香港フィル2024/25〜日本人ピアニスト初公演!アグネス・チャン出演も!
香港フィルハーモニー管弦楽団(香港フィル)は創立51シーズン(年)となる2024/25シーズンがスタートした。国際的に活躍する指揮者やソリストによるプログラムの中からハイライトを紹介したい。
2024年はアントン・ブルックナー生誕200周年。この記念すべき年を祝い、タルモ・ペルトコスキとヴァシリー・ペトレンコがブルックナーの作品を取り上げる。フィンランドの指揮者ペルトコスキは若干24歳でありながら、すでに欧米各地のオーケストラを指揮。「世紀の才能」(独Tagesspiegel)、「お気をつけて。天才がやって来た!」( 仏Diapason Magazine)などと評され、世界中で最大級の評価を受けている現在最も注目すべき若手指揮者。その彼が2026/27シーズンから香港フィルの第9代音楽監督に就任することが今年7月に発表された時は世界中の楽壇界に衝撃が走った。ペルトコスキがブルックナー第9交響曲を指揮した演奏会はすでに今月初めに行われたが、香港フィルとの今後の成功と飛躍が期待できるものであった。
近年香港フィルとの名演奏を繰り広げているワシリー・ペトレンコはブルックナーの第7交響曲を指揮。併せて演奏されるウクライナのピアニスト、アンナ・フェドロワによるグリーグのピアノ協奏曲も楽しみだ。(2024年9月27日と28日)。
ペルトコスキの香港フィル音楽監督就任発表に先立ち、イタリアの大指揮者ダニエレ・ガッティが香港フィルの芸術パートナーに任命されたことが6月に発表されたが、これも世界中で大きな驚きをもって迎え入れられた。彼と共演するのは、日本が生んだ卓越したピアニスト藤田真央。藤田はモーツァルトの協奏曲を演奏して香港フィルと初共演。(2024年12月6日と7日)。
ガッティはマーラーの記念碑的な第3交響曲(2025年3月13日)、ワーグナーのオペラ「神々の黄昏」の組曲版(歌手無し)とリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」といういずれも壮大な大曲を演奏する(2025年5月2日と3日)。
客演指揮者については、フィンランドの指揮者ピエタリ・インキネンが久しぶりに香港フィルを指揮する。「バイロイトでリングを演奏した指揮者の中で最もインスピレーションに富んだ指揮者の一人」と称賛されたインキネンが取り上げるのはワーグナーの「ジークフリート」と「神々の黄昏」。ガッティとは異なり、こちらはソプラノとテノールの歌手も参加する(2025年1月17日と18日)。
オーストリアの指揮者マンフレート・ホーネックも香港フィルと久々の共演で、ドヴォルザークの交響曲第8番を取り上げる(2024年11月1日と2日)。
「若手指揮者でありながら、決して目立ちたがらない稀有な例」(英サンデー・タイムズ)と称賛されたデンマークのアントワープ交響楽団の首席指揮者エリム・チャンは自身の故郷・香港でプロコフィエフの交響曲第5番を演奏。カナダのスーパースターヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネスがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で、彼女の凱旋公演に花を添える(2024年11月22日と23日)。
スペインの指揮者で、バルセロナのリセウ歌劇場音楽監督を務めるジョセプ・ポンスは、スペインの作曲家ファリャとラヴェル(彼はバスクの血統)がスペインを題材とした作品をカリスマ的なフラメンコ歌手マリア・トレドと共演。まさしくスパニッシュな夜を堪能できるだろう(2025年1月24日と25日)。
香港フィルの前音楽監督ヤープ・ファン・ズヴェーデンは2024/25シーズンに4つのプログラムを指揮するが、その中でもピアニストの牛牛とのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番と交響曲第5番(2025年2月7日と8日)は注目。
ハイライトでは取り上げられなかった演奏会も目白押し(香港フィル&アグネス・チャンのコンサートとか!)。詳しくは香港フィルの公式サイトまで。
取材協力:香港フィルハーモニー管弦楽団
香港フィル公式サイト:www.hkphil.org