二月二九日「雨水」広州
「雨水」は、二十四節気の二番目の節気。毎年旧正月の十五前後、一般的に西暦二月十八日から三月五日ごろまでの時期、気温が上がり始め氷雪が溶け、降水量が増えるため「雨水」と呼ばれるようになった。
雨は穀雨、小雪、大雪と同様に気象状況が反映された節気である。「雨水」の後、中国の大部分の地区の気温は零度以上になり、黄淮平原の日中平均気温はすでに三度前後に達し、江南の平均気温は五度前後で、華南地方の気温は十度以上で、華北地方の平均気温は依然として零度以下である。雨水前後、アブラナは青く成長し、水分に対する要求が高くなる。「春雨如油 春雨は油のように貴重」、この時の適当な降水は作物の成長に特に重要である。
「雨水」の日に、四川省西部で「拉保保」という面白い行事がある(保保は義父の意味、拉保保は「義父を探す」という意味である)。以前、人々は自分の子供のために神を探し願を掛ける習慣があり、義父を探す必要があるかどうかを神に問う(義父がいると子供が順調に成長できるという言い伝えがあった)、そこで雨水の日に「拉保保」という行事ができた。これは川西(四川西部)の民間習慣となっている。この日、家では子供の義父を家に招き、子供に額を地につけて拝礼したあと、義父を呼び、「義父にお酒や料理をご馳走する」「義父に子供の名前をつけてもらう」などを行うと、「拉保保」は成功なのだとか。
雨水後は病原性細菌やウイルスが活動しやすい気候のため、春の伝染病は流行しやすい。この時期に体を鍛えることで抵抗力を強め、病気の発生を予防すべきである。
雨水節には、土地の湿気が上がり、朝には露や霜が現れる。そのため、このような気候の特徴に対して、飲食の養生は脾胃の養生と「防風除湿」に重きが置かれる。漢方医曰く、春の肝気は旺盛「肝木易克脾土(肝気が旺盛なら、脾臓が悪くなる)」であり、春の養生方法が適切でないと胃や脾臓を損傷しやすく、機能の低下を招く。雨水節気の後、雨が増えるにつれて、寒湿の邪気は脾臓に入り、除去しにくい。バランスの良い食事を心掛け、五味(酸味、甘味、苦味、辛味、塩辛味)が偏らないようにし、できるだけ辛い食品を少なくし、新鮮な野菜を多く摂取する。また生冷(生ものや冷たいもの)を少なくし、脾胃の陽気を守る。
他にも雨の季節には、「春の寒さ」も予防しなければならない。これは初春の降雨が気温の急激な低下を引き起こすためで、これは特に高齢者と子供の健康に対する脅威が大きく、特に温度が急激に低下する時、高齢者の血圧は上昇しがちとなり、心臓病、心筋梗塞などを誘発しやすい。子供は気温の変化によって呼吸器疾患を引き起こしやすく、風邪や発熱を引き起こすため、充分注意しなければならない。