長期積立ファンドと一時払い型ファンドのメリット・デメリットBorderless Management & Investment Ltd.
プラットフォーム上に用意された多数のファンド(投資信託)を組み合わせ、ポートフォリオを作り、世界経済の動きを見ながらそれを臨機応変に組み替えて運用するファンドラップ。ファンドのパフォーマンスによる運用利回りが見込める一方で運用途中での出金も可能なので”銀行にお金を寝かしておくよりは・・・”というスタンスで気軽に取り組むことができる。
ファンドラップには資金の投入の仕方によって「積立投資型」と「一時払い型」がある。積立投資型ファンドは俗に「長期積立ファンド」と呼ばれ英語では“Saving Plan”となる。「一時払い型ファンド」は英語で“Lump Sum Plan”という呼称になる。どちらも、アジア、ヨーロッパ、新興国などの地域別、資源、農業、科学技術、医療などの産業別、債券、株式、商品、不動産などの金融商品別に分類される様々なファンドを組み合わせて運用する。自由に出金ができる、またある程度まとまった資金を好きなときに追加投資できるという部分も同じだ。
違う点は「積立投資型(Saving Plan)」が少額の資金を毎月積み立てるように徐々に投資資金を増やしてゆくタイプなのに対し、「一時払い型(Lump Sum)」は資金を一度に投資するタイプであること。積立型にも一時払い型にもそれぞれにメリット・デメリットがある。
【リスク・リターン面】
積立投資型の一番のメリットは、ドルコスト平均法で購入単価を平準化して利益の出る確率を高める(リスクを抑える)ことができることだ。一方、一時払い型の場合は一時期に多額の資金を投じることになるので、ボラティリティ(損益の振れ幅)が大きくなる。
「積立」=比較的ローリスクローリターン
「一括」=比較的ハイリスクハイリターン
と理解できる。
だがファンドラップというプラン自体が複数の株式や債券で分散運用されているファンドをさらに複数組み合わせたポートフォリオで運用しているもの。いわば分散のうえに分散を重ねた投資といえるのでそもそもそこで相当にリスクは抑制されていると考えて良い。
つまり一時払い型ファンドでも「株式の一点買い」に比べるとリスクも期待リターンもずっと低いという認識が正しい。またドルコスト平均法は為替を平準化する効果もあるので積立投資型は為替リスクからも解放されている。
【手数料面】
積立投資型は毎月世界中の契約者が積み立てる資金を各々が指定したポートフォリオに従ってファンドを買い進めてゆくものだ。これは運営会社側の視点に立つと、その管理にかなりの手間、人力、そしてシステムへの投資が必要になることを想像するのは難しくないだろう。
一方、資金の投入が最初だけである一時払い型は上記のようなコストは大幅に軽減される。オペレーションがシンプルであるということは多額の手数料が必要ないということ。積立投資型は運用期間を通じて毎年手数料がかかるが、一時払い型は投資後数年(例:5年)で主要な手数料の支払いが完了するのが一般的だ。
【流動性・柔軟性の面】
積立投資は通常10数年から20数年後に満期を設定し、契約時に決めた積立期間は短縮することも延長することもできない。原則として満期まで運用することを前提にしている。そのため満期以前に解約すると比較的大きな解約手数料がかかることになる。積立期間の変更はできないが積立金の金額の増額・減額は可能なのでそこで調整することになる。
一時払い型は主要な手数料の支払いが5年程度の短期で完了し、その後は解約手数料がかからない。つまりその期間を過ぎれば運用を続けるのも全資金を引き揚げるのも自由という状態になる。積立投資型でも一定金額をプランに残していれば手数料無料で一時引き出しは可能である。
【参入のしやすさの面】
一時払い型は最低投資額が多額(例:USD50,000)になるので、誰でも簡単に始めるというわけにはいかないだろう。逆に積立投資型は月々USD500程度の少額の資金で参入できるので毎月の収入の一部を投資にまわす形で多くの人がすぐに開始しやすい。
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