僕の香妻交際日記 第78回 結婚は素晴らしいことなのか?

2022/11/09

P16 HK Wife_727結婚は素晴らしいことなのか?

夫婦間で衝突を避けられないのが結婚である
ふとたまに、なぜ夫婦喧嘩は絶えないのかと疑問に思うことがある。お互いの良いところも悪いところも全部含めて好きで、この人となら良い家庭を築き上げることができるだろうと意を決して結婚したというのに、いざ結婚してみるとお互いの嫌いな部分だけがどんどん増えていき、時にどうしても受け入れられなくなり喧嘩になる。
私は喧嘩になるとダンマリを決めこみ、妻の言い分を聞きながら「分かった分かった、もう君の言う通り、君の勝ちだ」と早く喧嘩を終わらせてビールでも飲みながら「ディズニー+」で香港映画を観たい派の人間だ。
一方で妻は喧嘩になると私の言い分を聞かないと気が済まないタイプなので、私がダンマリを決め込もうとするとさらに逆上して、私がちゃんと理由なり考えなりを述べない限り「ディズニー+」を見せてくれないのだ。
それは私だって言いたいことはたくさんあるけど、それを妻に言ったところでお互いに違う性格、感性の持ち主なんだから絶対に分かり合えない部分はあることを心の中でも頭の中でも分かっているからこそ私はダンマリを決めこむのであって、ダンマリだって楽じゃないぞということを妻にも分かってほしいところである。
ちなみに、私の友人はダンマリを決めこまず、ズバズバと妻に対して口に出してしまうタイプとのことで、それはそれで夫婦喧嘩が絶えないという。
つまり、ダンマリを決めこむか決めこまないのかを考えることは無意味で、何をしたって妻との喧嘩を避けることはできないということなのだ。

男性と女性の脳の違い
結婚生活研究の権威、マーク・ガンガー氏によれば、男性の頭の中には小さな引き出しがたくさんあり、一つの引き出しにつき一つの話題が収納されているという。だから一つのことに集中して考えることができる反面、複数のことに頭が回らないということだ。
一方で女性の頭の中は無数のワイヤーが張り巡らされていて、全ての話題がそのワイヤーによって繋がっている。つまり一つのことを考えるのに他の話題の要素もあちこちから入り込み、話が複雑になり、長くなるのだという。

妻が夫にキレるワケ
妻が夫にキレてしまうのは夫が失敗を繰り返すからであり、そしてその数々の過去の失敗を妻は鮮明に覚えていて、その時の感情が今も頭の中で常に記憶として残っている。
もちろんこれらの記憶はネガティブなものなので、いつのまにか夫そのものに対してネガティブな印象を持ってしまうようになる。ネガティブな印象を持ってしまったら最後、夫がちょっとしたミスをしただけでも「またやった」と過去の失敗例を出しながらガミガミと突っかかる。たまに夫が良い行いをしてもネガティブな印象が強すぎて素直に喜べなくなる。過去、現在、未来の記憶が常に頭の中でつながっているので妻の夫に対する態度や印象は結婚当初から比べると大きく変化するのである。
とは言え、実は妻だって失敗を繰り返している。ただ妻と違って夫は自分自身の過去の失敗をあまり気にしないように、妻の過去の失敗を現在に持ちこまない。頭の中の過去と現在の引き出しが違うので過去の感情を現在に引きずることなく、“今”を今の感情で行動、考えることができるのだ。だから、妻が失敗をしてもその場ではちょっとイラっとすることもあるが、明日にはもう気にしなくなっているのである。
しかし、そんな過去を気にしない夫が妻にキレることだってある。夫の日々(過去)の過ちを忘れることのない妻は、過去の都合の悪いことをキレイに忘れることができる夫に腹が立ちキレる。夫からすると大したミスじゃないのに妻がキレるので、妻がどうしてそんなにキレているのかが分からずに唖然としていると、その唖然としている姿に妻がさらにキレて、そのしょっちゅうキレている妻の姿を見て夫も「めんどくさい奴だなあ」とキレてしまうのだ。

やっぱり結婚は素晴らしいことだ
結婚生活では数々の衝突やストレスは避けられないものの、結婚がもたらす良い面も研究者たちはちゃんと立証している。
既婚者は独身者よりも健康で、幸福度が高く、収入も高く、より良い性生活を送れて、男性に関しては既婚者の方が長生きすることも立証されている。独身でいることは1日2箱半の煙草を吸うのと同じくらい健康に良くないというのだ。
一般的には男性は無頓着で、女性は神経質と言われるが、個人差はもちろんある。ただ夫はもう少し妻のことを気にかけること、妻はもう少し夫の良いところを意識することで、もしかしたら少しは喧嘩の数も減らせるのかなあとまた無駄なことを考える今日この頃である。


ルーシー龍ルーシー龍(りゅう)

東京都出身。香港歴10年。世の中のオヤジの威厳を取り戻すため愛娘に甘い妻と日々衝突を繰り返しながら子育てに奮闘中。

 

 

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