もぐさ灸のアロマ効果でリラックス「億万康中医養生館」広州市海珠区
長い夏が終わりを告げ、秋の深まりを感じる今日この頃。季節の変わり目ともなると、身体のあちこちに不調が見られるようになってくる。そこで今回は一般的なマッサージを受けた際には見られないお灸の意外な効能効果にスポットを当ててみる。中国における艾灸をレポート!
上火になりやすい日本人の身体
広州の気候は、夏である期間が長い南亜熱帯性である。つまり大多数の日本人の身体は、比較的のぼせやすくなっているということを忘れてはならない。のぼせは、中国で言うところの上火という症状だ。それゆえ日本滞在時と同じ調子で生活をしていると、ここではあっという間にバランスが崩れる。疲れやすい、胃がもたれる、不眠など、これらの現象は身体がSOSを発しているサインだ。
そこで、最近日本でも見直されるようになってきたお灸に着目。その中でももぐさ灸はやわらかな温熱効果があり、身体への急な刺激が少ない。施術後はマッサージ後の揉み返しのような筋肉痛に似た痛みなどがないうえに、全身がポカポカと温まるので、これからの季節の冷え対策にも最適だ。さらに艾にはチネオールという精油成分が含まれており、これがお香を焚いた時と同じような心地よいアロマリラックス効果を生む。肌に直接お灸を乗せジリジリする熱さをじっとこらえるイメージとは異なり、じんわりとくるお灸の温かさはなんとも優しく身体に響く。中医の概念を取り入れつつ経絡学に基づいたものであるので、血行やリンパなど、繰り返し続けると代謝が緩やかに改善されていくのがその利点だ。
艾灸でほぐれる全身
最初に軽くシャワーを浴びたあと、ゆったりとした時間の流れるお座敷サウナで、たっぷりの水分を取りながら一時間、ゴロゴロとTVを見ながら発汗タイム。汗とともに老廃物を流す。その後に艾灸の施術が始まる。ここでは、打ち上げ花火のような筒の中によく乾燥させた艾の小塊を入れ、内部に火をつけ、それをかざして温めるという施術法が取り入れられている。質の良い艾は十分に燃えやすく、火力が穏やかだ。円筒の下からは緩和な熱とともに、艾の薬効成分がゆっくりと放出される。じんわりとした温かさに身をまかせていると、突如胃腸のぜん動運動が始まった。内臓にまで十分に効果があることが実感できる。首と腰を中心に、ゆっくりと筒を揺らしながら温められること数十分。次に仰向けで、下腹部、足のふくらはぎなどを中心に数十分。円を描くように灸筒を回したり、肌に近づけたり遠ざけたりと、あとで肌が赤くなったりしないように絶妙な距離感が保たれる。終了後、いつになく空腹感を覚え、新陳代謝が高まったことを感じた。たった一回の体験ではあったが、翌日の肌の滑らかさがいつもと全然違うものになった。定期的に続けると、一層の効果が期待できそうだ。
億万康中医養生館
その時々の患者の症状にあった施術がなされるのはもちろんのこと、日々の体のケアの相談にも乗ってくれる
温感サウナ。息苦しいものではなく、リラックスできる空間だ
施術中。心地よさに眠ってしまいそう
【艾(もぐさ)灸円筒】
もぐさとは、ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製したものである
億万康中医養生館
住所: 広州市海珠区赤岗路六福商業広場100B号
電話:(86)20-3435-9558
時間:09:00~21:00