ビジネストピック ニューエコノミー

2017/10/10

新行政長官、キャリー・ラムをトップに、ポール・チャン・モポ財務長官が議長を務めるハイパフォーマンス・ファイナンシャル・フォーラムでは、ニューエコノミーと呼ばれるIT企業などに代表される新しい業態の企業を誘致し、株式市場に上場させるための改革について話し合いが持たれた。経済発展の方向性が、ラム氏の最初の政策演説において重要な部分であるのを示した格好だ。

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ニューエコノミーは、香港とシンガポールにおけるビジネス競争をすでに活発化させており、2ヵ国は現在競走の真っ最中だ。

その一環として香港の島嶼部が、テックハブ、そしてIPOを惹き寄せる磁場になることを目指すために、香港フォーラムの議題の中で最も重要視されている改革、デュアル・クラスシェアの株式公開を可能にする最初のアジア証券取引所になる可能性があり、注目されている。

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また香港はこれまでのところ、普通株主が除外されてしまうという懸念から、保有株数が少なくても支配権を保持できるような株式の形態とこれらの企業の上場を認めてこなかったが、eコマース業界の雄、アリババがそれらを理由にニューヨークの上場に切り替えたという過去の経緯もあり、今後は制度を緩和させていくようだ。

最近のパブリックコンサルテーションでは、市場を拡大し、第三の取引市場でデュアルクラスシェアを認可して利益実績のない新興企業を受け入れるこや、その対応方法についての金融専門家達のコンセンサスが明らかになった。

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香港証券取引所および証券取引委員会は、四半期ごとにフォーラムを再開する前にブリーフィングを行い、フォローアップを行う予定だという。

香港は、時価総額でアジア第3位の株式市場になる可能性を秘めているが、中国の成長の機会を捉えるためには、積極的な構造改革を行っているライバル国と対峙しなければならず、既存のやり方に固執し、前進しないことには淘汰されてしまいかねない。それはラム氏らが彼女の政策的な演説に先立って、新しい経済のニーズを満たし、投資家を守るための規制と開発のバランスをとる必要があることを繰り返し議論していることからも伺われる。

ニューエコノミーの台頭に伴い、株式の構造は従来の企業のそれとは異なるものになる可能性があり、その結果として規制は陳腐化する傾向にある。政府がこの問題を調査するために、財務長官を中心としたフォーラムを立ち上げたのは評価すべきだろう。経済政策が香港の政策の中心となることは明らかであり、政府は今後5年間の間に、香港の方向性について大きな舵取りを迫られる可能性がある。

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