僕の香妻交際日記 第40回「数字の19を広東語で言ってはいけないよ…」
私と香港人妻との間では普段英語で会話が行われるのですが、妻が妻の友人と一緒にいるときは基本的に広東語での会話が繰り広げられるので、横にいる私も下手なりに広東語で応戦しなければなりません。
先日、妻の仲の良い友人がうちに遊びに来たので、その日も暗黙の了解の上で私は広東語での発言を強いられることになりました。
すると、会話の中で妻の友人が何だかダサいことをしきりに言っていたので私が「時代は2019年だというのに何をそんな70年代みたいなことを言ってんだい」的なことをつたない広東語を駆使してツッコもうとしたんです。
私 : 「何言ってんだい、時代は2019年…」
妻 & 友人 : 爆笑
私 : 「何?どうした?」
妻 & 友人 : 「今なんて言った?」
私 : 「2019…」
妻 & 友人 : 爆笑
私 : 「20…」
妻 & 友人 : シーン
私 : 「19…」
妻 & 友人 : 大爆笑
私 : 「19?19がどうした?」
妻 & 友人 : 「あははは、もう言わないで笑」
広東語には「粗口(チョーハウ)」という特定の人の前では絶対に言ってはいけない言葉があり、この時、私が発した19の発音はそのチョーハウだったようなのです。
ちなみに私が2019をどのように発音したかというと「イーリンヤッガウ」と数字を一個ずつ発音する方法を用いたわけなんですが、この「ヤッガウ」の発音がチョーハウだったということでした。
ちなみに、数字の19にはもう一つの言い方があり発音は「サプガウ」となるのですが、私のサプガウの発音もチョーハウに当たると指摘されました。
妻とその友人によると「ガウ」はトーンによって数字の9にもなるし、男性器を意味する言葉にもなるとのことで、その「ガウ」が数字の1(ヤッ)や10(サプ)と組み合わさることで立派なチョーハウに姿を変えるとのことでした。
広東語の悪口と言えばポッカイやチーシンくらいは私も知っていましたが、今の時代これらの言葉の悪口としての地位は以前と比べてかなり落ちてしまったようで、老若男女問わず普段の会話の中で広く使われているらしいです。
ちなみに単語(動詞や形容詞)の悪口度を上げていくには、単語の前に数字の7(チャッ)や9(ガウ)、「ラン」などの言葉を付け加えればいいんだと彼女たちに教えてもらったのですが、どんな場面でどのような単語に加えるとより効果的なのかはまた次回教えてもらうことになりました。
最後に、悪口度に違いはあるとしてもすべてのチョーハウが悪口や卑猥な言葉であることには変わりないので、使い方を間違えると人間関係に大いに支障が出るとのこと、むやみやたらに口走らないようにと妻から念を押されました。
そういえば、最近、職場で香港人の同僚たちが私にあまり話しかけなくなってきたのは、私がいつかどこかでサプガウを口走っていたせいなのかもしれません…
みなさんも数字の19には気をつけてください。
ではでは。
ルーシー龍(りゅう)
香港人の妻と香港と日本のハーフの娘と一緒に暮らす日本人。狭くて広い香港で何とか一花咲かせようと企みながら早6年。座右の銘は「生きろ」。