トイレ事情「智能馬桶蓋(温水洗浄便座)、衛洗麗(ウォシュレット)」中国でブレイク!

2015/04/14

智能馬桶蓋(温水洗浄便座)、衛洗麗(ウォシュレット)今年の旧正月期間、日本を訪れた中国人観光客が日本で大量に購入したのが”智能馬桶蓋“とか”衛洗麗“と呼ばれる商品だった。これはそれぞれ「温水洗浄便座」と「ウォシュレット」を表す中国語だ。最近話題となったこの出来事を踏まえ、今回は、最近の日中トイレ事情・意識の違いに注目。中国人がウォシュレットなどの高機能便座購入に走った最近の動向についても検証してみよう。
ご存じのとおり、かつての中国のトイレ事情はひどいものだったが、近年都市部の公衆トイレは改善されつつある。手短に両国公衆トイレ事情の違いにふれてみよう。
日本の常識:使用済みトイレットペーパーは流すもの。洋式化が進み、除菌クリーナーや便座シートが備え付けられていることも多い。温水洗浄便座が普及してきた。
中国の常識:使用済みトイレットペーパーはゴミ箱に捨てる。洋式は少なく、敬遠される(便座は他人が直接触れているので汚いというイメージ。それが嫌で靴を履いたまま便座に乗り用を足す人もいるので実際に汚れる)。温水洗浄便座はごく一部の高級施設でたまに見る程度、一般的とはいえない。
トイレを見れば文化がわかる……とも言われるように、経済発展を遂げる中国、都市部では改善が見られる。それに伴い都市部で暮らす人々の間でもトイレに対する意識に変化が見られる。かつては、用を足せればそれでよいという程度に考えられていなかったトイレだが、海外旅行できる層の人々は自宅のトイレの居心地を追求するようになってきた。それを象徴するのが、冒頭で述べた今年の旧正月に話題となった出来事だ。旧正月連休で日本を訪れた中国人観光客の消費額は60億元(約1140億円)とも言われている。中でも日本ブランドの温水洗浄便座が飛ぶように売れたという。ここで不思議に思うのは、中国国内でも販売されているにもかかわらずなぜわざわざ日本で購入するのかということ。しかも、面倒な水回りの設置工事が必要な商品なのに……。さらに言えば、日本ブランド製品の多くが実は中国製。
わざわざ日本で購入する理由の一つはステータスシンボルということらしい。トイレにお金をかけられるということはお金持ちであることの証拠でもある。中国メーカーの高機能便座もあるが、彼らが欲しいのは日本ブランドの商品。中国製にもかかわらず中国国内で購入するよりも日本で購入したほうが安く、品質管理も信頼できるということらしい。別の理由としては、転売目的が挙げられる。現在、ネット上では日本ブランドの高機能便座が高値で取引されている。需要に供給が追いついていないだけに、おいしいビジネスになっているのだとか。
公衆トイレでは、洋式の便座に座ることに抵抗を感じる人が多いことや、モラル、コストなどを考えると日本のように温水洗浄便座が普及することはないかもしれない。むしろ、この点に関していえば、ここまで温水洗浄便座が普及した日本の方が世界的に見ても特異な存在なのだろう。

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