読むだけでママが笑顔に「ままサプリ」 第120回
連載 第120回 子どもの出した答えを信じて見守る
現在認知症を患っている私の母は、明るくて何に対しても偏りのない考え方ができる人でした。
「~すべき」という常識があまりない人だったかもしれません。
私と弟が「したい!」といったことはなんでも応援してくれました。
子分を引き連れてイタズラばかりしていたガキ大将の弟に近所からクレームが入ったときも、表向きは丁重に謝っていましたが、心配顔の弟に「男の子でしょ。もっとやんなさい。」とニンマリ笑って言いました。
弟をかばって男勝りに男の子を叩いたり、近所の生まれたての子犬を勝手にお借りして、家族ごっこをして大騒ぎになった私にもいつも必ず言い分を聞いてくれました。
だからどんなことがあっても母親は私と弟の味方だと思っていましたし、「愛されている」という安心感のもと大きくなることができたと思っています。
ガキ大将だった弟は中学生になり野球部に入りました。1年生のとき「期末テストの点数を自慢した」という難癖をつけられ先輩に目をつけられるようになりました。
あの頃の中学の部活でよくあることでした。
1人だけ草むしりを何時間もさせられたり、練習に参加させてもらえなかったり、明らかに取ることができない千本ノックを受けたりしていたようです。
私は後から聞いて知ったことですが母にだけは相談していたと言います。
負けず嫌いの弟はいつも最後には「でも絶対に辞めない。辞めるといったら止めてな。」と言っていたそうです。
母はその度、ただだまって聞いて頷いていました。
ある日、涙を溜めて帰ってきた弟が「もう限界や。辞める!!!」と言ったとき、
「はい。お疲れさん。よう頑張った。辞めなさい。」
そして弟はハンドボール部に入りキャプテンを務めました。
子育てをするようになってからこのエピソードをよく思い出します。
私は母のように子供を信じて見守れているだろうか?
そして子供の選択を応援できているだろうか?
答えは子供が持っている。
子供が苦悩の中にいる時には、ただ信じて見守り、最後に子供が出した選択を肯定してあげる。例えその答えが間違っていようとも、その答えを一緒に見守る覚悟ができている。
そんな親でありたいと願います。
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Kyou氏 プロフィール
海外で3兄弟を育てる中、人を育てる一大事業に頼れるものが何もないことに疑問を持つ。
現在上海ママたちに心理学、統計学、コーチングなどを基にした「ままサプリ」展開中。香港にて講座開催中♪
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