特集:夏だ!エスニック料理de 汗をかこう!Ethnic in Hong Kong 1

2016/07/06

カバー
“エスニックな人たち”に会ってきた!

多種・多彩なスパイスやハーブ抜きで
インドネシア料理は語れません
Kaum  by Potato Head
リサ・バージャノさん●インドネシア出身
共同オーナー、美食活動家
リサ・バージャノさん
Ms. Lisa Virgano

ジャカルタに本店を置き、バリ島ではレストラン、バー、プール、デイベッドが揃う、知る人ぞ知るエリア最大級のビーチクラブ「Potato Head Beach Club」。第二のSOHOとして注目を集めるエリア、西営盤(サイインプン)の第三街(Third St.)に待望の香港店「Potato Head」をオープンした。同店はコーヒーショップ、リテールショップ、バー、レストランが一体となった、リゾートライフスタイルを提案する。インテリアは日本の有名デザイナー藤本壮介が手掛け、バリのリゾートのビーチの雰囲気を再現。中でも注目したいのは、インドネシアンレストラン「Kaum」だ。インドネシアの島々のいろいろな伝統料理と、モダンにアレンジされた料理を味わうことができる。オープンしてまだ2ヶ月余りで既に注目を集めている同店のオーナーの一人、リサ・バージャノさんにお話を伺った。

インドネシア料理ってどんな料理?
広大な国土と無数の島々、多種多様な民族が混在するインドネシアでは、一口にインドネシア料理といっても地方によって食材や調理法が様々に異なります。しかし、共通している特徴をひと言で言えば、たくさんの香辛料を使うことです。スパイスやハーブなしではインドネシア料理を語ることはできません。ココナッツミルクやエビを発酵させた「トラシ」というペースト状の調味料も比較的多くの地域で使用されています。数ある香辛料の中でも代表的なのは、唐辛子、にんにく、しょうが、胡椒、ターメリック、コリアンダー、ナツメグ、レモングラスなどで、日常的によく使用される香辛料です。

インドネシアの代表的な料理は?
ナシ(ご飯)をゴレン(炒める)したインドネシア版の炒飯、「ナシゴレン」が日本人にも馴染み易く人気のメニューですね。ご飯の代わりにミー(麺)を炒めた焼きそば、「ミーゴレン」はケチャップと呼ばれる甘くてねっとりとした大豆から出来たソースで炒めてあり、日本の焼きそばよりも少し甘めです。その他、西スマトラ島発祥でインドネシアを代表する料理の1つである「パダン」は、地理的にインドや中近東の料理を受けていて、肉や野菜を使った辛いものが多いです。また、暑い気候でも日持ちするように味付けは濃いめです。

インドネシア料理オススメ料理は?
バリの有名な伝統料理の一つである豚の丸焼き「Babi Gulin( バビクリン)」は必食です。イスラム教では禁忌の豚ですが、バリ島の人達のほとんどはバリ・ヒンズー教徒。バリの人たちにとって豚料理は、お祭りや結婚式など人が集まる時に食べる料理なんです。そんなバリニーズのソウルフードでもある「バビクリン」は皮はパリパリ、肉厚でとてもジューシー。しかも女性には嬉しいコラーゲンもたっぷりでプルプルな食感を味わうことができます。
その他、現在では少なくなってしまいましたが、何千年も前からバリ島に受け継がれてきた、竹を使用した調理法で作った料理もオススメです。中でも「Pa’piong Ayam (パピオン・アヤム)」は様々なスパイスでマリネしココナッツの粉を混ぜ合わせた鶏肉を、バナナの皮で包み竹の筒に入れて調理した一品。しっかり味のついた鶏肉に竹とバナナの皮の香りがほのかに香ります。
最後に人気メニューの1つである「Ikan Bakar(あっさりした白身魚バラマンディの炭火焼)」を。スパイスでしっかりマリネされており、そこに新鮮な果物で作ったサルサをつけて食べると、とてもフレッシュです。

読者へのメッセージをお願いします
Potato Headはバリ島のリゾート感を味わえる店です。レストランの「Kaum」では香港でもなかなか食べられない、インドネシアの島々の異なる民族の伝統的な料理を提供しています。バリに行かずとも、リゾート感たっぷりの同店でゆったりとした時間をお楽しみください。

Potato Head
住所:G/F., 100 Third St., Sai Ying Pun
電話:(852)2858-6066
時間:8:00~25:00
ウェブ:www.ptthead.com
外見店内

チャンさんタイを代表する激辛料理!
イサーン料理!
Cha Cha Wan
●オープン当初から3年間シェフを務める
チャンさん
Mr. Chan

上環 (ションワン)にオープンして3年になるタイ料理のお店「Cha Cha Wan」。香港には数多くのタイ料理のレストランがあるが、同店はタイの北東にあるイサーン地方の料理をメインにしている。バラエティ豊かなサラダや炭火焼のシーフード、肉料理をメインとしたお店だ。味はもちろんだが、まるでタイのローカルの屋台のような雰囲気で、肩肘張らず毎日通えるようなカジュアル感も魅力だ。

イサーン料理の特徴は?
「イサーン」とは、タイ語で東北地方の事を指し、イサーン料理は、タイ東北部で食べられている郷土料理。タイの東北部とは、北と東はメコン河とラオスの国境に、そして南はカンボジアの国境に面している地域で、食文化も周辺諸国の影響も受けている。また、一般的なタイ料理と同じく香草(パクチー)やミントなどのハーブ類や野菜、肉、唐辛子を使うが、辛さが違う。一言で表すと激辛料理と言った方が正しいかも(!?)。なぜなら通常の唐辛子よりもさらに辛い唐辛子を利用しているから。しかし、辛いながらも癖になる味。炭火で焼いた肉や魚に辛いソースをつけて食べたり、揚げた唐辛子と野菜を和え物にすることもある。主食はもち米で、少量のおかずで満腹になるように濃い目の味付けであることも特徴。その他、生野菜や茹で野菜を添えること。味付けが濃いので野菜とはとても相性が良い。

店内代表的な料理は?
イサーン料理の代表料理といえば「ソムタム(パパイヤサラダ)」。一般的には「ソムタム・タイ」と言われ、まだ熟れていないパパイヤを使う。細く切った青パパイヤと、ミニトマト、生ニンニク、唐辛子、ナムプラー(フィッシュソース)、ライム、ナムターン・ピープ(ココナッツ砂糖)とマカーム(タマリンド)の汁、そして干しエビと炒りピーナツを和えた、とてもマイルドな味わい。でも、本場イサーン地方では、大量の唐辛子と塩漬けした沢蟹(プー)を入れた「ソムタム・プー」や、発酵させた小魚(パラー)を入れた「ソムタム・パラー」なども好まれる。
その他、タイ風バーベキューチキンの「ガイヤーン」も代表的な料理の1つ。野菜や複数の調味料などが入った汁の中に漬けこんだチキンを、炭火焼でゆっくり焼き上げる。1日漬け込むので、チキンの中にしみ込んだ受け汁の味と、チキンの旨みが重なってとても深みのある味わい。タイの主食でるカウニャウ(もち米)と非常に相性の良い料理。

オススメメニユーは?
必ずオーダーして欲しいのは、数あるパパイヤサラダの中でも人気の高い「パパイヤサラダのドライポーク添え(Som Dtum Malako)」。サラダの辛さと豚肉の甘さが絶妙なバランス。辛さは調節可能だ。その他、大量のニンニクと一緒にローストした「Gai Tort(ガーリックローストチキン)」。皮はサクサクで肉汁たっぷり。ニンニクの香りが食欲を掻き立ててくれる。メインに食べて欲しいのは、あっさりした白身魚の鱸を東南アジアで多く使用されているハーブ(バンダンリーフ)とレモングラスと共に蒸し焼きにした「Pla Phao Glua」。レモングラスの香りとライムの酸味が爽やかな一品。

読者へ一言
香港でも珍しい、タイのイサーン料理が楽しめる「Cha Cha Wan」。イサーン料理抜きではタイ料理は語れないとも言われています。ぜひ、いつものタイ料理とは違う激辛料理を味わいに来てください。辛いのが苦手な人でも楽しめるように辛さの調節も可能なので安心してください。

Cha Cha Wan
住所:G/F., 206 Hollywood Rd., Sheung Wan
電話:(852)2549-0020
時間:12:00~15:00、18:30~24:00
イサーン料理店内

ヘルシーで美容にもイイ
素材の味を存分に生かす モロッコ料理
Sahara Mezz Bar
●ホテルや有名レストランでの勤務経験をもつ
ドディさん
ドディさん
Mr. Dody

伝統的なモロッコ料理とエキゾチックな雰囲気を味わえるレストラン「SAHARA」。レストランの移り変わが激しい香港では珍しく、SOHOにオープンして11年の老舗だ。料理はもちろんのこと、陽気でフレンドリーなエジプト人オーナー兄弟のDodyさんとHeroさんのキャラクターも人気で、リピーターも多い。

オープンしたきっかけ
16年前に来港したHeroさんは、約5年間ホテルや有名レストランで勤務し、次第に香港に惚れ込んでいった。その後、兄であるDodyさんの来港をきっかけに、モロッコ料理をの良さを広めたいと自身のレストラン「SAHARA」をオープン。当時香港ではモロッコ料理店は少なく、瞬く間に話題のお店となった。

モロッコ料理の特徴
モロッコはアフリカ大陸の北西部に位置し、太平洋と地中海に面している。アラブ人と先住民のベルベル人が国民の大半を占めているこの国では、ベルベル人の伝統料理をベースに、周辺諸国の食文化を混ぜて独自の料理スタイルを築き上げてきた。
モロッコ料理の特徴は、クミン、パプリカ、ジンジャー、コリアンダー、パセリなどの香辛料やハーブをふんだんに使っていること。香辛料やハーブは食材の味を引き立て、食欲を掻立てる。オリーブやレモンの塩漬けと一緒に調理するのもモロッコならでは。また、小麦をそぼろ状にした「クスクス」もこの国独自の食材。シンプルで素材の味を生かしたモロッコ料理は、美容や健康にも良いと人気だ。

モロッコ料理おすすめメニューは?
モロッコの伝統的なダシン鍋(円錐形の蓋をかぶった土鍋)を使用した料理「タジン」。主に羊肉と香りをつけたジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの野菜に、アプリコットやナッツなどを加え、じっくりと煮込み味わい深く仕上げた料理だ。素材の持ち味を損なわずに調理することができるのが特徴。また、油を使用しないので非常にヘルシー。同店では羊肉が苦手な人でも楽しめるよう、野菜、チキン、シーフードなど種類豊富な「タジン」を提供している。
ミシュランガイドでも紹介された「モロッカンシーフードパエリア」もぜひ試してもらいたい一品だ。米で作る一般的なパエリアとは異なり、クスクスをミックスした同メニューは、新鮮なシーフードのエキスをクスクス一粒一粒が吸い込み、プチプチとした食感が楽しい。また、同店の人気メニューであるトリュフオイルを使用したひよこ豆のディップ「フムス」もおすすめだ。

オーナーから一言
異国情緒あふれたエキゾチックな「SAHARA」で、他では味わえない伝統的なモロッコ料理を味わいに来てください。日本人にも馴染みやすい味で、一度食べると癖になるかも!香港では珍しいモロッコ産ワインも楽しめますよ。

Sahara Mezz Bar
住所:G/F., 11 Flgin St., SOHO, Central
電話:(852)2291-6060
時間:月~日 18:00~26:00
内装外装

スリランカ料理体験教室
●スリランカの3つのホテルで計9年間勤務した
ニーシャンさん
Mr. Nishanニーシャンさん

「コミュニケーションを大切にする」「異文化交流によって視野を広げる」「考える力を養う」をテーマに、子供から大人向けまで様々なワークショップを開講している「Speakeasy」。同教室では語学をはじめ、アートやミニチュア粘土、アクセサリー作りなどのクラスを用意している。今回は、スリランカ出身の元ホテルシェフNISHANさんによる不定期開催「スリランカ料理教室」を紹介しよう!

魅力いっぱいのスリランカ
インドの南東に位置するスリランカ。日本と同じ島国で、かつてはセイロン島とも呼ばれていた。世界有数の紅茶の産地であり、セイロンティーは多くの国で親しまれている。また、シーギリヤロックや仏歯寺をはじめとした世界遺産が8個もあり、観光地としても注目されている。2010年には、ニューヨークタイムズ誌で「訪れるべき国第1位」に選ばれたほどだ。コロンボからゴールに至るまでの海沿いは黄金海岸ともいわれており、その美しさに惹かれ世界各国からサーファーが集まってくるなど、魅力いっぱいの国だ。

スリランカ料理の特徴
スリランカの代表料理といえば、「スリランカカレー」。オニオンベースで作られるインドカレーとは違い、スリランカカレーは「ココナッツ」を多く使用するため、マイルドな味わいでサラサラとした食感に仕上がるのが特徴
だ。インドカレーのようなこってり感はあまりなく、油分が少なくヘルシーなので日本人の舌にもよく合う。また、カーに使用するスパイスは、様々な種類を混ぜたミックススパイスが主流だ。
また、スリランカを訪れたことがある方ならご存じであろう「イディアッパ」も食卓に欠かせないアイテムだ。イディアッパとは、米粉から作られた麺を円盤型に蒸したもので、見た目は日本のそうめんに似ている。ご飯と同じようにカレーをかけたり、その他のおかずと一緒に食べたりする。

豆カレーの作り方

材料:1人分バナナブロッサム
・カップ2分の1の量のレンズ豆
・半分にカットしたオニオンスライス
・乾燥したガーリック4個
・ターメリック
・スリランカカレーパウダー
・チリパウダー
・カレーリーフ5~6枚
・1.5cm大のブロック形状のシナモン
・ココナッツミルク1カップ
・カップ2分の1の水

料理手順:
1.豆を洗い、中サイズのフライパンに並べます。
次に、ココナッツミルクを除く全ての材料をフライパンに入れます。
2.よくかき混ぜ、豆が茹で上がるまで中火で熱します。
3.豆が茹で上がったら、ココナッツミルクを追加して再び加熱します。
4.お好みに応じて塩を適量加えて下さい。
5.出来上がりです。
スリランカ料理

食べ方:
基本的には、米やパンと一緒に食べます。
もちろん、ナンと一緒に食べても美味しいですよ。

 

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