深センものがたり 第34回

2021/05/05

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堤灯~深センの客家人~

 客家人(ハッカ)とは、11世紀頃の北宋時代に、戦いを避けるため華北から長い年月をかけ、江南、福建、華南へ移住した漢民族である。一部は、広西省や四川省、台湾や東南アジアへも移住した。主に客家語(唐宋時代の漢民族語)を話す。

 

文化祭文化祭

 客家の文化祭は、主に客家人が多く住む地域の政府または客家人の団体が推進し、客家文化をテーマに発揚し、客家の文化を革新することを目的とするイベントである。特に知名度が高いのは、広東省の深セン客家文化祭、河源中国客家文化節、中国鳳崗客僑文化節、梅州世界客家文化芸術祭。江西省の中国贛州客家文化祭。広西自治省の広西博白客家文化節。その他の周辺国では、香港客家文化祭、マカオ客家文化祭、台北市客家文化節、台湾桃家文化祭、マレーシア客家文化祭などがある。

 継承してゆく文化は、各々地域の客家人の歴史や環境によっても異なるようであるが、客家人としての“ブレない根本的な精神”は昔も今も未来も不変なのだそうだ。

 

客家語

 客家の言葉は一般的には客家語と呼ばれているが、地域によっては独特の呼び方をされている。広東省の一部地域では、“水源音”と呼ばれている。広東省の東の方では、“福広話”や“嶺東語”と名付けられている 。また、“土広東話”と呼ぶ地域もある。

 江西省の一部の地域では、“贛南語(贛南客家語)”と言われている。広東省の西から桂林にかけての広い地域では、“天涯話” 、“麻介話”、“新民話”、“麻箇話”などと名付けられている。浙江省では、“汀州の腔(なまりの意味) ”と呼ぶのだそうだ。
言語が異なる57の民族の言葉を短期間で“普通後”に統一した国家は、客家語という言語名が実際になんと呼ばれていようが、どうでもよい話なのだろう。

 客家

 

客家文学

客家lightup 客家の文学は、客家歌謡、客家民話、客家山歌、客家山歌劇、茶摘み劇、方言小説、方言詩などがある。作家たちは作風などに関わらず、客家の社会生活が反映されており、客家人の思想や感情の表現があり、作品の中で客家の生活環境の描写さえあれば、すべて客家文学だと言われている。客家人ではない作家が、客家の世界に深く入り込んでいるならば、客家の生活を反映した文学作品を創作している限り、客家文学の作家として認められるのである。

 

客家料理

三杯鴨

 今日は、客家料理の代表各である三杯鴨(サンペイヤー)を紹介させていただく。この料理名の由来は、一杯の醤油、一杯の酒、一杯のごま油(またはラード)、以上の合計三杯を入れるので名付けられた。土鍋で作るのが美味しくさせる秘訣であり、鴨肉の味は濃厚であるが、決してしつこくなく、香ばしい香りが食欲を増大させる。生姜、ニンニク、ごま油、唐辛子が混ざり合って抜群のハーモニーを引き出しており、一度食べると、忘れられない味になってしまう。

 古村

 深セン市の広い範囲に長年住む生粋の深セン住民の約65%が客家人と言われる。以前の深センは湿地帯であり、多くの沼地が存在し、多くの深い溝があった。深い溝を客家語で訳すと、“深圳(Shen zhen)”である。史籍上では、1410年に深センという地名が初登場している。

 


宮城 紀生深セン在住20年のベテランコンサルタント
宮城 紀生
miyagi@waya.net.cn
 
 
 
 
 
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