キャリアアップに役立つ日本の資格・検定

2025/02/19

学びのメディア「日本の資格・検定」のアンケート結果によると、就職や転職に役立つ資格として5年連続で首位に輝いた「日商簿記」や、昇格・昇進の要件として活用される機会が増えた「TOEIC」などを受験する人が目立つ。ここでは、日本で使える資格・検定に注目。試験は基本的に帰国しなければ受けられないが、本帰国後のキャリアアップに向けて、今から勉強を始めてみてはいかが?

 

2025年版「就職・転職に役立つ資格・検定ランキング」
1 位  日商簿記検定
2 位  宅地建物取引士 (宅建士)
3 位  ファイナンシャル・プランニング技能検定 / ファイナンシャル・プランナー(AFP/CFP®)
4 位 TOEIC® Listening & Reading Test
5 位 実用英語技能検定 (英検)
6 位 マイクロソフト オフィス スペシャリスト (MOS)
7 位 自動車運転免許
8 位 社会保険労務士 (社労士)
9 位 看護師
10位 ITパスポート試験 (iパス)

出典:学びのメディア『日本の資格・検定』

 

どんな業界でも武器になる
日商簿記検定
種類:公的試験
難易度:難しい(2級)
学習目安時間:200時間~(2級)
企業の経営活動を記録・計算・整理して、財政状態などを明らかにする技能、簿記。検定は日商、全経、全商と3種類あるが、最も知名度が高く社会人向きなのが日商簿記だ。初・1・2・3級があり、就職・転職に有利なのは2級以上とされる。企業の経理部門や会計事務所、税理士事務所はもちろん、取引先の経営状況を把握した上で的確な提案ができる営業職、顧客分析に活用できるコンサル業、さらには独立や起業を目指す人にも役立ち、どんな仕事にも活かせるのが特徴。

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知ってるだけでも得をする!
ファイナンシャル・プランニング技能検定 (FP技能検定)
種類:国家試験
難易度:普通(2級)
学習目安時間:150時間~(2級)
資産や家族構成などに応じた資金計画やアドバイスをする仕事がファイナンシャルプランナー(FP)で、FP技能検定はそれに必要なスキルの程度をはかる国家検定。1・2・3級とも学科試験と実技試験で行われる。学科と実技の両方に合格すると合格証書が発行され、等級ごとに「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗ることができる。資産運用や税金対策の知識が得られるため、普段の生活でも役立つ検定だが、金融業界では2級以上が求められる場合が多い。

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第2の人生も夢じゃない!
社会保険労務士 (社労士)
種類:国家試験
難易度:とても難しい
学習目安時間:800時間~
社会保険や年金、労働管理などを担う専門家である社労士。具体的には、給与計算や労働保険の手続き代行、労務に関するコンサルティングなどを行う。社労士だけが認められている書類作成など独占業務があるため、専門職としての需要は高い。ただし、受験には学歴や実務経験など資格要件があるので試験勉強を始める前に必ず確認しよう。企業の人事労務部門や社労士事務所、会計事務所など活躍の場は広く、40~50代で受験する人も多い。定年後の独立開業や、子育て終了後の再就職を目指す人にもおすすめ。

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保険・金融界でも重宝される国家資格
宅地建物取引士 (宅建士)
種類:国家試験
難易度:やや難しい
学習目安時間:200時間~
宅建士は不動産取引の専門家であり、契約時に重要事項を説明する役割を持つ国家資格。学歴や経験など受験資格に制限はないが、合格後に宅建士として業務を行うには、登録講習か実務経験を経て宅建士証の交付を受ける必要がある。独占業務があるため需要が高く、不動産業界だけでなく保険業界や金融業界などでも活かすことができる。国外からでも受講可能なオンライン講座も多数あるので、それらを利用し海外在住中に勉強する人も多い。

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情報技術系資格の登竜門
ITパスポート試験 (iパス)
種類:国家試験
難易度:普通
学習目安時間:100時間~
ITに関する基礎知識の習得を証明できる国家資格で、未経験者や文系の人でも学習しやすい内容になっているのが特徴。試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施され、ハードウェアの仕組みからマネジメントの方法まで幅広く出題される。IT関連の国家資格のなかでは入門的位置づけとなっているので、IT初心者はまずこのiパスを取得し、その後より専門性の高い資格にステップアップしていくのが理想的なアプローチ。

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事務職には必須スキル!
マイクロソフト オフィス スペシャリスト (MOS)
種類:民間試験
難易度:易しい
学習目安時間:50時間~(エキスパート)
WordやExcel、PowerPointといったマイクロソフトのスキルを証明する民間資格。難易度はやや低めで取得しやすく、合格率は一般レベルが約80%、上級レベルのエキスパートは約60%と言われている。就職や転職の際、元々高い知識が必要なエンジニアなどの場合は評価につながりにくいが、基本的なPCスキルが求められる仕事の場合はアピールポイントとなることも。帰国後に事務職などで復職を考えている人は、今から勉強しておいて損はないはず。

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要注意!「日本語教育能力検定」では日本語教員になれない!?

日本語教員は民間から国家資格へ
2024年に施行された日本語教育機関認定法により、日本語教員は民間資格から国家資格へと格上げになった。ただし、日本語教員となるにはこれまでと違った条件が。新しくスタートした「日本語教員試験」に合格して、晴れて国家資格「登録日本語教員」となれる。昨年11月に初めて実施された日本語教員試験だが、今後、受験方法なども改定される見込み。

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日本語教育能力検定は意味がない!?
日本語講師のキャリアをスタートできる出発点のひとつとして、毎年多くの人が受験していた「日本語教育能力検定試験」だが、上記により、試験に合格するだけでは正式な日本語教員としては認められなくなった。検定の受験を考えていた人は注意しよう。

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今後、日本語教員になるためには?
登録日本語教員になるためのルートは大きく分けて下図の2通り。新しく誕生した教員試験に挑んで、日本語教師としての一歩を踏み出してみては?

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