漢民族の伝統衣装「漢服」

2021/04/21

漢服1

 

 漢民族の伝統衣装であり、漢服冠、漢服、華服とも呼ばれ、黄帝時代から紀元17世紀中葉(4400年)までの服装だ。多くの時代の移り変わりを経験した漢服は、時代ごとにそれぞれ特色があり、唐式漢服、宋式漢服、明式漢服など多くの種類に分けられている。

 ここ数年、漢服は若者にとって斬新なのだろうか、漢服の日や漢服の展覧会など漢服に関するイベントが多く発生。しかし数十年前にこのような状況は考えられなかった。例えば日本人が着物を着て京都の街を歩いても、スコットランド人がキルトを着用してエディンバラに現れても何らおかしい事ではない。しかし、以前の中国では、漢服を着て街を歩くと、人々に囲まれ、非難さえ浴びたようだ。「まさか中国はこの伝統的な文化を捨てるのか?」という世論に対し言葉を詰まらせ、また深く反省させるという点で、漢服という「新しいもの」に関心を持つようになった。多くの中国文化が好きな人たちも、漢服に対する研究と普及を始めた。

 21世紀の初め、まさにインターネットの急速な発展と普及の段階により、漢服愛好家は徐々に漢服を広める好機を得た。彼らはインターネットを通じ、忘れられた漢服を研究した。それにより漢服はますます多くの人の目に留まり、より多くの人が自ら参加するように引きつけた。ちょうどその数年の間に、国民の文化意識が静かに目覚ました。これまで知られていなかった民族文化に対して、長い間無視してきた伝統に対して、だんだん情熱が沸いてきたようだ。

 その後中国の各大都市では、漢服愛好者は週末や祝日には漢服を着て街を歩き、パーティに参加することが頻繁に行われるようになった。多くの若者は歴史の本を読み漁り漢服を復元すると同時に、漢服の要素を取り入れた現代の服をデザインするようにもなった。また服のみならず古風な歌や髪飾りなど、中国の伝統文化に関するものへの造詣も深まったとの事。

 

漢服2

 

 CCTVの財政経済報道によると、2019年にアリババでの漢服市場の規模はすでに20億元を超えており、毎年150%程の増速を維持しているようだ。漢服というかつての大衆市場が、再び市民権を得た。

 漢服という文化を復興するのは復古の為ではなく、かつての美しいものを取り戻す為に行われているのだ。

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