総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:ハイキングと健康

2022/10/26

スクリーンショット (2225)ベストシーズン只中の香港。今年もとても爽やかな季節を迎えました。先月は1884年の観測開始以降、9月としての最高気温の記録を書き換えた日が2度も出現するなど、とても暑い毎日でした。ところが月が変わると、日差しにこそ夏の名残があるものの肌をなでる風の心地良さで、確実に季節が進んでいることを実感した人も多いのではないでしょうか。暑さで食欲を失いがちだった夏が去り、これからの季節は、快適な気候に加えて美味しい食べものが増えるので太りやすいと思い込んでいる人が多いようです。しかし生物学的には餌に不自由する冬に向けて、今はとにかく食べて太らなければいけない時期なのです。これは四季がある温暖な地域に棲む動物のことなのかもしれませんが、現代人の生活はそんな自然界の摂理とは完全に乖離したものとなりました。住環境が格段に良くなり季節を問わずに快適に過ごせる上に、食生活はあまりにも豊かになり過ぎています。食べる心配がなくなったばかりか、好きなものをいくらでも食べることができるのは幸せではありますが、一方で健康面において大きな不安をもたらす要因になりかねません。エネルギーの摂取過剰と運動不足が災いして、健康状態の悪化を招くことが広く知られるようになり、「健康を維持管理しなければいけない」という大きな課題を我々は背負うことになってしまいました。最近は健康意識が特に高くなり、運動しなければいけないと多くの人が意識しているようです。運動することをためらっている人も少なくはありませんが、始めるなら今が最適な季節です。

香港のハイキングコース
かつて英国植民地であったのが幸いして、狭い香港であるにもかかわらず多くのハイキングコースが整備されています。そのひとつ、かつてアジアベストハイキングコースに選ばれたドラゴンズバックは、総延長50㎞の香港トレイルのハイライトともいえるおよそ5㎞の区間です。バスを降りてから30分ほどで到達する、その名の通り龍の背に例えられる嶺からは、香港島東端の石澳の街から太平洋の大海原が眼下に広がる絶景に目を奪われます。ここは初心者向けで、健康な人であれば誰でも気軽に楽しめるコースのひとつでもあります。もちろん反対に難易度が高いコースもあり、香港の山はどのようなレベルのハイカーであってもその心を惹きつけてくれることでしょう。平地が少ない香港には1000mを超える山はないもののその地形は複雑で変化に富み、動植物層も厚く多くのハイカーを楽しませてくれます。ただし直登、直降下のコースも多く、「決して甘く見てはいけない」というのは日本山岳連盟所属の方のお話です。十分な水分と軽食持参で、慣れないうちは余裕をもってのんびり歩くのがコツです。

運動としてのメリット
世はマラソンブーム。趣味で走っている人がとても多いですね。実はその陰で過剰な運動が原因で健康を害している人もあり、健康のためと思って一生懸命になっているはずが逆効果になっている場合も少なくありません。もちろん娯楽、趣味としてというのであればそれも許容なのかもしれませんが、健康を求めるのであれば少し考えた方が良さそうです。どのような運動が健康維持増進に好ましいのかその線引きは難しいものの、「タイムを競うような運動」は必ずしも良いとは言えません。最近、トレイルランといって山道を走るランナーも増えています。ひざが悪く走ることが苦手な私にとっては羨ましい人たちですが、やはりこれも身体に対する負荷が大きく万人に好ましい運動とは言えません。健康を追求するのであれば、間違いなく「歩き」が一番です。
大都会と大自然が隣り合わせの香港は、ハイキングコースへのアクセスも簡単。スポーツを始めたりジムに通ったりというのはハードルが高いという人、普段運動には縁がないという人でも、ハイキングならいつでも始められます。最初は散歩のつもりで裏山にちょっと入って行くだけでも良いのです。自宅のすぐ近くなのに驚くほど静かです。街の喧騒が小鳥の鳴き声に代わります。風に吹かれてこすれる草木の葉音に気付くことでしょう。それまで騒音に包まれた大都会の香港しか知らなかった人にとって、その印象が大きく変わるきっかけになるはずです。自然に触れる機会が多くなればストレスマネージメントにも効果的です。低山ハイクは一石二鳥以上のメリットが得られます。

週末、自宅でゴロゴロして休んでいても仕事の疲れは癒せません。ごく軽いハイキングであれば、肉体的にも精神的にも、トータルな意味で身体を休めることができます。半日だけでも十分に楽しめるのが香港のハイキングです。この週末は、思い切って自宅近くの緑に飛び込んでみませんか。きっと新しい発見がありますよ。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


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