香港で探そう、今年の十二支「巳(蛇)」
新年明けましておめでとうございます。昨年は広告主様はじめ読者の皆様からのご支援もあり、PPWの姉妹誌となる『香港 駐在・進出・撤退 完全マニュアル』や『香港 グルメ&ショップ100選』といった新媒体を積極的に発行することができました。
本年も地域密着型のフリーペーパーとして、在留邦人にとって有益な情報を配信してまいります。引き続き、ご愛読いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
スタッフ一同
今年の十二支「巳(蛇)」は「再生と変化」を意味するのをご存知だろうか? 脱皮し強く成長する蛇は、その生命力から「不老長寿」を象徴する動物、または神の使いとして信仰されてきた。
風水の思想を生活に深く取り入れている香港では、「蛇陣」という言葉がある。あくまでも都市伝説のようなもので、その真偽は科学的に証明されていない。しかし、蛇の形が風水上よくないものとする見方もあり、またこのような考えをもとに対象物の気の流れに影響をあたえることを目的に建築されたと噂される建造物が香港にはいくつかある。真偽はともあれ、言われてみれば蛇のようにも見える、それらの建造物をご紹介しよう。
威嚇するコブラ?
尖沙咀星光大道
香港随一の観光名所、尖沙咀のアベニューオブスターズにある、ベンチと一体化した遮光壁。都会的で洗練されたデザインが香港のスカイラインとビクトリアハーバーの美しさにマッチしている。ネットではこれが威嚇姿勢をとっているコブラの頭のように見えると話題。編集部はよくここをランニングするが、言われてはじめて「ふーん、見えなくもない」という印象。ここ尖沙咀は香港の風水上、九龍半島からの龍の通り道とも言われ、重要な場所である。ここに威嚇姿勢を取ったコブラを置くのはどんな意味があるのか。
蛇と目が合うスポット
中環灣仔繞道出口
ifcからフェリー乗り場に続く歩道橋を歩いていくと、左手にただならぬ視線を感じるスポットがある。蛇がこちらをじっと睨んでいるようにも見えるトンネル出口の部分。この道は中環灣仔バイパスといって、約4.5kmに及び中環から北角までをつなぐ、香港の主要幹線道路のひとつだ。2019~20年の開通以後、上環から北角を5~10分で移動可能にした大きな役割を担っている。ネットではトンネルの出口から車の排気ガスや土埃が舞う様子を、蛇が毒を吐いているように見えるという声も聞かれる。家族や友人のアテンドに、こんな小話をしてみるのもいいかもしれない。
大海を優雅に進む姿
港珠澳大橋的隧道口
香港とマカオ、珠海をつなぐ港珠澳大橋は2018年に竣工。世界で最も長い海上ブリッジ(一部海底含む)とされ、その全長は55kmに及ぶ。今回ピックアップされたのは、ランタオ島から伸びたブリッジのトンネル部にある人口島が蛇の頭、そして優雅な弧を描くのが胴体だという見方だ。写真のような夕暮れ時はひときわ美しく、大海原へ外遊を楽しむ勇ましい蛇の姿のように見える。
九龍を代表するスポットが蛇の頭?
西九文化區
埋立地として発展した、今や九龍の一大スポット「西九文化區」。香港と深圳や広州を結ぶ「陸の玄関」としてますます需要が増える「西九龍高鐵站」も含め、香港の主要エリアといえる。当然何らかの風水的思想から設計されたのではないかと噂されるのが、空中から俯瞰すると同エリア一帯が蛇の頭のように見えるという一説だ。さらにその蛇が睨みををきかせているように見えるのが対岸にある中山記念公園。信じるか信じないかはあなた次第!
まるでニシキヘビ?
啟德體育園
旧カイタック空港跡地に建設された大型スポーツ施設「啓徳体育園(カイタック・スポーツパーク)」。開閉屋根を備えた全天候型のメインスタジアムは最大5万人が収容可能で、天然芝のピッチを備える。今年からは香港スタジアムに代わりここが香港セブンズの会場となるほか、4年に1度の国体「中国全国運動会」のメイン会場に利用されることも決まっている。太陽に反射し美しく輝く紫色の外壁がとぐろをまくニシキヘビのように見えるという声も。
大きな口を開けている?
啟德郵輪碼頭
2013年に竣工した同ターミナルはコロナ禍を経て2023年に運航再開を果たした。最大で2隻の大型遊覧船が停泊でき、多くの海外旅客を誘致できる香港最大の「海の玄関」としての役割が期待されている。政府のこれからの課題は、同ターミナルから香港市街地への交通網のさらなる充実化だ。さて、同建築が口を開けまさに何かを飲み込もうとしている蛇のように見えるというネットユーザーもいるようだ。さらに波打つ曲線が躍動感ある蛇の動きにも見えてくるらしいが。
今回、香港の街を今年の十二支「巳(蛇)」を探して歩いた編集部。こうなってくると身の回りのものが所々、蛇に見えてくるから不思議(笑)だった。今年もいい一年になりますように!