【これが私の香港生活】Vol.2 休日のプチ旅行
香港在住の2人がそれぞれの視点でローカルライフを語る連載コラム。今回のテーマは「休日のプチ旅行」!
ホームステイならではの地元目線な休日と、一人暮らしならではの気ままな散策。住み方で変わる2人の旅スタイルを深掘りします。(プロフィールは一番下までスクロール↓)
ホームステイ編|
じゃあいくか、大澳名物の沙翁(サーウォン)を食べに!
なんとなく居間でViuTVをみていたところ、美人のリポーターが熱々のシュークリームみたいなものを頬張っていた。なんだか大層なものに思えたので凝視していると、ホストファミリーの叔父と叔母が「今から一緒に大澳に行く?」と誘ってくれた。
私は間髪入れずイエスと答え、そのまま13時15分発のフェリーに乗ることになった。

香港の交通費は結構安い。電車やバスに限らずフェリーまで。屯門渡輪碼頭からランタオ島の大澳まで、往復2時間半ほどでたったのHKD70だ。
海無し県出身の私からするとフェリーは新鮮でワクワクしていた。大いなる期待とともに乗船し、程なくして海を眺めてみると、そこはオーシャン、、ブラウン?
正直あまり綺麗とは言えないが、これはコーヒーミルクなんだと思い込めばメルヘンな気持ちになれた。

メタル版高床式家屋(仮)
到着してみると、みるからに観光客が多く、ここはリゾートなんだなと感じた。竹下通りを2で割ったぐらいの人混みだ。
周りを見渡せば海上に木製の柱が乱立し、その上に銀色の家が建ち並んでいる(メタル版高床式家屋)。
お父さんとお母さんは揚げ物を食べないため、私一人で沙翁の有名店「大澳金門餅店(Tai O Bakery)」へ直行した。
5分程で着いたが、そこには大行列ができあがっていた。並ぶことが苦手な私は即リタイアし、他を探すことにした。しかし、名物という割にはなかなか沙翁のお店が見当たらない。
結局ホストファミリーと合流し、せっかくなので島を散策しようということになった。

大澳のメインストリートを歩く
大澳はざっくり、観光客で賑わう市場通り周辺と、そこから外れた閑静な住宅街や自然の2つに分けられる。
まずは多くの観光客が押し寄せるメインストリートを練り歩いた。その通りには沙翁以外にも、干し魚や塩漬けの魚介、干しイカ、蝦醤(エビペースト)など様々な大澳名物のお店が立ち並んでいた。海鮮を扱ったお店が多く、この町がいかに海とともに暮らしてきたのかを感じた。
ところどころ屋台があるが、どこも行列で、なんでこんなに屋台に人が並んでいるのだろうとふと疑問に思った。よくよく看板をみると「炭燒雞蛋仔」と書いてあった。炭火で焼く昔ながらの雞蛋仔(ガイダンジャイ)のようだ。
お父さん曰く、大澳には雞蛋仔に限らず、こうした炭火を使うノスタルジーなお店が今も残っているらしい。私は確かにどこか温かい、そして古き良き雰囲気を感じていた。
通り入り口からしばらく歩くと、「香港のヴェネチア」とも呼ばれる大澳らしい水上家屋を見渡せる「大涌橋(Tai Chung Bridge)」が現れる。
ここでみんな写真を撮るので必ず行こう。橋のそばからは観光用の小さい船も出ている。デート必勝だ。

漁村の記憶を残す「大澳漁家影像館」
私がメインストリートで一番印象に残ったのは漁家の展示「大澳漁家影像館 (Tai O Fishermen Image Gallery)」だ。お母さん曰く、ここはボランティアで運営しているらしい。
入口が独創的で、館内に入ると無料でガイドさんが説明してくれた。英語非対応だが、両親が翻訳してくれたので室内に展示された建物の模型がなぜその様な形をしているのかを理解できた。
もしガイドがなくてもミニシアターがあり、大澳の歴史や水上生活者の暮らし、伝統的なお祭りを映像にて伝えてくれるので楽しめる。
ありのままの漁村の記憶が丁寧に編集されており、大澳文化に興味がある人はぜひ訪れて欲しい場所だ。

メインストリートをしばらく楽しんだ後入り組んだ住宅街へ。そこはとても静かで本当に人が住んでいるのかと思うほど人通りも少ない。
ところどころ花を壁に植えている家があり日本ではあまり見ない様な花が散見できた。無機質な素材だけど温かみがある様な建物が多く、歩いているだけでも楽しめる。
時々シーサーみたいないかつい大型犬(おそらく飼い犬)が放浪しているので気をつけたい。

大澳の守護神を祀る「楊侯古廟」
しばらく住宅街を歩いていると開けたところに、廟らしき荘厳な建物が現れた。楊侯古廟というらしい。
ググったところ、清代の1699年、またはそれ以前に建てられた建物で、ここで主に祀られているのは、南宋末期の人物・楊亮節とのこと。蒙古(モンゴル帝国)軍の侵攻から皇帝らを守って南へ逃れた忠臣と伝えられ、その忠義をたたえて「侯王」として祀られるようになったようだ。
現在も大澳では特に重要な守護神として信仰されているらしい。
廟内では、線香を手に祈りを捧げる人々の姿が見られ、境内には紙銭などを燃やす「聚寶爐」もある。内装も含め、いかにも長い歴史を感じさせる場所だった。
大澳を訪れた際は、歴史ある建築を見るだけでなく、地元の人々にならって静かに参拝してみてはどうだろうか。

参拝する人々
満足してもう帰ろうかと思った矢先、パチパチと小気味良い音に甘く香ばしい香りがした。沙翁だ!
路地裏でレストランの厨房が剥き出しになった様なところでおばあさんが1人で黙々と沙翁を揚げていた。フェリー出航までの時間がなかったため急いで購入。
危険とわかりつつ揚げたてを一気にかぶりつく。サクッと鳴り、中は少しカスタードみたいなトロットした部分があった。
噛むほど混ざり合い、確実に火傷した熱さと絶妙な甘さに昇天してしまった。


大澳名物の沙翁(サーウォン)
あとで調べたらこのお店の名前は「冰冰(Bing Bing)」。ひんやりとして冷たいとのことだがどこがやねん!
おすすめです。(文:秋山)
一人暮らし編|
文化とネコに触れる旅。
南国の陶都、仏山(フォーシャン)へ!
金曜の午後、深圳出張。週末は香港に戻らず、そのままどこかへ行こうかな。当日の列車チケットに余裕があることを確認し、深圳駅から仏山西駅へ。
約2時間ではじまる、週末プチ旅行だ。
実は少し前から気になっていたのだ。仏山の石湾は「南国の陶都」といわれ、その歴史は5000年にも及ぶとか。
飾り気のない我が家に、陶器のお花を添えたい。期待に胸を膨らませて次の日を待った。
翌朝。まずは腹ごしらえから。石湾地区の入口に石湾大飯店(Shiwan Dafantang)という広東料理の食堂があり、そこをめがけていくことに。
大繁盛の中整理券をもらい、20分ほどで着席。隣席で光り輝くカタマリに目が奪われ、怀旧咕噜肉(なつかしの酢豚)を注文。
ご飯は自分で好きなだけ盛るスタイルで、漫画盛りを楽しむ人もちらほら。酢豚も広東料理だということをこの時に知った。

カリカリへのこだわりが一線を画す「怀旧咕噜肉(33元)」
陶器を求めて石湾の街へ
食事を終え次に目指すのは陶器のお花。思えばこの辺りが1番価格が控えめ。
AMAPなどに掲載のないお店が多いが、歩いていればいやでも目につくので安心。

「雅承」というお店
お花6本で10元、小さな花瓶2つで10元と破格。
商店街のようなところに陶器店が並ぶ


「肉形石」とみまごう石たち
ここがオモシロ・カナシイポイントなのだが、実際手に取ると不思議と惹かれないのだ!というのも、組み合わせを自由に選ぶものだから、自分のセンスが試される。
自分で選んだものがなんだか残念に見える。
結局、「雅承」には2日連続で行くことになり、花12本、花瓶6つを買うこと(いいと思ったら全部買う方針)で落ち着かせた。これだけあれば、家に帰ってコレと合うものがない…なんてことにはならないだろう。
しっかり梱包してくれるので割れることもなさそうだ。
最初はディティールの細かい手の込んだもの(ちょっと高い)を見ていたが、シンプルなものを数本まとめる方が初心者には向いていると気づいた。ただ、やっぱり手の込んだ一つを一輪挿しで飾るのも捨てがたい…。
500年以上火が続く「南風古灶」
さらにすすんだ場所には「南風古灶(なんふうこそう)」という500年以上も火が途絶えることなく焼き物を作り続けている世界最古級の現役龍釜があり、その奥には迷路のような観光区の古街が広がっている。
入場料に25元かかるが、陶器の絵付けを見学できたり、そこでしか買えないお土産物、実際の工房で陶器作りができるなど、楽しみ方は様々。
ぜひ訪れてほしい場所だ。


陶器や土産物が所狭しと並ぶ小路
仏山で見つけた素敵なカフェ2選
最後に、カフェ激戦区の仏山で特に素敵だったカフェを2つ紹介したい。
① 先行図書垂虹小区店
(Xianhang Books, Chuihong Unit Shop)
なんといっても猫がいる!書店であるここは、ショップやカフェが併設されている。
買った本を読むもよし、持ってきた本を読むもよし、ねこちゃんとまったりするもよし。
優雅に店内の椅子で爪を研ぐ元気なねこちゃんもおり、あたりは静かな微笑みで溢れていた。

外観が目を惹く。本以外も、グッズやアパレル販売などがある。

おとなしい猫さん

店内を自由に散歩する猫さん
② 啡小筑珈琲
(ZHU COFFEEまたはFeixiaozhu Coffee, 同濟路)
陶器の都である仏山らしく、食器がこれでもか!と並ぶカフェ&ショップ。店内のカフェではコーヒーや自慢のスイーツも楽しめる。
食器も飲み物も手頃な価格のものが多く、飲み物は20〜30元程度と、カフェ巡りにもありがたい。
緑豊かな店内でどの席もゆったりとしているため、静かに会話を楽しむ人が多い印象。

これだけあればお気に入りがきっと見つかる

なんともいえない表情が良い
上記2店舗がある垂虹小区周辺は、古い住宅街をリノベーションしたおしゃれなカフェや書店、雑貨店などが集まる、仏山でも人気の隠れ家的なエリアとして知られており、街歩きも楽しい。
地下鉄も発達しておりタクシーもすぐ捕まる仏山は、中国旅行初心者にもかなり優しくすごしやすい。
まだ帰りたくない気持ちを胸に、帰路に着く。あ〜楽しかった!(文:垂石)

華やかになった我が家(ネコのポストカードも仏山で購入したもの)
両者まとめ対談
垂石:トロッとした食感を詳しく教えてください!
秋山:トロッというか、ヒョコッと出てくるぐらい慎ましやかなカスタードでしたが、卵の風味が強くてインパクトがありました。
垂石:ヒョコッと(笑)海の町で暮らす人たちの懐かしの味なんですかね。
秋山:かもですね!もしここが私の地元だったら、食べに帰りたくなるような味ですね。仏山って知らなかったのですが、どこでみつけたんですか?
垂石:小紅書(RED)で陶器のお花を発見したのがはじまりです!かわいいなー、行きたいなー、お、近い。という感じで。
秋山:行動力!陶器に限らず、他にもいろんな魅力的な場所がありそうですね。
垂石:そうなんです!伝統的な街並みからおしゃれエリア、大型ショッピングモールまで様々で、何回行っても楽しいと思います。
秋山:まさに、香港からの小旅行に最適ですね!交通網がしっかりしてるのは助かる。
垂石:国内外問わず、香港は色々とアクセスが良くて嬉しいです。
秋山:香港は私の庭だ!
垂石:きて1年くらいじゃ香港は語れませんよ!
秋山:(涙)
PROFILE
秋山 優也|ホームステイ編

1996年生まれ。香港家族にホームステイ中。趣味はサッカーと音楽、特に最近はJazzピアノを練習中。
垂石 花|一人暮らし編

2000年生まれ。香港で一人暮らし5ヶ月目。趣味は旅行と読書。いつもパクチーが嫌い。



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