長期積立ファンドで通貨の分散保有2。Borderless Management & Investment Ltd.
現在、自分の資産の大部分を日本円で日本の銀行に預けているという人が、資産防衛のためにまずやらなければならないことは複数国に銀行口座を開設して自分の資産の一部を移動する「場所の分散」であり、資産全体における為替変動のリスクを極力排除するために複数通貨を同時保有しておく「通貨の分散」であった。これを達成するために香港に住んでいる人は、まずHSBC香港など香港を拠点として国際的な銀行の口座を作ると良いだろう。そして香港から1時間半ほど足を伸ばせば中国本土で銀行口座を持つこともできる。
本来持っていた日本の銀行口座にはもちろん日本円が預金してあることだろう。中国に持つ銀行口座には人民元の預金がメインになるはずだ。するとHSBC香港で持つ資金はもはや日本円や人民元である必要はなく、それら以外の通貨に分散すると良い。
HSBC香港では、香港ドル、米ドル、オーストラリアドル、カナダドル、欧ユーロ、日本円、ニュージーランドドル、英ポンド、シンガポールドル、スイスフラン、タイバーツ、人民元(人民元口座が必要)の12種類の通貨での外貨預金が可能である。
香港にある資金をこうした複数の外貨で持っておくことで「通貨の分散」ができる。「場所の分散」と「通貨の分散」の資産防衛体制が完了することになる。この下地を整えておいて、いよいよ資産を増やす活動、つまり資産運用に乗り出す訳であるがその第一歩としてはリスクを抑えながら、将来的な公的年金のロスを埋める自分年金として世界の大手保険会社が運営している「長期積立ファンド」での運用が推奨される。
ところでこの長期積立ファンドで選択が可能な300種類以上のファンドの中にも様々な通貨建てファンドがあるのだ。例えば、最大10種類が選択できるポートフォリオを、
米ドル建てファンド:50%
英ポンド建てファンド:10%
欧ユーロ建てファンド:20%
日本円建てファンド:10%
と配置することにより、通貨を分散しながら資産を殖やしてゆくことができる。
こうして運用商品である程度の通貨分散を行なってしまえば、銀行の外貨預金通貨からこれらの通貨を外してもよいかもしれない。つまり、米ドル、英ポンド、欧ユーロ、日本円、は積極運用しながら保有する。オーストラリアドル、スイスフラン、タイバーツ、など外貨預金で保有する、というバリエーションを作ることができる。こうなってくると、海外投資はますます面白くなってくるのだ。