「重彩華章-広彩瓷器の精髄展」広東省博物館で開催

2015/01/13

広彩瓷器の精髄展

重彩華章-広彩瓷器の精髄展

「広彩」とは、「広州織金彩瓷」の略称だ。清の時代、主に西洋への輸出用に生産された彩り豊かな瓷器のことをいう。景徳鎮で素焼きした「素瓷坯」(素焼きされ釉がかかっていない状態)が広州に運ばれ、西洋人の好む下絵付けをし焼成された。特徴は、中国伝統の五彩技法と七宝の技術を応用した粉彩技法にある。17~18世紀にかけて広彩は独自の発展を遂げ、ヨーロッパで一世を風靡したロココ調の影響を受けた。輸出仕様で生産されたため、瓷器の形状は西洋の銀器に似ており、描かれる紋様も西洋美術を模した形になった。濃い色彩と優美な曲線で描かれ、当時の西洋人が好むデザインに仕上げられている。こうした歴史的背景を持つ広彩ゆえに東西両方の文化がこの瓷器にとじ込められている。

2008年、広彩は第二批国家級非物質文化遺産名録に登録された。より多くの人に伝統文化を知ってもらおうと、このたび広東省博物館と広東民間工芸博物館および広州市非物質文化遺産保護中心が協同でこの展覧会を開催することとなった。同展覧会では収蔵品の中から厳選した200点あまりを観覧できる。広東の歴史と伝統を物語る広彩、その魅力にふれてみよう。

重彩華章

広東博物館
住所:広州市天河区珠江新城珠江東路2号
日時:2015年3月31日まで
料金:無料
ウェブ:http://www.gdmuseum.com/exhibit3.php?ReLibID=41

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