今すぐ使いたくなる中国語「青山如故,只是人心変了」

2016/05/11

青山如故,只是人心変了
qīng shān rú gù, zhǐ shì rén xīn biàn le
「青山は昔のままなのに、人の心は変わってしまう」

「青山」は青い山々、「如故」は以前と同じという意味。山は昔から変わらず青いのに、人の心は変わってしまうので、違ったように見える。「物是人非」(ぶつぜじんぴ)―自然の景色は変わらないが、同じ場所に住んでいる人は変わってしまう―という故事成語と同じような意味だ。
実際、景色は変わっていないのに、気持ちの変化で、同じ景色が違ったものに見えてしまうという経験は誰にでもあるものだ。同じ暗雲を眺めても、人によって見方が異なる。「恵の雨だ」と思う人もいれば、「うっとうしいな」と思う人もいる。同じ晴れ渡った空を眺めても、「天気が良くて気持ちがいい」と感じる人がいれば、「日焼けしちゃうし暑いからいやだ」と感じる人もいる。同じ景色のはずなのに、以前とは違ってしまったように思えたなら、もしかしたら自分の心の状態や感じ方が変わってしまったためなのかもしれない。
この「物是人非」の考え方は、古くから文学の題材となってきた。日本にも「人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける」という歌がある。紀貫之が参詣でなじみの宿を久しぶりに訪れた際、宿の主人に梅の花を添えて贈った歌だ。人の心は変わってしまったかもしれないが、梅の花だけは昔のままの香りを漂わせている、という意味だ。これに対し主人は「花だにも同じ心に咲くものを 植ゑけむ人の心しらなむ」――花でさえ昔と同じ心のままに咲きますのに、植えた人の心を覚えていてほしいものです、と返している。

琅琊榜
作品紹介

琅琊榜(Nirvana in Fire ろうやぼう):
海宴によるネット小説を脚本とする中国大陸ドラマ。中国で放送
開始とともに大反響を呼んだ。南北朝時代をモデルとした中国の
架空の時代を舞台に、主人公・梅長蘇(麒麟の才子)が、皇位をめ
ぐる権力争いに身を投じる宮廷復讐劇が描かれる。

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