風水の奥義を行く!第124回 いつかきっと、またどこかで、の巻

2021/06/15
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

IMG_1516◆香港を象徴する名所◆
「ジャンボキングダム」。香港を訪れる人たちが必ずといっていいほど立ち寄った水上レストランのことです。コロナ禍の影響などで2020年3月3日から休業していましたが、正式に閉店し、今月香港を離れることになりました。
ゲートから渡し船で向かい、昼は金色と赤色でカラフルに、夜はライトで煌びやかに輝くレストランの中に足を踏み入れると、どこの角度から写真を撮ってもインスタ映えする豪華絢爛な光景がありました。レストランの玄関にある赤い目の大きな金龍が巻き付いた左右の柱が、赤い大きな看板と共にとても印象的でした。さっきまでピチピチ動いていたエビの料理、たっぷり入ったフカヒレスープ、新鮮な魚や貝類を好みの味付けと好みの調理法で作ってくれる豊富なメニュー、締めの黄金炒飯など、香港を代表するシーフードが目白押しで、「食は香港にあり」を見せつけてくれたレストランでした。

長生のチカラ◆
ジャンボキングダムは、実は香港仔(アバディーン)に浮かぶ大きな船です。この船の玄関は、まるで固定されているかのように北東の寅(とら)方位に向いています。風水では、北東の寅(とら)方位、南西の申(さる)方位、南東の巳(へび)方位、北西の亥(いのしし)方位を四つの「長生(ちょうせい)」と呼んでいます。「水法」という伝統的な風水の方法で見てみると、人や渡し船が運んでくるエネルギーが入口に絶え間なく入って長生というエネルギーを刺激するため活気を生み、このレストランの商売繁盛に一役も二役も役立ってきたことがわかります。
長生は、人生の盛衰を意味する「十二運」の中でも生き生きしたエネルギーです。人は、母親の身体に受胎(胎)して時間をかけて育まれ(養)、おぎゃあと産声を上げてこの世に生まれ(長生)、沐浴して(沐浴)身体を清めます。 子供からだんだん成長し(冠帯)、社会で活躍するようになり(建禄)、人生のピークを迎えます(帝旺)。体力と免疫力が衰えて(衰)病気になり(病)、やがて死を迎えます(死)。そして、墓に埋葬されて(墓)土に還る(絶)、これが十二運の流れです。
この十二運のチカラのそれぞれに個性があり、そのチカラを活用するのが風水師の腕の見せ所です。

◆孟意堂風水的長生を活用する奥義◆
半世紀近く人々に愛されてきたジャンボキングダムは、決して順風満帆な歩みをしてきたわけではありませんでした。何度も増築して800人を収容できる大型船になりましたが、ジャンボ水上レストランとしてオープンする1ヶ月前の1971年に大きな火災事故で全焼してしまいます。その後、2つの巨大企業が3000万香港ドルを投じて再建工事を行い、1976年に正式にオープンしました。多くの人たちを魅了し、たくさんの映画の舞台にもなったレストランですが、アジア通貨危機などで客足が遠のいたり、何度も危機を迎え、何度も乗り越えてきました。
これは「長生」のもう一つのチカラである「変化すること=動くこと」のなせる技だと思います。長生はこれまで母体にいた赤ちゃんがおぎゃあ、とこの世に生まれる変化のエネルギーです。ずっと落ち着かないのです。増築・改築を繰り返すようにどんどん変化し「動く」のです。そのため繁盛もし、活気も生まれるのですが、安定しにくい面もあります。そして、「このエネルギーを活用する」と心に決めた人は、このことをよく理解し、その時その時の変化に対応していくしかありません。
その昔、第二次世界大戦中にサーフボードをベンチに変えて守った人の話を聞いたことがあります。ジャンボキングダムも姿を変え、形も変わるかもしれません。でも、きっと美味しい料理と夢のような空間を持ったレストランとして再び登場してくれることでしょう。いつかきっと、そして、またどこかで。


彦坂 久美子
<プロフィール>

名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
<問い合わせ先>

Line ID: Mannidou2868

LINE ID: Mannidou2868

住所:Unit B, 12/F.,Hang Seng Causeway Bay Building,28 Yee Wo St., CWB
電話:(852)9841-6366
メール:kumiko6ring@gmail.com
ホームページ:http://mannidou.com
フェイスブック: mannidou
公式ブログ https://ameblo.jp/manidou-fengshui

Pocket
LINEで送る