「SNSへの過度の依存には要注意」兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2016/05/16

兆星IT サービスの仕事で華南地区を忙しく走り回っている著者です。先日、シリコンバレーのトップIT 企業で勤務するエンジニアとディスカッションする機会がありました。彼曰く、かの地のIT 関連企業で働く人々の大半がSNS 依存症に陥っていると嘆いていました。何をするにもSNS での会話で完結するのは人間としてどうか。そんな事のために先進IT 技術は生み出されたのか、と真剣に悩んでいるようでした。確かに、今では本当にIT が生活の一部となり、何をするにもSNS を使うという方は非常に多くなったように見受けられます。クリスマスや新年のお祝いメッセージ、友達の誕生日、親戚に子供が生まれた時、そして恋愛の別れ話までSNS でのメッセージで済ますという方が増えているそうです。SNS が仕事を変えるだけでなく人間そのものを変えてしまい、今後それが大きな社会問題になるとまで断言していました。
以前、当コラムでWeChat などのSNS を仕事上のコミュニケーションにも活かしましょうと書いたこともありますが、実際に自社のスタッフや顧客企業の社員の方々が本当にSNS を仕事に活かしているのかどうか最近疑問に思うようになりました。先日の話です。社内で「○○の案件、どうなった?」と尋ねたところ、「今お客様からの回答待ちです。」との返答でした。てっきりE メールの返信待ちだと思っていましたが、実はWeChat 上での会話中とのこと。つまり、電話をすれば1・2 分で終わる会話を、WeChat などのSNS のチャット機能を使って数十分もしているわけです。これではとても効率が良いとは思えませんね。しまいには、とにかく今スグ電話で先方に問い合わせてくれ、と頼む結果となりました。現代の知的ワーカー(つまり、オフィス勤務のスタッフ)は仕事中も常時SNS に繋がった状態だと思います。知人・友人・家族からひっきりなしに会話が飛んでくる中で仕事を継続しているわけです。それらチャットの一部で取引先などの担当者とも「ついでに仕事関連の会話」をしているのが現状ではないでしょうか。そして、SNS を使うことに慣れてしまっているので、今更電話で連絡しろといわれても違和感を覚えてしまうほどです。
企業が業務にIT を導入する理由は、①経費の節約につながる、②時間の節約につながる、③迅速で的確な現状把握ができる、④様々な記録をデータで残せる、くらいではないでしょうか。SNS を使って業務の効率が落ちるのであれば即やめるべきだと思います。SNS 自体が悪いと言っているわけではありません。その使い方を見直したらどうか、という話です。SNS は一度に複数の相手にメッセージやデータを送る機能がありますので、うまく使えば仕事の効率UP につながる大変素晴らしいツールです。それに基本的にモバイル端末から発信・受信するために作られていますので、オフィス内に限らず、出先のどこからでも利用できるのが何よりのメリットです。
そんな素晴らしいSNS ですが、元々数分でできる作業をわざわざSNS を使って時間をかけるのは如何なものでしょうか。実際にSNS を開発している側の知人と話しながら、SNS の業務活用について考えた一日でした。
赤座 卓也(あかざ たくや)

兆星電脳有限公司
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