香港大学美術博物館「拓本特別展」
MTR香港大学駅または、西營盤(サイインプン)駅からほど近いボンハムロード(般咸道)沿いに位置する「香港大学美術博物館」。1953年にオープンした同館は、もともとは1932年に図書館として開設された建物を利用しているため、外観からも長い歴史を感じることができる。
常時複数の作品展示を行っているが、なかでも現在開催中の特別展示展「Black Tigers」では、香港大学が厳選した歴史ある拓本を展示。長い歴史を誇る中国の書物や文化、歴史を長期保存する1つの方法ともされている拓本を並べ、無料で開放している。彫刻やレリーフに刻まれた文字や文様を丁寧に映し出すそのさまを、一般的に暗めの色を用いて写していること、また攻撃してくる虎を避けるのと同じくらい巧妙な作業に挑戦しているという意味を込めて、「黑老虎(ブラックタイガー)」と表現し数々の作品を展示している。近年、中国の代表的な拓本を30作ほど収集し、大学のコレクションに追加したというその種類は、古代の崖上に描かれた絵や碑文、青銅、硬貨、レンガなど多岐にわたる。
同展のハイライトは、唐王朝時代の皇帝である太宗(李世民599-649)の戦馬であるとされる作品だ。動きも細かに映し出され、その繊細さに目が奪われることだろう。そのほか、香港の大廟湾で南宋時代(1274年)の石に刻まれた文字の拓本や女性の形を美しく描いた拓本などさまざまな時代の墓石や脊柱に描かれたものが展示されている。
また、拓本の詳しい説明を英語で聞くことができるガイドツアーや無料で開催される中国画についての講義も。興味のある方はぜひ参加してみて。詳しくはウェブで確認しよう。
Black Tigers
期間: 5月12日~7月3日
住所:2/F., Fung Ping Shan Bldg., UMAG, HKU, 90 Bonham Rd., Pokfulam
電話:(852)2241-5500
時間:9:30~18:00(月~土)、13:00~18:00(日)、祝日休館
ウェブ:www.hkumag.hku.hk
価格:入場無料
ガイドツアー
5月28日 14:00(広東語)
6月11日 14:00(英語)
「Displaying Ancient Chinese Painting and Calligraphy」
講師: Angela, Wai Sum LIU
日時:6月11日 15:00~16:30
場所:1/F., Fung Ping Shan Bldg., UMAG, HKU
語言:英語
価格:無料