総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:健康を追求する先にあるもの
健康でありたい気持ち
より健康でいたいと念願するのは多くの人に共通します。体調を崩せばやりたいことも断念せざるを得ない場合もあるでしょうし、仕事ができなくなれば、たちまちにして収入が断たれ既存の生活の継続が困難になる可能性が生じます。将来に対する希望も萎んでしまうでしょう。そのような大きな変化でなくても、身体的に何らかの不調が生じると、例え極めて些細なことであっても気になるし、例えようがない不安にもさいなまれるかもしれません。その一方で、糖尿病や高血圧など、痛みなどの苦痛がなく日常生活にとりあえずは影響しないような病気では、ことの重要性を自覚しにくいものです。健康診断などで内在する問題を指摘されても、がんなど一部の生死にかかわる病気でなければ積極的に治療することもなく、ちょっとした生活改善さえしない人も多いようです。健康でありたいとの気持ちが強いのに、自分は大丈夫だという過剰な自信が生まれるのも人間の勝手な一面ですね。
超高齢化と身体機能
がんでは死ななくなるといわれています。私が30年以上前、南太平洋のソロモン諸島でマラリア対策に携わっていたころに「仮に将来がんが治癒可能な病気になったとしても、マラリアを撲滅させることは困難だろう」とWHOの専門家から聞かされました。確かにマラリアをはじめ多くの感染症に現在も我々は悩まされています。それらの感染症に対しても、近い将来人類の英知をもって克服できる可能性が大きくなってきましたが、食というヒトの基本的欲求が原因ともいえる糖尿病や多くの循環器系疾患については、それを確実に予防したりリスクを取り去ったりする医学的技術はまだ完全ではありません。どんな医薬品やサプリメントを使用するより、食事を制限して体重増加を避け、適度な運動を心掛けた生活を継続するほうが、その発症確率を下げるのに効果的です。これは個人の意識に依存するものであり医学が介在する余地は少ないのですが、近年、幸いにも人々の意識の高まりは著しいものがあります。結果としてますます高齢化が進むわけですが、どんなに医学が進歩しても老化に伴う心身機能の低下を遅らせるのはとても難しいのです。
目標は自分でトイレ
超高齢化が急速に進む現代は、誰もが100歳を迎える可能性が高いのです。大病しても生かされてしまう時代であり、当然ながら寝たきりの高齢者が大幅に増加するはずです。例え寝たきりになっても人生を自ら強制終了することはできず、せっかく長生きしても、天井を見て過ごすばかりの毎日は実につまらないものです。身体機能が低下していくのは仕方がありませんが、少しでも機能低下を抑止したいものです。それにはなるべく早くから準備することが大切。高齢になると単に歩くこともいとわれるようになりますが、自分に鞭打ってでも歩き続けたいものです。健康な時は考えもしないことですが、歩けなくなるとトイレの使用が極めて困難になります。どんなに年をとっても下の介助は受けたくないのは普通の感情です。もちろん自由な外出ができれば素晴らしいのですが、目標は「這ってでも自分でトイレに行ける体力の維持」です。ただこれだけで良いのです。
我々は当たり前のように健康を維持しようともがいています。それが生活習慣病への罹患率を低下させるし、医学を進化させる原動力にもなっていると思います。しかし、そういった皆の努力が超高齢化社会を生み出し、そして皮肉にも新たな問題をはらむ原因にもなっています。そう考えながら健康を追求しなければいけないのは実に辛いものでもありますが、我々は最期まで健康を希求しながら生き続けなければいけないのかもしれません。矛盾しているものの、受け入れなければいけない現実ではないでしょうか。長寿は決して「寿」ではない時代にいることを自覚しなければいけません。
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。
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