ブランドキャラクターを作る際に気をつけるべきこと

2017/12/28

ミシュランがタイヤマンを、インドの企業、アムールがアムールガールを長きに渡って採用するなど、人々に受け入れられている例は存在するものの、アニメキャラクターをブランドマスコットとして取り入れるのは、常に勧められるべき方法とは言えません。大切なのは、自社のビジネスがキャラクターに適合しているかどうかきちんと見極めることです。

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製品やサービスの売上目標を達成するのに、マスコットなど必要としないのが理想なのは言うまでもないが、うまく使えば彼らが大衆との繋がりを簡単に作ることができるのも事実だ。まず、ビジネスのブランドやサービスが価格重視のカテゴリーであり、他と差別されにくい場合、キャラクターを使用することで恩恵を受ける可能性がある。例えば、すでに製品ライフサイクルの確立段階にある子供向けの大衆市場製品や工業用製品、自動車付属品のようにあまりエキサイティングではないカテゴリーである場合などだ。一方、贅沢なライフスタイル製品、最先端技術を使った製品、法的な部門や医療などのサービスでは間違いなく効果は発揮されない。

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もし検討の結果、キャラクターを作ることになったら、まずは協力してくれるプロフェッショナルのアーティストを探さなくてはならない。ブランドマスコットは広告や看板、アニメーションに映え、様々な衣装を着こなせなければならないが、それらの細かいニュアンスを理解して対応できるのは、訓練されたプロだけである。コストを抑える意味でインターネットから無料のクリップアートを使うこともできるだろうが、どこかの国の何かの会社と同じキャラクターになってしまう可能性もあるので、いい方法とは言えない。

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キャラクターを考案する際は、かわいさだけでなく、そのブランドに合った個性を持たせることが大切になってくる。例えばスマイル(笑顔)は人と人を繋ぐものであり、それがブランドのマスコットになることによって、ブランドの”顔”となり、ブランドが消費者とコミュニケーションを取る際に足りていないかもしれない“笑顔”を補う存在となる。また人々の反感を買わないよう、性別、宗教、人種などを強調するものにならないように配慮することも必要だ。デザインができたら、キャッチーで発音しやすく、オリジナリティのある名前をつけ、バックグラウンドと性格を考えてキャラクターに厚みを持たせる。マスコットの原案ができたらターゲットとなる人々に対してテストを行い、反応を確かめると良いだろう。

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そして、何気ない呟きでも可愛い鳴き声でも良いが、マスコットには言葉を与えよう。人々から好かれ、覚えてもらうために、かわいらしい特徴やちょっとした欠点を作ってもいい。他のキャラクターとの共演はなるべく避け、ブランドに対する印象を左右するので、マスコットを怒らせたり、皮肉を言わせたり、意地悪やネガティブな性格にはしないようにする。

最後に、マスコットも一晩中働くわけではないということをお忘れなく。彼らがブランドの顔として定着し、貢献するようになるには少なくとも数年は存在し続けなければならない。

よって、まずはキャラクターが本当に必要か、よく考えてみてほしい。決定したキャラクターが檜舞台に立つまでには、ボツになるキャラクターを決定して選考せねばならず、そのプロセスは大変なものだ。

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