中国法律コラム5「新法速報」。広東盛唐法律事務所

2015/05/19

新法速報

一、「国外関連企業への費用支払に係る企業所得税問題に関する国家税務総局の公告」(2015年第16号)
2015年3月18日、国家税務局は、国外関連企業に対する費用支払いに係る移転価格問題に対する管理を強化するために、当該「公告」を公布しました。当該「公告」の主な内容は次のとおりです。
1、国外関連企業への費用支払は、独立企業原則に則ったものでなければなりません。税務局は、独立企業原則に則らず国外関連企業に支払われた費用について、納税額を調整することができます。
2、企業が何らの義務も履行せず、リスクを負担せず、実質的な営業活動を行っていない国外関連企業に支払う費用は、課税所得額の算出において控除することができません。
3、企業が国外関連企業の提供する役務に対して費用を支払う場合、当該役務は企業に直接的若しくは間接的な利益を与えるものでなければなりません。そうでない場合は、課税所得額の算出において控除することができません。
4、国外関連企業より無形資産の使用許諾を受け、それに対して支払うロイヤルティについて、当該無形資産が企業の価値増加に寄与せず、かつ、独立原則に適合しない場合、課税所得額の算出において控除することができません。
今後、現地法人からの国外関連企業に対する費用支払に対して、税務局の監査がより厳しくなることが考えられます。したがいまして、国外関連企業に費用を支払う必要のある現地法人は、当該「公告」およびその他の法律法規に違反しないよう、今までの支払方法を再検討、調整する必要があるかもしれません。
二、「増値税一般納税人管理事項の調整に関する税務局の公告」(2015年第18号)
国家税務局は2015年3月30日に当該「公告」を公布しました。当該「公告」によりますと、今後、増値税一般納税人の資格を取得する際には、税務局による承認を取得する必要がなくなり、関連条件を満たす企業は、税務局へ登記するだけで、一般納税人資格を取得できるようになりました。昨今、中国政府は、市場を活性化させるため多くの審査認可項目を取り消しています。
三、「知的財産権を濫用しての競争排除・制限行為の禁止に関する規定」(2015年第74号)
国家工商行政管理総局は、2015年4月7日に当該「規定」を採択しており、8月1日より正式に実施されます。以下の数点が特に重要ですので、ご留意ください。
1、市場における支配的地位を有する事業者は、所有している知的財産権が生産経営活動にとって必須の物となっている場合において、競争を排除、制限するために、他の事業者が合理的な条件にて当該知的財産権の使用許諾を受けることを、正当な理由なくして拒否してはなりません。
2、市場における支配的地位を有する事業者は、知的財産権を行使するに際して、正当な理由なくして不合理な制限条件を設けてはなりません(例:取引相手に対して改良技術を独占的に自己に許諾するよう要求する)。
3、市場における支配的地位を有する事業者は、知的財産権を行使するに際して、独自の基準を策定することにより競争を排除、制限してはなりません。
当該「規定」の公布、実施に伴い、市場における支配的地位を有する事業者による知的財産権を濫用しての競争排除・制限行為に対する工商行政管理機関の取り締まりが厳しくなることが予測されます。

大嶽 徳洋広東盛唐法律事務所
SHENG TANG LAW FIRM
法律顧問
大嶽 徳洋 Roy Odake
中国深セン市福田区福華一路一号
大中華国際交易広場15階西区
電話:(86)755-8328-3652
メール:[email protected]

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