深夜営業ラーメン店の先駆者【一蘭】
味集中カウンターでお馴染みの日本を代表するとんこつラーメン店「一蘭」。ここ香港では2024年現在、銅鑼湾、尖沙咀、旺角に店舗を構えている。日本全国約80店舗、海外では8店舗を展開するビッグブランドでありながら、直営店経営にこだわる同社の内側を覗いてみよう。入社歴18年のディレクター・佐田 篤氏にお話を伺った。
最高の味を守り続ける
ご経歴を教えてください。
大のラーメン好きが高じ1998年にアルバイトとして、06年に正社員として入社。当時は一日3食一蘭でも飽きませんでしたね。工場でのスープ製造担当や店舗管轄などを経て、海外初出店となる銅鑼湾店のオープニングのため来港したのは2013年です。その後USA店立ち上げなどにも携わり、22年に再度香港へ戻ってきました。とんこつラーメンをとことん研究し続ける会社として、スープにこだわり工場の品質管理を徹底しています。今では製造工程を数値化して教育していますが、やはり何度もスタッフには試食して舌で覚える味覚訓練にも力を入れていますよ。
以前からフランチャイズなどのオファーが多かったそうですね。
はい、ありがたいお話ではありますが、「味を守り続ける」ことが弊社の方針です。お客様にご提供する最後の瞬間まで細かい温度管理や盛り付けの美しさへのこだわりがたくさんあります。
働いているスタッフが生き生きとしていますよね、どのような人材教育を?
仕事の良し悪しではなくスタッフの人間性を重視する社風です。従業員とその家族を第一に考え、入社したらすべてのことに従事できます。ライセンス制度で昇給も頻繁にあるので、スタッフは自らの成長を手に取るようにわかると思います。現にアルバイトとして入社した私が、海外ディレクターになりましたから、チャンスが多く用意されている会社ですね。
食べたい時に一蘭がある
香港ではまだまだ少ない「深夜営業」を続ける理由は?
やはりニーズがあるからに尽きます。お客様から多くいただくのは「食べたい時にいつでも来れる」という声です。日本では一部24時間営業ですが、香港では銅鑼湾店(朝5時)、旺角店(朝4時)、尖沙咀店(朝3時)まで営業しています。飲んだ後にくる方もいれば、小腹がすいたといらっしゃる観光客の方も多い。夜の10時前後に厨房が閉まる飲食店が多い中、弊社ではお客様へ常にあたたかいラーメンをご提供できるようオペレーション体制を整えています。意外かもしれませんが深夜1~2時に満席ピークを迎えることも多々あるんですよ。
今後の課題や展望は?
今夏に全店モバイルオーダー設備を整えました。従来のように注文票に麺の硬さやトッピングの有無などを記入する方法も昔ながらでよかったのですが、お客様の食事環境への配慮、オペレーションの簡素化につながりました。今後も味を守りながら、一人でも多くのお客様においしいと思っていただけるラーメンと店舗づくりを続けてまいります。
銅鑼湾店
Shop F-G, G/F., Lockhart House Block A, 440 Jaffe Rd., CWB
尖沙咀店
Shop B, G/F., The Pinnacle, Minden Ave., TST
旺角店
Shop B, G/F, The Beacon, 88 Sai Yee St., Mong Kok
https://zh-cht.ichiran.com