NX香港に聞く【スムーズな引越しの流れ】
辞令が出たら考えるべき事柄のひとつが「引越」。備え付け家具が一般的な香港の住宅事情によって家財道具こそ少ないかもしれないが、日常生活で買い込んだいろいろな物や食料の山……。意外にも日本に発送できないものや課税対象となるものなど、プロに聞かないとわからない専門事項と、円滑な引越しの流れを土屋氏に伺った。

GM 土屋 慶祐氏
2017年に着任後、日本人を含めた総勢20名のチームを率い、在港邦人の帰国やスライドの引越サービスに従事。見積もりから集荷にいたるまで日本人スタッフが同行し、日本と変わらない安心できる対応が自慢だ。
バタバタしないために前もってどのくらい前から準備すべき?
最短でもご帰国日の1カ月前から準備することをおすすめします。特に3月は帰国されるお客様が多く混み合うため、早めのご準備が鍵となります。下記は主な引越しサービスの流れです。
引越しの流れ
①下見・お打ち合わせ
②梱包資材配達
③梱包・お引き取り
④梱包明細書の作成
⑤航空便・船便での輸送
⑥機内での別送品申告書作成
⑦手荷物検査時の別送品申告書の提出
⑧検印後の別送品申告書のお預け
⑨輸入通関・配達の打合せ
⑩お荷物の配達
日本への輸入禁止品について教えてください。
日本と海外では文化や法律が異なり、持ち込み禁止品に該当するものがあります。意外にもうっかり荷物の中に入れてしまう方も多く、注意が必要です。
日本への輸入禁止品
●麻薬類・違法ドラッグCBD製品
●爆発物・発火性のあるもの
●海賊版ビデオ・DVD
●ブランドコピー商品 など
梱包前に注意すべき物品とは?
食料品
近年、植物検疫不合格となる輸入食品の増加に伴い、引越貨物における食料品全般に対する規制が強化されました。一般のご家庭にある身近な食品も検疫対象となるケースもございますので注意が必要となります。
最近の事例では、未開封の小麦粉が廃棄処分となったケースもありました。該当品が混入した場合、輸入許可まで日数を要する他、検査費用や廃棄に伴う費用などが発生する場合があり注意が必要です。
医薬品
日本の薬事法に基づいた細かい規制があります。別送品として受託不可なものが、処方箋薬や外国製の飲み薬・目薬・塗り薬など。日本製のものでも数量に制限があります。また、使い捨てコンタクトレンズも2カ月(60日)分以内となっています。
化粧品
薬事法および転売対策として数量が規制されています。また香水にも種類があり、「パルファムParfum」と記載があるものは課税対象となります。
課税対象 パルファムParfum
課税対象外 オードパルファムEau de parfum
オードトワレ Eau de toilette
オーデコロン Eau de cologne
新品
未開封の土産品やブランドグッズは課税対象となる場合もあります。該当商品のレシートは必ず保管しておいてください。
よくある梱包失敗例は?
大家さんに返却しなければいけない鍵や部屋の備品(ルーターやリモコン)も梱包荷物に混ぜてしまうお客様も。仕分け時にしっかりと分け、確認することが大事ですね。
航空便で発送不可な物品は?
●液体物
●電池
●可燃性のスプレー
●その他法律で禁止されている物
特に液体物は、少量でも(インスタント麺の付属調味料油など)事前のX線検査で確認され、抜き出しとなります。発送の遅延にもつながるため、航空便に入れない方が無難でしょう。レトルトカレーやマヨネーズなども船便でのご利用をおすすめしています。
最後に、お荷物には万が一に備え、保険をしっかりとかけることが重要です。
弊社では日本人スタッフはもちろんのこと、現地スタッフ含めトレーニングを受けた専任スタッフが丁寧に梱包の上、安全に荷物をお運びします。また、海上コンテナはバラ積みせず「外装梱包」をし、清潔に輸送しています。日本各地に支店がございますので、引き取りから輸入通関・配達まで一貫したサービスが可能です。
NX香港(香港日本通運)
NIPPON EXPRESS (H.K.) Co., Ltd.
3/F., Administration Bldg., China Resources Intl. Logistics Centre, 2 Tat Mei Rd., Kwai Chung, New Territories
(852)2408-1111(日本語専用ダイヤル)
www.nipponexpress.com/moving/hk/ja