BFA U-12 アジア選手権 日本代表が大会初制覇!!
たくましく成長した若き侍ジャパン
「技術」「連携」「結束」の思いがひとつに
フィリピンとの初陣を緊急レポート!
昨年12月9日、快晴の秋空のもと、U-12野球日本代表チームが、広東省中山市でBFA U-12アジア選手権大会に臨んだ。第9回目を迎える同大会は、アジアから8カ国が出場する国際大会。出場国が2つのグループリーグに分かれ、各リーグ上位2チーム4カ国が準決勝以上のトーナメント戦へと駒を進めアジア覇者を決める。全日程5日間というかなりタフな大会だ。試合会場となった東昇鎮高級中学校グラウンドは、よく整備された芝と土のコントラストが鮮やかに広がり、選手を間近で観ることができる。開放感溢れるこの球場は「中国少年野球のメッカ」とも呼ばれている。
日本チームの初戦の相手はフィリピン。試合前から思い思いにスタンドに陣取った日本からの大応援団の熱く魂のこもった声援に応え、若きサムライジャパンは初回、先攻フィリピンの攻撃を三者凡退に抑え上々の立ち上がりを見せた。ベンチ横に掲げられた応援フラッグの寄せ書きが、選手に絶えずエネルギーを送っているようだ。
その裏、先頭バッター、キャプテンの星子がセンター前にヒットを飛ばすと、その後フォアボール、盗塁を絡め内野ゴロの間に1点を先制。がむしゃらにもぎ取ったこの1点で、初戦独特の緊張感は少しずつほぐれていったようだ。2回以降は相手投手の速球を的確にとらえ、幾度となく白球が相手守備の間を抜けていく。常に次の塁を狙う姿勢、コーチとの好連携で、次々と得点を重ねていった。攻撃陣の奮闘に負けじと投手陣も完璧なピッチングを披露し、相手に付け入る隙きを与えない。終わってみれば、15対0で4回コールドという快勝となった。
かつて日本を代表する内野手として巨人、横浜で活躍した元プロ野球選手で、今回日本代表チームを率いる仁志監督は「初戦の緊張は正直少しあったかもしれない。一回は少し普段よりは硬かったと思うが、その後は普段通りの戦いができたと思う。練習中に意識し続けた『考えてプレーする』ということが実践できていた。」と、試合を振り返った。
試合中はベンチの選手全員が一生懸命声を出し、絶えずナインを盛り上げていた。また、用具も綺麗に並び、バッグも整理整頓されている様子に、試合の勝ち負けだけでなく、仁志監督が教える「野球以外のあらゆる場面で必要になってくる高い意識」が選手たちにしっかり根付いていることが伺える。戦いが終わり、クールダウンを見守る仁志選手の背中からは、「たしかに君たちを見守り続けるぞ」という熱く、温かい気持ちがにじみ出ていた。
その後も快調に勝ち進んだ日本代表は、韓国との決勝を制し初めて「アジアの覇者」として広東の地で最高の輝きを放った。次への大きなステップの機会を得た各選手たちは、さらなる高みを目指し、チャンピオンフラッグとともに意気揚々と日本への帰国の途についたのだった。