だから、息子たちにも「あなたたちはハーフ(50%)ではなくて、2つの文化をもって生まれてきていて200%なのよ。言葉も文化も2倍だから、それを強みにして生きていきなさい」と伝えています。永井さんと同じで、私もみんなと一緒じゃなくていいと思っていて、「あなたは世界に1人しかいないんだから、自分の好きなことを極めて、自分らしく生きなさい」と言っています。
 ご縁があって、長男は赤ちゃんのときから、次男は3歳のときから、モデルをさせてもらっているんです。香港のモデル業界では、ハーフの子どもってすごく需要があるんですよ。日本人小学校で、ハーフということに引け目を感じてしまいがちだった息子にとって、仕事で評価をもらえることが自信に繋がりましたし、学校以外にも世界があり、外の世界に目を向けて物事を考えるよい機会になっています。子どもであっても、大人と一緒に責任を持って仕事をすることや、社会に出て働く大変さを学ぶ機会にもなっていますね。

西澤:いいですねー。私は2つあって、「自己肯定感」を高く持って欲しいと常々思っています。これさえあれば、大失敗しても大失恋しても迷っても、自分を愛して信じて絶対立ち直れると思っていて。もう1つは、「笑いを大事に」して欲しいです。人生でこれが本当に大切!我が家のルールで、どんなに私が怒っていても、笑わせたら許すというものがありました。

一同:いいですね、それ(笑)

西澤:こっちが本気で怒っていても笑わせてくるので、それはそれでイラッとするんですけど(笑) でも、そのくらい常におもしろいことを考えていて欲しい。男女問わず、おもしろい人はモテます!愛されます!許されます!かっこいいより、おもしろい人がいいですねー。って、これは私の好みでしょうか(笑) あとは、世の中の常識とされていることを「本当にそう?」って疑う目線は持っていて欲しいですかね。

星:うちは、ハーフであることや、言葉の問題、育ってきた環境の違いが原因で、上手く周りに溶け込めないという経験しているので、「あなたはあなたのままでいい」「みんなに好かれようと思わなくていい」と繰り返し伝えています。長男はゲームが大好きなんですね。そこまで好きだったら、もうゲームやっちゃダメなんて言わないから、最低限学ばないといけないことさえ学んだら、あとは「好きな道を極めなさい」と言ってます。息子は将来、Eスポーツのプロか、ゲームのプログラマーになりたい夢を持っているので、どんな学校や学科があるか、何を学ぶと役立つか、ゲーム関連で他にどんな道があるかなど、情報を調べて共有したりしています。

永井:愛しているってことだけは、ちゃんと伝えています。「学校で友達に嫌いって言われた~」とかは普通にあるんですけど、そんなときには「どんなことがあっても、パパとママはあなたのことが大好きだからね」って言葉で伝えたりハグしたりしていますね。星:ハグ大事ですよね!

一同:大事!

星:ハグしない日はないですね。

西澤:時々なぜだろうと思うんですが、日本では、ママが母乳で育てました、学校の鞄は手縫いです、毎日キャラ弁作ってますって方も多いじゃないですか。そんな背中を見て育っても、少し大きくなると一緒に歩くのを嫌がったり、反抗期では親を罵ったり…一方、香港では、がっつりお手伝いさんに育てられて、ママは料理作らない、裁縫も知らない、時には親だけで旅行に行く。それでも、ものすっごく母子関係が密でしょ。みんな親のことをものすごく大切にするし、大人になっても買い物に同行したり、男の子でも結構大きくなっても手も繋いだり。

永井:日本では、お母さんが自らしもべになってしまっているんですよ。お母さんじゃなくて、しもべ。あと、夫婦間で愛情表現をしないから。こっちでは、親同士がハグやキスをするのを当たり前に見ているから、愛情ってそういうふうに表現していいんだって自然と覚えられるんだと思います。

星:子どもを自分の分身のように思っている人が多いんだと思います。欧米では、生まれた瞬間から子どもも、親の一部ではなく、あくまでも一個人。自分と対等な一個人として関わっていると、大人になっても関係性は変わらず、親子は密でいられる。でも、自分の分身や所有物のように扱って、自分の理想どおりに育ってもらおうと口を出し過ぎたり、コントロールしようとし過ぎるから、子どもは成長するに従って「もういいよ。いい加減、手放してよ」ってなる。

 

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星:基本的に仕事をするのは、子どもたちが学校に行っている間と、子どもたちが寝た後だけです。学校から帰ってきてから寝るまでは子どもたちとの時間。その時間に仕事は持ち込まないようにしています。

西澤:私はフルタイムで仕事をしているので、クオリティで勝負ですかね。よく一緒にスポーツをしています。とはいえ、長い子育て期のブランクを経ての仕事復帰だったので、初めて出張で長期間家を空けたり、私だけ親子遠足へ同行できなかったり、申し訳なくなってこちらが半ベソでというときもありました。心の余裕を持って接することができない日も多々あります…でも、専業主婦をしていたときの母親業が完璧だったかといえばそんなことはなかったですし、挑戦したり学んでいる親の姿勢を見てもらうのも大切なことかなと。女性が働くことも普通ですし、母親だけが家事をするわけではない。我が家では、夫が家事や子育てをすることも全く特別ではないです。

星:うちは家事に関しては、主人は何もしません。彼は、香港でヘルパーのいる環境で育ったので、家のことを自分でやるという認識がないんです。理論的には男女平等ということは理解していても、いざ自分が家事をするとなるとできないんですよね。我が家はヘルパーがいないので、家事も私の担当です。ただ、有難いのは、私が夜出掛けたいときには快く送り出してくれますし、子どもの面倒を見るために、早めに帰ってきてくれたりします。夜、お友達と飲みに出掛けることも、普通にできますね。

一同:大事!

西澤:親になっても、友達と過ごしたり、1人の時間をもったり、バランスが大切ですよね。「大人は子どもより楽しいよー」って言っています。

永井:パパに子どもを任せられないなんて全然理解できない。主人は、授乳と出産以外全部やります。これは私の考え方なんですけど、私が家事をしても1円も稼げないからしない(笑) だから、主人にも「あなたが自分で家事をしたいと思うならしてね」って言ってます。主人はたまたま料理も得意で、子どもたちにも積極的に関わってくれます。元々再婚をするつもりはなくて、子どもたちとヘルパーと生活していこうと考えていたのに、いざ再婚したら、主人がスーパーヘルパーみたいな人だった(笑)

一同:それはすごいーーー。そんないい人、どこで見つけたんですか!?(笑)

永井:水の大切さや、花のことなんかも主人から教わっていますね。役割分担は自然に!決めると、自由ではなくなってしまうので。Googleカレンダーをフル活用して、お互いのスケジュールを把握しています。

星:やっぱりパパにしかできないこともありますよね。主人は家事はしないですけど、学者で知識豊富なので、子どもたちの疑問や質問には丁寧に答えてくれます。子どもたちも、宇宙や自然、科学や環境のことはパパによく聞いていますね。

 

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星:私は子どもたちにはどんどんチャレンジさせたい人。遊具なんかでも「1人で登っておいで~」って言うし、少しの怪我ならそれも経験くらいに思っている。でも、主人は、子どもが遊具で遊ぼうものなら、ずっと後ろについて支えようとしている人。お互いどんなふうに子どもと関わりたいかを話し合っていますが、この根本の部分はなかなか変えられない。だから、主人が子どもたちを見ているときには、私は口を挟まないようにしているし、逆の場合も同じです。
学校選びに関しても、意見が分かれることはあります!日本人小学校に関しては同じ意見だったのですが、中学校に上がるタイミングで、主人がイギリス式の教育を受けさせたいと言い始めて。でも、私は学校選びの選択肢が広がるので、IB(国際バカロレア)式が希望。1年以上かな、かなり長い間話し合いましたね。最終的には、それぞれが希望するところ全て申し込みましょう、もし両方受かったら、そのタイミングでまた話し合いましょうってことで落ち着きました。高校からは、子どもたちの意思を尊重し、自分たちで選ばせることになっています。

西澤:揉めることは多々ありますけど、その問題の先に何があるかというところを見ると、自ずと道が開けてくることが多いかな。目の前の問題やその選択肢だけに捉われず、冷静になって俯瞰して見るようにしていますね。目指しているゴールは何なのかと。あと、子どもたちも大きくなってきたので、最近は彼らにも意見を聞いて、決められることは自分で決めてもらうようにしています。結局は「これ、私の人生じゃないんで」って思っているんですよ。冷たく聞こえるかもしれませんが、もちろん最大のサポートはしますし、選択肢のそれぞれのメリット・デメリットを伝えた上で最終的に決めるのは本人、というのが理想です。自分で決めれば後悔があっても人のせいにはしないし、必要があればまた選び直せばいい。そのときまた私はサポートをしたいなと。

星:あと、夫婦間で文化や言葉の違いがあると、理解しようと努力はしますよね。察してなんて無理!

西澤:わかる、わかる。

星:いつも主人には、どれだけ子どもの将来の可能性や選択肢が広がるかで選びたいと伝えています。

永井:うちは日本人同士なんですけど、主人は海外生活が長くて、察してが通用しません(笑) 海外を基盤にビジネスを広げている主人のことを尊敬しているので、基本的には彼の意見を尊重して任せています。私は働きには出ますが、「あなたの人生についていきます」っていうスタンス。子どもたちも、彼のことをリスペクトしているので。細かい部分で意見が合わないことなんてたっくさんありますが、「主人と子どもたちとこの土地で仲良く暮らしていきたい」というのが根底にあるので結局はそこに立ち戻って、しばらくすると仲直りできます。

 

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星:これからもそれぞれの子に向いた選択肢を増やしていってあげたいです。長男と次男では、性格も個性も違うので、それぞれに合う道を優先させてあげたいと思っています。私にできるサポートは全てしてあげたい。ただ、私が引っ張っていくのではなくて、彼らの夢への選択肢を増やすためのバックアップをするというイメージです。

西澤:どこへ進んでもいいので、とにかく幸せだと思って生きてくれたら嬉しい。結局、人の幸福感は、何よりもよい人間関係を築くことでもたらされるとハーバードの有名なリサーチで出ていました。まさに自己愛をしっかり持って、よい仲間がいて、楽しく暮らしてくれたらもう最高ですね。

星:結局はそこですよね。子どもが幸せを感じていてくれることが一番なので。

永井:我が家は、経営者を育てる教育に注力しているので、お金を生み出すことで世の中の役に立てるようになって欲しいです。時間や場所に囚われない働き方、かつ、好きなことを仕事にしていくのが理想。夫婦ともにそんな働き方をしているので、これからもそういう姿を見せていけたらと思っています。今、デモやコロナで混沌としている環境にいる。どんなにがんばっても、自分以外の要因で何もかもがダメになるときもある。だから、何があっても這い上がれる力、新たなものを生み出せる力をつける教育を続けていきたいですね。

星:学校教育とかそういうことではなくて、とにかく「生きていく力」ですよね!

永井:本当にそう。香港が危険だからと帰国するというのは簡単ですが、こういう環境を見せてあげることってなかなかできないので。

星:我が家では、長男はゲーム、次男はサッカー、それからモデル業とハーフというバックグランドを通して、性別も年齢も言葉も国も超えて様々な人たちと関わっているので、このままいい意味でカラーブラインド(人を肌や目の色などで判断しないこと)になっていって欲しいです。人種などのフィルターなしで、自分のいいところも他人のいいところも、素直に受け入れて認め合いながら、グローバルな人間として生きていって欲しいですね。

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