教育相談室 第6回

2018/10/24

第6回「英検2級は取ってほしいと言いますが…」

 

大学受験でも一番重要な科目が英語です。文系でも理系でも受験の必修科目になっています。それに加え、国際化、グローバル化などという言葉で溢れている時代ですから、親御さんたちもお子さんの英語力に敏感になる気持ちは分かります。

 

【なぜ日本人は英語が苦手なのか】

言語を習得する上で欠かせないことはインプットとアウトプットのバランスです。
日本人にとって英語が習得しにくい理由もここにあります。
なぜ英語の単語や文章は頭に入ってこないのでしょうか。
そもそも英語と日本語の祖先は異なるので、単語は当たり前ですがそれぞれの文法の構成も根本的に違います。ですから、日本語の文を作るときの頭の使い方では英語の文を作ることができず、英語のインプットがうまくできないのです。英語の聞き取りが難しい理由もここにあります。
アウトプットについては、日本にいると、日常生活でまず英語を使う機会はありません。香港にいたとしても、インターナショナルスクールにでも通わない限り英会話らしい英会話が必要な場面は滅多に遭遇しません。
このように日本人の周りには英語を使う環境がないのです。
ですから、せっかく単語を1000語覚えたとしても、せいぜい使うのは多くて100語くらいで、その他の900語は使われることなく、記憶から消えていくのです。

 

【英検何級が必要なのか?】

特に香港に住む日本人の親御さんからは「香港にいる間に英検2級は取ってほしい」というようなことをよく聞きます。
では、この英検、実際に何級を持っていると意味があるのか?
私の考えでは英検準1級を持っていて初めて英検を持っている意味があると思います。
なぜかというと最近日本でも公認校が増えてきた国際バカロレア(IB)コースに入学するためには英検準1級レベルが必要だからです。
よく英検2級を目標にしている生徒がいますが、正直なところ2級では英語力的にも調査書的にも他の生徒と大した違いを見せることはできません。
ただ、英検のような検定試験は勉強をする(させる)ためのモチベーションになるので、そこに費やす時間と他の勉強とのバランスを考慮した上で上手に活用することは大事です。

 

【文法は先生に、単語は自分で】

英語を上達させるためには英文法の理解と単語の習得が欠かせません。
英文法の助動詞と不定詞あたりからだんだん生徒たちの理解度に差が出始めます。文法についてはただ機械的に覚えるのではなく、ルールをしっかりと理解することでテストでも実生活でも間違えずに使えるようになります。学校でも塾でも構わないので、文法については分かるまで先生に解説してもらいましょう。
一方で単語は時間をかけて覚えるしかありません。最初にも述べたように日本人の住む環境にはアウトプットの機会が少ないので、とにかく継続して単語を覚えるしかありません。ということは学校の英語の授業の時間だけでは不十分で、学校の通学路、就寝前、朝起きた直後など、暇を見つけては単語帳に目を通すことが必要です。単語勉強のコツとして、毎日決まった時間・場所で単語の勉強をすることです。

 

【英語ができるとどうなるのか?】

英語ができても、他の科目の成績や能力・経験などに欠けていたら一流大学や大企業には入れません。
英語はそれだけで何でも叶う魔法の道具ではないのです。(←ここがポイント)
ただ、自分の持っている能力や経験に英語力が加わったとき、将来の選択肢は一気に広がります
また、英語は世界の公用語なので、すべての分野で英語による資料が一番多いです。日常生活や仕事や学校で何かを調べるときに英語ができると、得られる情報の数は圧倒的に増えます。

 

 

 


さかもと りゅういち

筆者プロフィール
さかもと りゅういち
筑波大学体育専門学群卒業後、2012年のロンドン五輪観戦を目指し、韓国から列車を乗り継ぐ旅を始めるもその途中で中国にはまる。一旦、尖閣問題で日本に強制送還されるも、その後、香港にて学習塾を開校、運営に従事することでカムバック。香港現地の日本語学校の運営にも携わる。

 

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