あぁ、やっちまった!体験談 サザエさん事件IN香港

2016/04/12

香港にきて1年半、常に周りの人たちに助けられながら生活しているわけだが、先日、それを痛感する出来事があった。omg

その日は一日フリーな休日だったので、ちょっとおしゃれな雰囲気のお店でお昼を食べて、美容室に行ってリラックスしながらおしゃべりを弾ませ、帰りはウィンドウショッピングをした後、カフェでのんびり本でも読みつつ軽く夕飯をすませる-。そんな、考えただけで顔がにやけそうな一日を思い描きながら、弾む気持ちで某レストランに入店。そこは友人に教えてもらったレトロコンセプト茶餐廳。撈麺と凍奶茶、というお気に入りの2品を頼み、私の贅沢な一日が幕を開けた…かに思えたその数十分後に、悲劇は訪れた。

そろそろ店を出ようと店員を呼ぶべく周りをきょろきょろしながら、かばんの中を探ってみるものの、全く手にヒットしないいつもの感触。「ごそごそ」「ごそごそごそ」「ゴソゴソゴソゴソゴソ!!!!」かばんをひっくり返し、もう一度かばんの中をのぞきこんで、やっと諦めがついた。そう。財布を忘れたのだ。疑いが現実となった瞬間血の気が引く感覚と同時にこみ上げる「どうしよう」という思い。ここは香港。英語も広東語も拙い私がうまく説明できるとはとても思えず、入店から今まで、日本人らしい人も見かけない。そして何より、お財布を忘れたから取りに帰ります、なんて日本でも訝しがられる状況がここで許されるのだろうか。香港ID置いていかなきゃいけないかなぁ、あぁ、もしかしらた警察沙汰になってしまうのか、と、悪いことばかりが走馬灯のように頭をよぎる。しばらくスマホをいじり、平気なそぶりをみせながら考えに考えた結果、大変な迷惑を承知で予約を入れていた美容室に連絡することにした。

「あ、あの…13時から予約お願いしているMですが…えーと…大変申し訳ないお願いなんですが・・・今、近くのお店でお昼を食べていて、お会計をしようと思ったらお財布がなくて…あの…一旦、お金を貸していただくことはできますでしょうか?」

担当の美容師さんは快くOKしてくれ、すぐにお店にまで来てくれた。すぐに家に戻ってお財布もって出直しますとの申し出にも、大丈夫。施術代も後日でいいですから。とのこと。

既にありえない状態ではあったが後日のお支払なんていうのはもっての外だったので、施術の後に家にとんぼ返りしてお支払いしたものの、本当に助けていただいて涙が出た。あの恩は一生忘れないだろう。それと同時に、その美容師さんは勿論、困った人がいたら私も全力で助けようと、改めて心に誓ったのであった。

「買物しようと街まで出かけ」るばかりか食事をし終わるまで財布がないことに気づかなかった、サザエさんもびっくりのこの事件。その日から、それまでしていた外出時の持ち物チェック(鍵・携帯)に、お財布が新たに追加されたのは言うまでもない。そして今、私はあらゆるカバンの中にいざという時の100ドルをお守り代わりに忍ばせている。

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