カバーストーリー 2022年8月第1週号「中国バレンタインデー」
入籍・披露宴の多い日
中国では七夕=バレンタインデー
日本では「七夕祭り」といって、子どもたちが願い事を書いた短冊を笹の葉に飾るなどお祭りの要素が強い七夕。中国では農歴7月7日、つまり今年は8月4日が七夕にあたる。広東エリア居住歴が長い方なら、この日にバラの花を売り歩く商売人や、花を熱心に購入する男性を見かけたことがあるかもしれない。そう、中国やその他中華圏では七夕はバレンタインデーという意味合いがある。
七夕節は、乞巧節、七巧節または七姐の誕生日とも呼ばれ、西漢時代に起源し、中華圏および東アジア諸国の伝統的な祝日として大切にされてきた。この日の主役は女の子で「乞巧節」や「少女の日」、「ひな祭り」とも呼ばれる。このような背景から2006年、七夕はついに国家無形文化遺産の仲間入りを果たした。
昔の女性は妻、母になることが絶対とされ、織姫の伝説を信じ、織姫を手本にしたいと思っていた。彼女たちは織姫(七番目の娘、つまり七姐とも呼ぶ)のように、家事が上手で手先が器用になること、円満な婚姻を得ることを祈った。これが「乞巧節」という名前の由来である。
中国ではバレンタインデーのように一大イベントのこの日、男性が女性にプレゼントを贈ったり、告白することも多いんだとか。また、当日結婚証明書を入手希望のカップルが多いので、朝早くから民政局には長蛇の列がお目見えすることも七夕ならではの現象。さらに、七夕になると中国のホテルは披露宴の予約でいっぱいになるという。
広東省では6月から準備を始め、稲や麦の粒、緑豆などを磁器の茶碗に浸して発芽を待つところもある。七夕に近づくとカササギ橋(天の川上にかけられた伝説の橋を模したもの)が張られ、さまざまな美しい手芸品が並べられるそうだ。また、福建省南部では、地元の人は織姫を「七娘妈」と呼び、子どもの平安を守る神として祀っている。南部の風習では、七夕の日にザクロ、卵、黒糖もち米ご飯を食べて疫病を防ぐ風習もある。
中国ではロマンティックなこの日。お母さん、お嫁さん、娘さんなど大切な女性にひとこと愛や感謝を伝えるお祝いのメッセージを送ってみては。(PPW編集部)