風水の奥義を行く!第103回 「絶対無理」の殻を破る、の巻
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。
◆キラッキラのチカラ◆
風水には富も貴も享受できる鉄板ネタがあります。
「三吉六秀」はその一つです。「三吉」とは3つの吉方位のことです。震(東の方位のこと・しん)、艮(北東の方位の一つ・うしとら)、亥(北西の方位の一つ・いのしし)が三吉にあたります。「六秀」とはこれまた6つの吉方位のことです。艮(北東の方位の一つ・うしとら)、丙(南の方位の一つ・ひのえ・南)、巽(東南の方位の一つ・たつみ)、辛(西の方位の一つ・しん)、卯(東の方位の一つうさぎ)、丁(南の方位の一つ・ひのと)が六秀にあたります。
これらの一つ一つがすごい力を持っていて、これらの力を上手く活用するとお金もビジネスも思いのまま享受できる、と言われています。コツさえ分かって正しく行えば必ず上手くいく方法です。この鉄板ネタで風水を改善することは、誰がやっても同じ様にうまくいくのですから、その風水師さんの知識や経験は問われません。それはまるで、どんな髪型をしても、どんな役を演じてもコツさえ分かれば故三浦春馬さんのようにキラキラ輝けるのと同じことです。
◆死とか絶というチカラ◆
当コラムで度々ご紹介している「図解・雪心賦」は、古代の風水師・卜則巍の残した書物を元に、われら漢五派の劉啓聖師匠が精力を注いで作られた名著です。彼はこの本の中で、山や水などの自然にフォーカスしつつ、風や天体の動きにつながる真理を見事に表現しているのですが、その中には、彼ならではの鋭く厳しい言葉がいくつも書かれています。たとえば、グッと刺さったのが次の言葉です。
「三吉六秀。何用強求。正穴眞形。自然黙合。死絶處有生成気局。(「図解・雪心賦」第二部P17より引用)」
「死」とか「絶」とかは、十二運(長生、沐浴、冠帯、臨官、帝旺、衰、病、死、墓、絶、胎、養)の中の最も弱いエネルギーに属します。
「三吉六秀。自然のありのままにある素晴らしい形は活用すべきだが、この素晴らしい方位の力に風水師は依存してはいけない。龍脈の死とか絶とか息絶え絶えの弱い力の中に力を見出して活用せよ。」と言っているのです。「はあ?そんなの無理!」が第一印象でした。
このことは、新型コロナの影響があって来店者が減り売り上げが大幅にダウンしている中、その店舗の玄関を変えず、厨房やレジの位置も変えず、もちろん改装もせず経費をかけないで何とかしなければならない状況に通じるものがあります。「はあ? こんなのもっと無理」、これが正直な心の声です。
◆孟意堂風水的キラッキラではないエネルギーを生かす奥義◆
彼の前述の言葉は、見方を変えて言えば「これぐらい見抜きなさい。これができて初めて一人前の漢五派の風水師と呼べるんだぞ。」という大先輩の愛情だと思っています。もちろん見なかったことにしてスルーしても普段の風水生活を害することはありません。それどころか、誰でもできる方法を見出し、それを看板にしてお金儲けを営み、自分も豊かになっていく方が楽です。でも、孟意堂のように彼のこの言葉に何か無性に引っかかる方もいるはずです。
死や絶の中に力なんてあるはずがない、絶対無理、というのが風水世界の一般的なセオリーです。それを活用しようなんて思う風水師はほとんどいません。でも、死にも絶にも全く力がないわけではないし、見ている角度を変えてみればそうではないかもしれません。これまで「絶対無理」と思っていた分野に何かのヒントが隠されているのでしょう。
これは、新型コロナの影響があって、あたりまえだったことがあたりまえではなくなってきている今にも通じることです。これまで「絶対無理、ありえない。」と思い込んでいた分野に何らかのヒントが隠されていて、それを見出す知恵を発揮する時期が来ているんだよ、と大先輩に言われているような気がしています。ちょっと深読みしすぎでしょうか?
彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。
孟意堂
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