深セン発の世界企業【規格外な本拠地】4選

2025/03/19

ほかに類を見ない速さでベンチャーを世界的企業へと急成長させる脅威の都市、深セン。現在もこの地で生まれたイノベーション企業が次々と世界市場に挑み、各業界で圧倒的な存在感を示している。ここでは深セン周辺にある巨大企業の驚くべき本拠地をご紹介しよう。

 

東莞に突如現れるヨーロッパの街並み
ファーウェイ

深センに本社を構える華為(ファーウェイ)。2012年には世界最大の通信機器ベンダーへと成長し、3つ折りスマホを世界で唯一製造するなど現在も業界を牽引し続けている。2018年、同社は研究開発部門を東莞に移転させたのだが、その規模と様相がまたしても世界を驚かせた。ヨーロッパ村と呼ばれるこの拠点、面積は150万㎡とバチカン市国の3倍以上。専用電車が走る広大な敷地内には古城や宮殿を模した建物が立ち並び、欧州の都市に迷い込んだかのような景色が広がる。このほかにも現在建設を進めているとされるいくつかの半導体工場を含め、深セン周辺には複数の生産工場を持つほか、運動データを収集するためのヘルスラボなど研究施設も保有している。

©Otis Yang (CC BY 2.0)

©Otis Yang (CC BY 2.0)

 

世界に先駆ける「未来都市」を建設中
テンセント

WeChatやオンラインゲームの運営を手がける超大手IT企業で、1998年に深センで誕生した騰訊(テンセント)。深セン市南山区にある本社ビルは、50階建てと39階建ての超高層ツインタワーだ。この本社は2017年に総工費18億元をかけて建てられたまだ新しい社屋だが、2019年には宝安区にある半島を85億元で取得、新本部とすることを発表した。今年6月には一部が竣工予定だというが、島全体が完成すると、同社の技術がフル活用されたスマートシティとなる予定。将来的には75,000人の従業員を受け入れ、住宅エリアや医療機関、教育施設、体育館、文化センター、ホテルなどの大型施設も建設するという。

©Charlie fong (CC BY 4.0)

©Charlie fong (CC BY 4.0)

 

新施設には6万人の研究開発者を採用予定
BYD

1995年に電池メーカーとして深センで創業したBYD。現在はITエレクトロニクス、電気自動車(EV)、新エネ、モノレールの4事業を軸として展開する。2003年に自動車事業に初参入したが、その後EV分野で大躍進。昨年にはついにフルEVの世界販売台数で絶対王者のテスラを抜いた。深センにある敷地面積380万㎡という広大無辺な本社工場には、まだ世に出ていない新技術が搭載された試乗車や自社開発のモノレールが走り、BYDの最先端テクノロジーに触れることができる。さらに現在、深セン市龍崗区でグローバルR&Dセンターの建設が行われており、6万人の研究開発職を採用する予定だという。

default

 

新しいランドマークとなった超高層本社ビル
DJI

業界シェア7割を誇るドローンの世界最大手企業DJI。2006年にたった3人でスタートしたベンチャーは、20年を経ずして社員数12,000人の大企業へと成長した。現在は100カ国以上で商品やサービスの提供をしており、香港や東京、ロサンゼルス、フランクフルトなど世界各国にオフィスを構えるが、本拠地は今も深センにある。2022年、イギリスの有名建築事務所とともに6年の歳月をかけ完成させた本社ビルは、研究開発拠点にもなっている。先日、BYDの全ブランド車両に同社のドローンシステムを搭載することが発表されたばかり。世界的企業となった今も、この地に本拠地を置くからこそのイノベーションが生まれ続けている。

4 DJI

 

Pocket
LINEで送る