風水の奥義を行く!第121回 自分のまちを自分で決める、の巻
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。
◆住むまちを選ぶ◆
昨年末に上映されるやいなやたちまち大ヒットした映画「梅艶芳(Anita)」では、歌が次々とヒットし、映画やステージで活躍し、2003年にガンで他界した梅艶芳(アニタ・ムイ)が、白いウエデイングドレス姿で「バイバイ!」と明るく手を振り、ステージを去ったシーンが印象的でした。彼女は明らかに香港を拠点としたことで活躍し、輝いたスターでした。最後のステージで彼女が力を振り絞って歌ったのが「夕陽之歌」で、元歌は近藤真彦さんが歌って大ヒットした「夕焼けの歌」です。叙情あふれる大津あきらさんの歌詞はある都会を飛び出した男性の心のひだを歌っていますが、2番の歌詞はこんなフレーズで始まっています。
♪この都会(まち)誰を迎い入れ / また誰を追い出すのだろう
この香港という都会も外からの人を受け入れ、また人が去っていくまちでもあります。私たちがどこを自分の城にするのかを選択するのは実はとても大事なことです。様々な選択肢がある中で、どこに自分の拠点を設けるかは、そこから先豊かになれるか否かの人生を大きく左右することでもあるからです。
◆元朗(ゆんろん)というまち◆
外からの人が香港に移り住むのは、実はずいぶん昔から起きていたことのようです。
今から千年以上も前の973年。江西省の吉安府吉水県白沙村に住んでいた鄧ファミリーの家長はそこで豊かな暮らしをしていましたが一大決心をします。一旦広東省に移り、そして、縁もゆかりもない香港の地に移り住んで来たのです。彼らが選んだホームグランドはセントラルでもチムサーチョイでもなく、元朗でした。農耕に適した潤いのある土地は、生き生きとしたエネルギッシュな素晴らしい山に囲まれ、雪などの寒冷のリスクのない場所でした。彼らはお墓も素晴らしいエネルギースポットを次々と見出しています。初代は元朗の「玉女拝堂(よっくのいばいとん)」、二代目も同じく元朗の「金鐘覆火(かむちょんふっふぉー)」、三代目は荃湾(ちゅんわん)の「半月照潭(ぷんゆっちゅうたむ)」といった素敵な名前のついたエネルギースポットに眠っています。いずれも後世に残る名エネルギースポットで「玉女拝堂」は地位を、「金鐘覆火」や「半月照潭」は富と子宝に恵まれることを後世の子孫達にもたらすエネルギースポットです。果たして彼らの子孫たちは元朗の名士となり、次々と子孫は増え、いずれも土地や豊かな暮らしに恵まれていきました。
◆孟意堂風水的自分の拠点を選択する奥義◆
元朗というまちは古い街並みと鄧氏の伝統を残しつつ、現在ではYOHO Townという便利なショッピングモールができ、新しいマンションが建設され、より多くの人たちが住むようになりました。しかし、農耕に適した潤いのある土地や素晴らしい山々は変わらずこの土地に存在しています。この地に足のついた落ち着きのある土地に自分の拠点を設けるのか、それとも変化に富んだ景色の地に自分の拠点を設けるのか、私たちにはその選択肢があります。元朗のまちのように真北に水田や海が見える方が良いのか、それが西が良いのか東が良いのか、はたまた海の景色は見えない方が良いのか、ビルに囲まれた場所が良いのか、緑の多いところが良いのか、自分の住まいをどの立地にするかを選択することができます。事情があって引越し等ができない場合は、そのお住まいの中の東西南北のどこに寝室を設けるのか、ホームオフィスの場合は自分の働く場所をお住まいのどこに定めるのか等の選択肢があるはずです。その一つ一つの選択がストライクゾーンに入っていれば、後天的に私たちは良い運気に恵まれていきます。環境によって徐々に私たちも変化していきます。そして、その物差しになるのが風水の知恵なのです。
彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。
孟意堂
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