一時帰国で【短期入学】体験記

2024/12/18

普段海外で生活している子どもたちにとって、日本の生活を知ることができる日本の小学校体験入学は、自分自身のルーツに触れたり、視野を広める貴重な体験となるだろう。香港では6月~8月の間、長いサマーホリデーに入る学校も多い。夏休みを利用して、日本の小学校へ体験入学をした2家庭へインタビュー! どんなことが思い出に残ったのか、さっそくご紹介していこう。

岩田 駿洋くん 日本人の父と、香港人の母の間に生まれ、香 港のインタースクール在籍の16歳。幼少の 頃から父親の地元である鹿児島をはじめ九州へは帰省や旅行目的で足繫く通う。

岩田 駿洋くん
日本人の父と、香港人の母の間に生まれ、香港のインタースクール在籍の16歳。幼少の頃から父親の地元である鹿児島をはじめ九州へは帰省や旅行目的で足繫く通う。

待っていてくれる日本の友達に囲まれて
駿洋くんのお父さんは香港生活19年目を迎え、鹿児島県人会の会長も務めている。そんなお父さんのつながりもあり、学校の休みを利用して日本の学校に体験入学を始めたのは小学校2年生の時。その後6年生まで定期的に帰省し、地元の小学校へ短期編入を繰り返しながら、現地生と交流を深めた。

日本へ体験入学を決めた初めてのきっかけはどんなことですか?
(お父さん) 私が若い頃から海外で働いた背景もあり、いろんな価値観や文化を学んでほしいという思いがありました。日本へ編入する前に息子をオーストラリアへホームステイに送ったことがありました。その時に国際色豊かな友達が大勢できたこともあり、今度は私の生まれ故郷・日本の文化に親しんでもらおうと計画したのがきっかけです。

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一番初めの編入手続きはスムーズに運びましたか?
(お父さん) ちょうどその頃、私の父が地元の小学校で児童の登下校見守り隊をしていました。校長先生をはじめとした先生方とは面識がありましたので、ありがたいことにスムーズに話が決まり、1週間といった短期でも受け入れをしてくれましたね。初めての体験入学は秋休みです。

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1週間という期間は短く感じますが、当時駿洋さんはすぐ慣れましたか?
(お父さん) 1学年3クラスあったのですが、月曜は1組、火曜は2組というように日替わりで順番に席を作ってくれたので、1週間経つ頃には学年全員が友達という、おもしろい取り計らいを学校側がしてくれたんです。また次の年にも同じようにしてくれ、息子も毎年の帰国を楽しみにするようになりました。
(駿洋くん) クラスのみんなは僕のところに頻繁に来て自己紹介をしてくれたり、遊びに誘ってくれたので、すぐ溶け込むことができました。わからないことがあると親切に教えてくれたり助けてくれたり。1週間後の別れはさびしかったですが、また次の休みに来るよと約束しましたね。

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難しい/簡単と感じる授業は何でしたか?
(駿洋くん) 家庭科です! 香港の学校には一切ない科目なので、裁縫がとても難しかったです。英語の授業は先生のサポートにまわることもありました。当時は7,8歳だったので僕の英語が早口すぎて同級生が聞き取れなかったこともいい思い出です(笑)。

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日本での体験の中で思い出に残ることは?
(駿洋くん) 学校の次に祖父母との旅行で九州をまわったことです。阿蘇山や長崎、宮崎、大分など大自然にも触れ、日本の食や文化を体験することができました。僕は本当に幸せです!

次に住みたい場所は?
(駿洋くん) 普段、渋滞や満員電車が多く見られる香港に住んでいることもあり、自然豊かな日本には憧れますね。高校卒業後は経営学を学ぶためイギリスに留学して、交換留学先として日本に住むことも検討中です。

 

 

 

山内 晄太郎くん お父さんの駐在を機に2021~24年の3年間を香港で過ごす。日本での体験入 学は23年の夏休みに自宅がある都内の小学校へ通った。現在は小学4年生。

山内 晄太郎くん
お父さんの駐在を機に2021~24年の3年間を香港で過ごす。日本での体験入学は23年の夏休みに自宅がある都内の小学校へ通った。現在は小学4年生。

給食! 虫捕り! キャンプ! 日本がもっと大好きに
晄太郎くんは現在東京都内の小学校に通う小学生。2024年3月に香港でたくさんできた友達に見送られ、日本へ帰国した。香港在住時はラグビーやサッカーなど身体を動かすことが多い一方で、英検の勉強などにも励んだ頑張り屋さんだ。登校初日は緊張したという彼が、一時帰国時のスクールライフや日本でのアクティビティの様子を教えてくれた。

帰国前年の駐在3年目の夏に日本へ体験入学をしたのはなぜですか?
(お母さん) 翌年に帰国が決まっていたので、事前に環境に慣れてもらうために決めました。まずは区の教育委員会にメールをし、学区内の小学校へ連絡をとりました。そして7月の終業式まで約2週間、お世話になりました。
朝8時に家から3分のところにある学校へ自分で登校してくれるのでありがたかったですね。学校側も教材を貸してくれたので給食費のみの実費と良心的でした。また連絡を密にしてくださる担任の先生だったのも安心感が湧きましたね。一度、小テストで60点を息子が取った時には、他の子も含め補習授業を行ってくれたことがありました。

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日本の小学校はすぐ慣れましたか?
(晄太郎くん) 初めは緊張しましたが、幼稚園の幼馴染がいたのですぐ打ち解けることができました。友達と会うことが楽しくて、放課後も公園でずっと遊んでいました! 日本の学校は給食が本当においしいのがお気に入りです。揚げパン、ラーメン、フレンチトーストが僕の三大好物メニューです(笑)。
算数の授業は、香港の学校より少し簡単に感じました。香港でも国際言語として日本語授業を取っていたので漢字の進度も同じくらいでした。社会では、地元の土地の使われ方を学びましたが、実践的で面白かったです!

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日本で一番楽しかったことは?
(晄太郎くん) 学校が終わり夏休み本番になって、友達と白馬にイングリッシュキャンプに行ったことです。水遊びやSUP体験など、本当に楽しい思い出になりました!また家族で富士山キャンプにも行き虫捕りにもはまりました。香港ではなかなかできない体験をできてよかったです。
僕はスポーツが大好きで、ラグビーをやっています。日本は近所にたくさんの選択肢の習い事・レッスンがあり、お母さんが送り迎えが楽だと言っていました。空手やサッカーにも興味があります!

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帰国後、英語のフォローアップは何をしていますか?
(お母さん) 毎週金曜日に帰国子女財団JOESに通っています。教科書を無償で提供してくれたり、帰国子女向けの受験情報を発信してくれたりと、非常に心強い味方ですね。また、オンラインの英語保持教室を週に2回ほど利用し、ネイティブの先生に指導を受けていますよ。テストもあり、子どももある程度の緊張感を保ちながら学んでいるのでありがたいです。

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将来はどこに住みたいですか?
(晄太郎くん) サーモン漁師になりたいのでカナダにも行きたいですが(笑)、アメリカにも行ってみたいです。できれば多くの場所に行って学校の先生をしてみたいなという気持ちもあります。

皆さん、ご協力ありがとうございました!今後も応援しています(編集部)。

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