ブロックチェーンがユニファイドコミュニケーションにおよぼす作用とは
ビットコインは最近、初めて2,500ドルを突破した。中国からの需要の増加、ICOs(initial coin offerings)の活発化により直近の価格の上昇を招く可能性が高まっている。このマイルストーンが登場したことで、私は比較的馴染み深い2つの技術、ユニファイドコミュニケーション(UC:通信手段を1つのシステム上で統合して利用できるようにする技術や仕組み)とブロックチェーンを繋ぐアプリケーションについて再考を試みた。
ブロックチェーンとは、多くの技術的な詳細が不要、本質的、永続的に検証され記録される、トランザクション(ユーザー間でやり取りした決済情報などの取引)のリストのことだ。新しいブロックはそれぞれ、前のブロックに時系列順にリンクされ、チェーンを形成する。ブロックチェーンは、パブリック分散型データベースに格納されることが一般的で、誰が何を所有し、遡及的な変更から効果的に免除されているかを明確に記録するので、ビットコインなどの暗号化通信で使用される。
では、ユニファイドコミュニケーションにはどのようにブロックチェーンを適用できるのか?収束のポイントは次の3つだ。
❶アイデンティティ:ブロックチェーンにより、人々はコミュニケーションの相手を確認することができるが、アイデンティティ管理の面においても、特に今日の匿名のデジタル文化において、非常に強く作用する。たとえば「Jive Communications」では、誰が他の回線にいるのかを確実に知ることで多くのノイズを排除し、ユーザーにプライバシーを提供している。
❷秩序化:ブロックチェーンにより、人々は通信がいつ発生するかを確かめることができる。各トランザクション、またはブロックは、一般的に普遍的なプロトコルで記録され、特定のイベントや通信ストリームにおける秩序を確立・検証し、記録されるので、たとえば法律事務所で、弁護士が電子メール、チャット、テキスト、電話、さらには物理的な地域の順番を明確に証明できるようになれば、曖昧さの軽減と、明確な請求書作りにも役立つだろう。
またコンセンサスなコミュニケーションの秩序を確立することは、商標や特許など知的財産の世界にも大きな影響を与える可能性がある。本質的にブロックチェーンは、高い価値を扱い、混乱とあいまいさが存在するあらゆる分野に秩序をもたらすのに役立つ。
❸オートメーション:ブロックチェーンにより、より迅速且つ安全で信頼性の高い自動通信が可能になる。特にあらかじめ構築されたアルゴリズムに基づく電子メール、システムアラート、通話通知、ビジネスSMSなどの自動通信やデジタル通信はなど一部では既に広まりつつある。
簡単な例を挙げれば、一般的な自動車販売代理店には、車の発注、出荷の確認、請求書の支払いなどがあるが、ブロックチェーンを利用すれば、ディーラーは注文プロセスを最初から最後まで自動化することができる。ただしこのタイプの自動化されたシステムが普及していくには、アルゴリズム間の通信や金融取引の明確で、時系列に沿った確実な履歴が不可欠になる。
アイデンティティと秩序についての確実性、オートメーションへの関心の高まりから、ブロックチェーンとユニファイドコミュニケーション技術は最終的に収束する可能性が高い。まだ未知数な部分はあるが、これらの2つのテクノロジーは合理的に開発されているため、ノイズが少なく確実で、より効率的なコミュニケーションが可能な未来はそう遠くはないだろう。