「日本経済新聞国際版ニュースの活用方法」庄田美穂さん
日経新聞を読んで見えてきた
社会と自身の未来
期待と不安が付きまとう海外での活躍の礎に
香港・華南地区をはじめ、海外で活躍する日本人の方たちに不可欠な情報源となっているのが「日本経済新聞 国際版」。今回は、ワーキングホリデーなどでアジアの各国に渡り活躍中の庄田美穂さんに、日経新聞が自身に与えた影響と、充実した人生を送るための読み方のポイントを聞いた。
庄田美穂(しょうだ みほ)さん
大阪堺市出身。日本でOL生活をした後、語学留学で1年間シンガポールで過ごす。その後、ワーキングホリデーで昨年2016年に来港。アルバイトをしながら引き続き英語を学び、自らの人生の目標に向け試行錯誤の充実した日々を送る。
海外に出ようとしたきっかけが日経新聞だったそうですね
日本でOLをしていた頃、ある時「社会で成功したり、より多くのお金を稼ぎたいなら新聞を読みなさい」というフレーズを本やネットでよく見かけました。それで、当時、会社でも上司が読んでいたこともあって、ある日ふと駅の売店で手に取ったのが日経新聞でした。それからはほぼ毎日読んでいましたが、最初は難しすぎて何が書いてあるか解らなかったですね。でも、読み続けているうちに、自分が面白いなと思ったところを中心に、様々な記事が情報として頭に蓄積されているのを感じました。そして、その後、自分で先の人生を考えた時、それまで日経新聞で蓄えていた知識を元に、私なりに日本の社会の行く先を見据え湧き上がったのが「会社に所属してお給料を頂くより、手に職をつけて自分の力でお金を稼ぎたい」という思いでした。それが自分にも合っていると思ったんです。それでまずは英語力を身につけるためにと海外へと飛び出しました。
シンガポール滞在時にも日経新聞が欠かせなかったとか
初めての海外生活であったシンガポールでは、英語を学びながら仕事もしていました。引き続き日経新聞を読んでいたのですが、特に仕事を通じてお会いするお客様とお話しする時のコミュニケーションツールとして、とても役に立ちました。
海外で活躍されている日本人の方の多くは、会社の中でもより責任ある職務に就かれていたり、ご自身で会社を経営されている方など、みなさん人生経験も知識も豊富で、お話をしていると仕事に関わるお話以外にも様々な話題が挙がります。そんな時、日経新聞を読み続けていたおかげで一つ一つの話題に対して「自分の意見」を持てていたこともあり、それを相手に的確に伝える事で会話のキャッチボールを長く続けることができました。その中で、今の自分にとって有意義なお話も数多く伺うことができたと思っています。
普段、どのような読み方をされていますか
日本にいる時は駅で買っていたので、そのまま通勤時などに読んでいました。海外に出るようになってからは、時間が空いた時に読んでいます。仕事や英語の勉強の合間に読むことでリフレッシュにもなったりしていますね。ほぼ一日中持ち歩いているので、隅から隅まで読みつくす感じです。本来なら私のような読み方をする場合、電子版が良いのかもしれませんが、私は昔から気になる部分にマーカーを引くようにしているので、ずっと紙版で読んでいます。
記憶に残っている記事はどんな記事ですか
米アップルのティム・クック最高経営責任者へのインタビュー記事です。彼が経営で悩み前CEOのスティーブ・ジョブズ氏に相談した際に同氏から「何をすべきかは君自身が示すんだ。私ならどうするかなんて聞かないでくれ。正しいことをやればいい」と言われた、という内容のものでした。その言葉に私も心を動かされました。普段生きていて、正しいことと悪い事の道徳的な判断はできても、いざ、目の前に選択を迫られたら、そのどちらが正しいかについてはどうしても迷いますよね。でもその記事を読んで、あくまで自分が正しいと思うことを選ぶことで道は開けるんだ、と勇気づけられました。あとは、池上彰さんが、私たちのような若い世代へ向けて連載しているメッセージコラム「大岡山通信 若者たちへ」のなかにも、自分なりに受け取ることができる言葉が多くて、よくマーカーを引いていますね。
庄田さんにとっての日経新聞は
新聞の読み方は人それぞれだと思いますが、日経新聞を読んでいなかったら海外に出ることもなかったかもしれないことを考えると、私にとっては人生の道しるべのような新聞です。これからも読み続けていきたいですね。
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