移住民が教えるリアルなマカオライフ！ - スポーツ＆レジャー投稿

観光地としての良さは分かっていても、住むとなるとそれはまた別の話。現在、マカオに在住している日本人は300人ほどだというが、その貴重なマカオ在住邦人のひとり、中島さんに、住んでいるからこそ分かるリアルなマカオ生活を聞いた。

教えてくれたのはこの人！
中島健人さん
鹿児島でマカオ人の奥さんと出会ったことをきっかけに、6年前に移住。現在は、奥さんと3歳の娘との3人暮らし。日本食材の輸入業を行うサプライヤー「GOGO FOODS」のグループ会社「GO GOOD (Macau) LTD.」に勤務している。

Q.マカオに住むきっかけは？
マカオ人女性との結婚です。交換留学生として来日していた妻とは、鹿児島で出会いました。1年間の留学を終えて彼女が帰ってしまった後は、マカオと鹿児島を年に数回行き来するという遠距離恋愛を続け、のちに日本で籍を入れました。その後、マカオに移住することを決断し、当時働いていた日本の職場を辞めて、仕事先の当てなどもない状態で2017年に住み始めました。移住後すぐに、妻の友人が現職の「GO GOOD (Macau) LTD.」を紹介してくれ、入社することになりました。

Q.住んでみて驚いたことは？
マカオは交通の便がよくないこともあって、完全に車社会です。一家に一台の車、かつ一人一台のバイクというのが基本ですが、車やバイクの台数に比べて駐車場の数が圧倒的に少なく、駐車場を契約せずに普段から路上に停めていたりする人もいます。
また一方通行がとても多いのですが、いつもどこかで道路工事をしていることもあって、今まで往路だった道が突然復路になり、また1週間後には往路に戻っていたりします。常に気を付けておかないと、知らない間に逆走していた！なんてこともあるので注意が要ります。
それから、観光客が行くようなお店やカジノは英語が通じますが、地元民には広東語か普通話しか通じません。私が普段行くスーパーでも英語は全く通じませんね。

Q.マカオの人ってどんな人が多い？
競争意識があまりなく、みんな大らかでのんびりとしています。カジノの潤いで利益を得て資産を持っているからでしょうかね。何か起きても何とかなるさと思っている人が多いです。
ただし、幼稚園受験の時だけは違います。なぜなら香港や日本と違って、ほぼ全ての学校が幼稚園から高校までエスカレーター式だからです。途中で学校を変われなくもないですが、編入試験があまりにも厳しいため、転校する子どもはあまりいません。つまり3歳時の受験でその先の人生が決まるんです。つい先日、私の娘も幼稚園受験を終えましたが、この時期だけはどの家庭も必死ですね。

Q.現在のカジノの状況は？
コロナで痛手を受けたカジノですが、中国からの観光客がかなり戻ってきており、中国人と香港人でほとんどが占められているという状況です。日本人はまだあまり見かけません。

Q.マカオ住民もカジノは好き？
香港と同様に麻雀はとても親しまれていて、結婚式の余興で用意されていたり、老後の楽しみとして友人らと集まってやったりしているようですが、カジノでの賭け事はあまりしませんね。
ただ、カジノの恩恵を受けて資産を築いた人は多いです。またカジノ税という財源のおかげで、2008年から毎年、政府から補助金が支給されています。永住権があればMOP10,000、永住権がなくてもMOP6,000がもらえ、子どもも受け取れるのでこれはありがたいですね。

Q.在住日本人はどんな生活？
コロナ前は500人ほどいた在住日本人ですが、現在は300人ほどです。日本食店、カジノ店、航空会社や大学などで働く人のほか、都市開発企業の駐在員などもいて、コロアン島かカジノ周辺に住んでいる人が多いです。
マカオにもドン・キホーテやニューヤオハンという元日系デパートなどがあって、日本食は手に入りやすいですが、価格は香港より割高ですね。
日本人学校はありませんが、カジノで働く欧米人が多いため、インターナショナルスクールは３校あります。私の娘は主に英語で授業をする地元校に通う予定です。

Q.日本食は人気？
マカオの人も日本食は好きですね。昨今、香港の日本食店で、おまかせ料理が流行っていますが、マカオにもおまかせを提供する店が増えてきました。食に限らず香港で流行したものが少し遅れてマカオに入ってくるという感じです。

Q.休日の過ごし方や観光客の少ない穴場スポットを教えて！
普段は、近所の公園やビーチ、マカオ内に3つある映画館などで過ごすことが多いです。またコロアン島にある龍爪角というハイキングコースは、観光客はあまり行かないような穴場スポットと言えます。豊かな自然が残っていて、中心部とは違うマカオの顔を見ることができますよ。
またマカオを離れて、隣接する中国・珠海(ジュハイ)の横琴島へ行くこともあります。車で橋を渡ればすぐ着きますし、中国のナンバープレートを取得しなくてもそのまま入境できる抽選制度が先日からスタートしたこともあり、ますます身近になりました。

Q．おすすめの観光ルートは？
コロアン島を回るなら、まずは石排湾郊野公園内にある「パンダ館」に行ってみてはいかがでしょう。ここでは無料でパンダに会うことができるほか、レッサーパンダやテナガザル、いわく付きの牛なども見ることができます。この牛は、かつて食肉処理場から市街地へ逃げ出した脱走牛で、市民の意向もあり捕獲後ここで飼育されているそうです。その後はコロアン村でエッグタルトを買って小腹を満たしつつ、付近の街並みを散策してみてください。有名な教会や道教寺院があるほか、海沿いからは横琴島の景色が見えますよ。食事をするなら、ハクサビーチまで移動してポルトガル料理店「フェルナンド」へ。ここは地元の人にも人気の店で、あさりのニンニク炒めが絶品です。今まで冷房がなく夏場は暑さがこたえましたが、昨年ついにエアコンがつき快適になりました。