料理長に聞く本物の味「日本料理 正本」広州市天河区

2015/03/17

熱き心を持った日本人料理長に聞く「本物の味」

日本料理 正本の寿司

広州市で長きに渡り愛され続けている本格日本料理店「正本」。週に2回、日本から空輸される新鮮な食材を使い、味はもちろんのこと盛り付けの美しさにもこだわった料理の数々は、接待や家族との大事なひと時を鮮やかに演出してきた。スローガンである「料鮮(新鮮な食材の提供)」、「味正(美味しさの提供)」、「客為本(質の良いサービスの提供)」の通り、妥協を許さず常に最上のおもてなしを提供し続けている同店。
今回は、そんな「正本」の料理長を務める浅野賢二さんに話を伺った。京都で20年、大阪で5年の職人歴を持つ浅野さんは、今年1月に立ち上げから3年携わった上海の寿司懐石店を離れ同店の料理長に就任した。

広州で食べれるマグロ     日本料理 正本の店内
■料理人として日本でも充分な地位があったのにも関わらず中国・上海に渡ったのは何故ですか?
日本料理に対する関心が高く、誰も自分の事を知らない場所で「無形文化財」たる和食の素晴らしさを伝えたいと感じたからです。旅行ビザで滞在して1か月後には、「ここで勝負しよう!」と決めていましたよ(笑)。人口の多い中国ならより多くの人に”本物の味“を知ってもらえますしね。
■すごい決断力です!実際に上海、広州での手応えはいかがですか?
手応えはありますね。”良いものはどこへ行っても喜ばれる“というシンプルな手応えを感じています。食材に関しても日本から空輸しているものもありますが、中国の地のものでも充分に美味しい料理ができます。また、広州は香港に近いこともあり松葉ガニなんかも旬の時期に新鮮なものが手に入ります。
■「無形文化財」としての和食について
お話を聞かせて下さい。
そうですね。私は、料理には”道すじ“があると考えています。食べるだけではなく、その土地にあった食材を選び、調理をして、お皿に盛り付ける。お客様がその料理を見て、箸を手に取り、食べ終わるまでを私は想像します。もちろんその間の「いらっしゃいませ」から「ありがとうございます」といった”おもてなし“も全てが”文化財“としての和食だと考えています。
■なるほど。料理人だけでなく、その店で働く人達の顔が出てくるのですね。
だから、私はいつも調理場からホールを見てお客様の様子を伺いながらその瞬間の最高の料理を提供できるように心掛けています。日本人のお客様であれば、”故郷“の味を思い出してもらえるような、中国人のお客様には、日本料理の本物の味を知ってもらえるような。そんな料理が提供できればと思います。

日本料理 正本の自慢料理日本料理 正本の料理長
落ち着いた佇まいで淡々と語る浅野氏の目は優しい。だが、時折見せる鋭い眼差しは、30余年の間に培ってきた料理人としての誇りを物語っているようにも思える。一皿一皿に”道すじ“を見出し、想像する心。そんな熱い心が「無形文化財」なのかもしれない

【日本料理 正本】
〈本店〉
住所:広州市天河区林和東路123号
電話:(86)20-3828-9379
時間:11:30~14:00、17:00~23:00
〈珠海新城店〉
住所:広州市珠海新城華成路12号
(嘉裕君玥公館北門)
電話:(86)20-3806-7098
時間:11:30~14:00、17:00~23:00

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