ヘルストピック 子供のお菓子や軽食

2017/11/29

時に親たちは子供の機嫌をとったり落ち着かせたりするために食べ物を与えたりするが、最近の研究結果によるとそれは、長期的な悪影響をもたらす可能性もある、その場しのぎの解決法になりえるのだという。

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たとえばストレスによる暴飲暴食などのように、衝動のままに食べることと糖尿病や心臓病などとの関連性は様々な研究結果が示しており、それにファーストフードや怠惰なライフスタイルが加わると、さらに状況を悪化させてしまうことになりかねない。

子供の肥満は、香港や中国でますます社会問題化している。香港の保健当局者によると、市内の肥満の子供の割合は、2012年時点で20.9%と、15年前の16.4%よりも上昇している。また香港のある学校の小学4~5年生2600人を対象にした調査では、親たちの75.4%が朝食を準備する際に重視すべきは栄養バランスであると回答しながらも、実情としては彼らの半数が、ソーセージや魚肉シウマイなど、子供の好みにメニューの内容を合わせていることを認めたという。

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私たちには感情があり、脳は食事に応じて快楽ホルモンを分泌するので、感情のままに食べることはある種、生理学的な事象である。それは母親からミルクや母乳を与えられるときに始まり、栄養を得るということだけでなく、安全や喜び、愛情や思いやり等、食べ物を結びつける。しかし成長してから気分を整えたり、コントロールするためにとるべき適切な方法(休息や家族や友人との関わり合い、サポートを求めることなど)ではなく、食べることで対処しようとすると、その機能に混乱をきたしてしまう。

801人の子供を対象に、ノルウェー科学技術大学がロンドン大学と共同で行った研究によると、両親から4歳から6歳までの間に、慰めのために食べ物を与えられていた子供達は、成長して8歳~10歳になると、より衝動的に食べる傾向が見受けられた。さらに、食べ物によって機嫌を良くする子供の親たちは、問題解決の手段として食べ物を使う傾向が高いことが分かった。

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ここで分かることは、親が感情のままに子供に食べ物を与えることは子供が衝動に任せて食べることへ繋がり、この2つは連鎖していくということだ。またこの研究では、4歳時点で怒りや不機嫌といった高いレベルのネガティブな感情や自己調整の欠落があると、6歳になった時に、より食事や、食べ物を与えることに衝動的な反応をすること、動揺しやすい子供は感情のままに食べる傾向が強いことも明らかになった。研究者たちは、そういった行動は太り過ぎや摂食障害のリスクを高める可能性があり、なぜそれが引き起こされたかを知ることができれば、両親はトラブルを防ぐ手立てについて子供にアドバイスできるはず、と語る。

栄養士のクリスティーナ・タホス氏は、「問題なのは間食に与える食品が主に砂糖と精製された炭水化物であり、子供達はそういったものを与えられ過ぎていることです。それらはもはや特別な時の何かではなく子供の食生活の大部分を占めており、アレルギー、喘息、湿疹、乾癬、2型糖尿病、肥満や免疫力の低下等、子供の健康問題を引き起こします。」と、彼女は現状に対しての危惧を語った。

「そういった食べ物の与え方をやめ、代わりに寝る前にお子さんと過ごしてみて下さい。感情的なつながりを欲していると、人は時に衝動に任せた食事を摂ってしまうのです。交流することで子供の心を満たし、食欲と承認や愛情に対する欲求を区別できるようにしましょう。」

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もし間食を与える必要がある時は、フルーツサラダやチアプディングなどの全食物を取り入れるのがお勧め。お菓子ほど子供は喜ばないかもしれないが、そうしたホールフードを食べることで、健康なレプチン(満腹ホルモン)の反応が促進されるため、子供は、自分の身体の出す”満腹”というサインに気づきやすくなる。また、画面を見ていると食事の楽しみに集中することはできなくなり、サインを見逃す原因になるため、携帯電話やその他スクリーンの使用に
は注意してほしい。

子供に必要なのは、なんといってもタンパク質や健康的な脂肪と野菜、全粒粉等から構成された1日3回の健康的な食事だ。栄養豊富な食事を食べている子供は渇望感が少なく、問題行動を起こしたり、低血糖になる確率が低いという。

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