香港政府2026/27予算案発表 経営者と生活者でポイントを解説

2026/03/02
政府財政予算案2026-27

香港政府ウェブサイト

香港政府が2026/27年度の財政予算案を発表。2026/27年度は221億HKDの黒字見込みという前提で、企業支援と生活者支援を並行させる設計になっている。
この記事では、前半は日本人経営者・事業責任者に関係が深い項目、後半は香港で暮らす日本人の生活に直結する項目に分けて重要なポイントを解説する。

 

経営者として重要なポイント

経営者

1) 中小企業支援:BUD Fundが増額、簡易申請の上限もアップ

中小企業向けのBUD Fundに2億HKDを追加投入。簡易申請(申請易)の補助上限は1件15万HKDに引き上げ。
広告主になりやすい業種(飲食、サロン、教育、保険、制作・広告、越境ECなど)は、販促やデジタル整備(DX)と相性がいい。

例 何に使えるか(イメージ)
飲食: メニュー写真更新+Google Map整備+予約導線
美容サロン: 予約システム+顧客管理(CRM)+再来店導線(LINE)

補助金は、年度の投資計画に入れて初めて意味が出る。対象経費と申請条件を確認し、今年やる投資の中から「補助対象になり得る部分」を切り出す動きが現実的となる。

2) 店舗・オフィスのコスト:レイツ(Rates)減免は契約確認が先

2026/27年度の最初の2四半期は、非住宅のRatesを減免(四半期あたり上限500HKD)。
テナントが直接払っていないケースもあるので、まず賃貸契約でRatesの負担がどちら側かを確認しておくと読み違いが減る。

3) 富裕層マーケット:ハイエンド住宅の印紙税引き上げ

1億HKD超の住宅取引は印紙税(Stamp Duty)を4.25%→6.5%へ引き上げ。2026年2月26日にさかのぼって適用。
高額帯に関係する業種(資産関連、保険、ラグジュアリー、不動産周辺サービスなど)は、問い合わせや購買のタイミングが変わる可能性がある。販促計画やキャンペーン時期の前提を更新しておきたい。

4) 国際取引:BEPS 2.0は「取引実務」に波及することがある

OECDのBEPS 2.0に合わせ、大型多国籍企業グループ向けにグローバル最低税+香港の補足税(Hong Kong Top-up Tax)を導入。政府は2027/28年度から毎年約150億HKDの税収を見込む。
自社が対象外でも、取引先が多国籍グループの場合、請求書の要件や契約条項、提出書類の要求が増える形で現場に降りてくるケースがある。B2Bは主要取引先の属性チェックを早めに入れておくとリスクが減る。

 

香港で生活するうえで重要なポイント

主婦と娘

1) 所得税:給与税 / 個人課税の減免

2025/26課税年度は、給与税(Salary Tax)と個人課税(Personal Assessment)が100%減免、上限3,000HKD。

今年の納税見込みが2,500HKDなら、上限内なので0HKDになる可能性

今年の納税見込みが8,000HKDなら、最大3,000HKD分が軽くなる可能性(上限あり)

家計では「年間の納税見込み」が変わるので、学費、引っ越し、帰省、習い事などの年次計画の前提として押さえておきたい。

2) 住居:住宅Rates(レイツ)の減免は、賃貸でも無関係ではない

2026/27年度の最初の2四半期は、住宅のRates減免(四半期あたり上限500HKD)。
Ratesを誰が負担しているかは契約で異なる。家賃に込みのことも多いが、更新時の説明材料になったり、コスト構造の把握に役立つ。家賃だけ見ず、契約書でRatesの扱いを確認しておくと判断が安定する。

3) クルマ:EV優遇は私家用と商用で違う(期限が重要)

商用EV・電動バイク・電動三輪は初回登録税が2028年3月末まで全額免除。一方、EV私家車は初回登録税の優遇が今年3月末で終了し継続しない。
家族で車の買い替えを検討している場合、期限が判断材料になる。事業用途で車両を使う場合は対象範囲が広い。

 

要点早見(HKD)

  • 財政見通し: 2026/27年度 黒字見込み 221億HKD
  • 企業: BUD Fund 2億HKD追加 / 簡易申請 上限15万HKD
  • 企業: 非住宅Rates 2026/27年度 前半2四半期 上限500HKD/四半期
  • 生活: 所得税 2025/26課税年度 100%減免 上限3,000HKD
  • 生活: 住宅Rates 2026/27年度 前半2四半期 上限500HKD/四半期
  • 生活/事業: EV 商用は2028年3月末まで免除 / 私家EVは今年3月末で優遇終了
  • 市場: 1億HKD超住宅印紙税 6.5%(2026/2/26遡及)
  • 国際取引: BEPS 2.0関連 2027/28年度から毎年約150億HKD税収見込み

 

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