個人投資家止まらぬアジアへの期待!MONEXグローバル投資家サーベイ
今年の5月末にマネックス証券会社が第17回「MONEXグローバル投資家サーベイ」を実施したところ、最近のマーケット動向を反映する実に興味深い結果が出てきたようだ。調査対象者は日本と中国と米国に住んでいる個人投資家たちで調査内容は3つ。それらを紹介しよう。
最初の調査内容は、調査対象全地域にまとめて聞いた、これら3ヶ国の今後の株式市場における景気の見通しについてである。その結果は、米国は景気が「良くなる」と「悪くなる」とが半々、日本は「良くなる」と思う人がやや多く、中国にいたっては「良くなる」と考える人が「悪くなる」と考える人の2倍以上もいるというものになった。しかも3ヵ国中で中国のみが前年度と比べて「良くなる」と考える人の割合が上昇したようだ。それは上海総合指数が2008年以来の大きな上昇を見せ、中国本土の株価が好調に推移したからだとマネックスはその見解を述べている。
次の調査内容は住んでいる国別に聞いた、日本・アジア(日本を除く)・米国・欧州のどの地域の株が今後の株価の上昇を期待できるか、というものだ。結果は全ての国の投資家において日本を含めたアジアへの期待が前年度に比べて大きく上昇したらしく、その理由としては米国株が冴えず、欧州株も伸び悩んでいる中でアジア株が軒並み上昇したからだとのこと。この期待の度合いは日本国内で特に大きく、日本の個人投資家たちの結果を見るとは約1年半ぶりに日本株の期待が米国株のそれを上回ったようで、このことは次に紹介する調査のメイントピックである、米国の中央銀行が近々行うであろう利上げを考慮したものなのかもしれない。
その調査内容というのは、米連邦準備制度理事会(FRB)がいつその利上げを発表するのかについてだ。これも各地域でやや見解が異なるようで、2015年以内の利上げを見込む割合が日本で80%、中国、米国では60%となっており、FRBのイエレン議長が5月に意欲的に示した利上げの姿勢に対する解釈はみなそれぞれ違うようだが、全体的に警戒心が高いのは感じられる。
以上から分かるように全国の投資家たちは今アジアのマーケットに注目を向けており、それはもちろんアジアの今後の成長を考慮してのものだ。しかしそれだけとは言えず、米国がその時期を探っている金融引き締め政策による、利上げを危惧している結果とも考えられるだろう。今後の米国の動向次第で各地域の未来のマーケットは大きく変化するはずだ。引き続き情報を集めて、上手に立ち振る舞っていきたいものである。