三菱電機(香港)社会インフラ事業部、インターン生受入れ開始!
三菱電機(香港)社会インフラ事業部(以下、同社事業部)は、今年8月28日~30日の3日間、近畿大学経営学部キャリア・マネジメント学科(以下、近畿大学)より2名のインターン生を受け入れた。近畿大学担当教授が選抜したインターン生を香港のPasona Education Co.Ltd(以下、パソナエデュケーション)へ派遣、同社事業部は香港でグローバルインターンシップを受け入れる日本企業の1社として、パソナエデュケーションより受入れ要請があったため、「国際人を育てる」という観点から快諾したという。また今年6月~8月の2、3か月間、香港の大学と専門学校から4名のインターン生を受入れた。
三菱電機(香港)社会インフラ事業部のショールームにて
今回は2014年5月に来港して以来、同社事業部が行っているB to B事業の「見える化」を具現化するために新たな取り組みに挑戦をしている同社事業部の鳥海寿郎(とりうみとしお)総経理(以下、鳥海氏)に話をお伺いした。
三菱電機(香港)社会インフラ事業部
総経理 鳥海 寿郎
兵庫県神戸出身。趣味はハイキング、カラオケ、旅行。入社以来、電力インフラ事業を担当。中国(西安)合弁会社にて4年勤務、シリア、イラクではアフターサービス提案。香港赴任後、4年目。ニックネームはMr. W. P. Teddy。
近畿大学よりインターン研修に来た学生2名(手前正面)
「冒頭でも申し上げたようにパソナエデュケーションを窓口として近畿大学よりインターン生2名が3日間の研修を受けられるよう、当社事業部が研修場所や環境を提供しました」と述べる鳥海氏は、3日間の中で実際に行ったインターンシップスケジュールについて教えてくれた。「1日目は同社営業部長、技術部長及び建設部長が各部の活動内容の紹介、ショールームでは電気の仕組みや流れについて日本人OJT研修生が説明しました。2日目は香港地下鉄(以下、MTR)職員しか立ち入ることのできない現場へ足を運んで、車両下部に取り付けられたMotorを間近で見てもらいました。インターン生は初めて見るMotorの仕組みにとても感銘を受けてくれたようです。また香港SOGOダイヤモンドビジョンのサイト訪問も行いました。インターンシップ終了後は各自、B to B事業内容を纏め、英語で研修成果を発表しました。ご存じでない方も多いと思いますが、香港で運行されているMTR約1,000車両の内、約80%は三菱電機の製品が使用されています。我々の製品を通じて常に3分間隔で安全運行できるという点において、MTRより高い評価をもらっていますが、同社事業部が行っているB to B事業をもっと『見える化』していければと考えています」と述べた鳥海氏。同社の事業内容は半導体から発電機など、小さなモノから大きなモノまで取り扱っていますが、日本から来るインターン生には一般の消費財ではなく目に見えない「社会インフラ事業」についてより深く理解してもらい、色々なことを体験して吸収して欲しいという。
また、関西学院大学や兵庫県立大学から社会インフラに関心のあるゼミ学生を各大学の教授、香港経済交流事務所を通じて紹介してもらい、実際に同社のショールームを見に来てもらうこともあるという。同社事業部の仕組みを理解してもらい、ゼミ生の中には三菱電機に内定をもらった学生もいるという。「インターンシップ制度を利用して来る大学生や日本の大学からも香港に来ていただく機会があって、同社事業部の事業&製品紹介をしました。私が香港に着任するまでは、「見える化」を積極的に推進する活動はなかったようですが、香港に来て自ら構築した日本人ネットワーク、香港の大学や専門学校とのチャネルを構築する機会をつくりました。特に、香港の大学教授との接点は技術部が有しており、インターン生の受入れを実現できました。これらの様々なことが重なって、今回、香港、日本各大学からインターン生の受入れに繋がったのではないかと考えています。日本にいるとなかなか見る機会はないと思いますが、インターンシップ制度で香港に来てもらうことで『見える化』を具現化できたと感じている。」と鳥近畿大学よりインターン研修に来た学生2名(手前正面)海氏はホワイトボードに書きながら丁寧に説明してくれた。
また今年は香港の大学と専門学校からも有給インターン生を受け入れる取り組みも行ったという。「今回、弊社はCity University of Hong KongとInstitute of Vocational Educationより直接、インターン生の要請をいただいて、香港人のインターン生を各大学・専門学校より2名、2~3か月の期間で受け入れました。この背景として、以前までは香港の大学・専門学校からインターン生の要請依頼をもらうことはありませんでしたが、香港で弊社の知名度が上がってきたことで、大学・専門学校側も地元の企業だけでなく日本企業へも関心が向けられたのではないかと思っている。」と鳥海氏は述べた。今回のインターンシップ制度を利用して、1名は同社事業部への就職が決まっている。普段、目に見えない香港のインフラを支えていて、これらの仕事をどのように「見える化」するか、同社は様々な施策を仕掛けている。
香港SOGOで現場実習を受けている香港人インターン生(“LEDモジュールユニット100枚達成”を掲げている)
同社が総合販社として統合されたのは2014年4月1日だが、以前は家電や半導体などは、各販売会社があった。吸収統合によって三菱電機(香港)は、各事業間の連携活動を強化し、現在ではスピーディーに情報共有化を図ることができるという。同社は2014年12月、太古(タイクー)City Plaza One 20Fへ引っ越し、ショールームをオープンした。ショールームに同事業部の主要顧客をお呼びし、三菱電機(香港)の事業内容、取扱い製品を実際に目で見て頂くことにより、連携営業活動を具現化できるようになった。例えば、香港電力や中華電力各幹部にショールームを視察頂き、他事業部の製品を紹介して認知度を高めていくことができるようになった。三菱電機グループの販売会社は世界中にあるが、三菱電機(香港)のショールームは、他販売会社のモデルケースとして注目されている、という。
2016年に50周年を迎えた同社の歴史を振り返ってみると、1976年に香港電力向け電力設備を初納入以来、B to B事業という枠組みの中で電力事業に注力してきたので、当時は家電品のように一般人向けに宣伝広告をする発想がなかったという。鳥海氏は香港に着任後、シンガポールに駐在していた前社長が描いていた「一般人にしてみれば、我々の提供しているサービスがどのようなものなのか本当にわからないが、様々な生活シーンで密接に関わっているという思いを伝えたい」という言葉に感銘を受け、香港やマカオで一般人に認知してもらえる取り組みを始める。「電力の安定供給がなければ、家電製品も大型映像もエレベーターも使用できないし、MTR車両も運行できない。」と述べた鳥海氏は、社会インフラ事業部が提供する様々なサービスが、香港人の快適な生活を支えていること伝えるために日々、様々な施策を練っている。
電力の安定供給に貢献
【「以港為家」廣告系列 – 電力設施篇,700萬人嘅推動力】(完整版)
https://www.youtube.com/watch?v=iVBFdghQBZE
安全な航空運航に貢献
【「以港為家」廣告系列 – 天氣雷達篇,700萬人毋懼風雨】(完整版)
https://www.youtube.com/watch?v=CHD4R69MCH0
最後に鳥海氏にインターンシップ制度を通じて学生たちに吸収して欲しいことについて質問を投げかけてみると、「その土地の環境や歴史を学ぶこと、環境や価値観の違い、双方向コミュニケーション能力を身につけて欲しい。」と熱い想いを語ってくれた。「香港は国際都市なので、英語以外に普通語や広東語も飛び交っていて、日本でのやり方が通用しないことも多い」としたうえで、「これからのインターン生に求められる資質としては、自分の言葉で自分の意見を述べられる、いつでも何事にも好奇心を持っている“人”が大事。目的意識を持って仕事ができる人、問題提起から発想の転換ができる人、自分自身でクリエイトできる資質があるかどうかも事。」と語ってくれた。今後も日本や香港の各大学から積極的にインターン生を受け入れて、将来的には日本と香港の大学が異文化交流できる仕組みを構築していきたいという。