絶滅危惧種「コモドドラゴン」ユネスコ世界自然遺産コモド国立公園(インドネシア)
亜細亜のFree Paperから絶滅危惧種に出会える From インドネシア動物
ずっと「子供ドラゴン」だと思っていた。ユネスコ世界自然遺産コモド国立公園のあるコモド島を中心に生息している「コモドドラゴン」。見るからに固そうな鎧のような皮膚、しゅるしゅると素早く出し入れされる細長い舌、分厚く尖った爪、のっしのっしと歩く姿。大きいものでは全長3メートル、体重150キロほどにまで成長し地球上最大のトカゲとして注目を集めている。近年では日本のTVでも紹介され、この“現代の恐竜”をひと目見ようと距離的・価格的にも決して容易ではないこのコモド島へ訪れる日本人観光客も増えている。昼間は比較的暑さにバテてぐったりと大人しいが、野生のイノシシやシカを主食とし、時にはコモドドラゴンの子供(共食い)や人間まで食べてしまうと聞く。会いにきたのはいいがコモドドラゴンの姿を見つけるとキャーと逃げてしまうことも多々。常に緊張感が隣り合わせなのだ。獲物を捕えるときはギザギザの歯で噛み付き、猛毒とバクテリアを流し込むという。柵なし、飼育員なし、の野放し状態。食物連鎖の頂点に立つ、コモドドラゴン。「十分に気をつけて」「レンジャーハウスに宿泊の際は鍵の施錠を決して忘れないで」という注意のもと、エサにもなり得るかもしれないわが身の生命を実感しながらカメラ片手にコモドドラゴンに会いにいく人間の姿はたくましくも面白い。今ではコモド島、リンチャ島、パダル島を合わせて、3000~5000頭ほどのコモドドラゴンが生息しているが、悲しいことに絶滅危惧種に指定されている。コモド島は赤い珊瑚のカケラが白砂に混じり、世界でも大変珍しいピンクビーチも見所のひとつ。美しい自然と古代地球の神秘を感じに、コモドドラゴンの島へ行き人生を見つめ直すのもいいかもしれない。

枝別れした舌が凶暴さをさらに演出

意外とカワイイ顔?のコモドドラゴン

100%天然のピンクビーチ
文:青松知加
アピ・マガジン編集部
2002年4月バリ島で創刊。今年の7月号で100号を迎える。2ヶ月に1回(奇数月15日)発行。バリ島を中心に、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、スラウェシ島、ロンボク島などインドネシア中の観光情報や最新情報を紹介。地元編集部ならではの土着した生活術、地域密着情報、インドネシア人スタッフと力を合わせ、日々取材に走り回っている。



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