編集部AのAI散歩① Geminiが香港に来た
AIは新機能が出るたびに話題になるが、実際の仕事がどこまで変わるのかは、使う現場から見ないと分かりにくい。PPWウェブの新連載、編集部AのAI散歩では、AIのアップデートが香港の実務にどう影響するのかを、編集部の立場から確かめていく。第1回のテーマは、香港でGeminiが使えるようになったこと。便利さはどこにあり、実際の仕事では何が変わるのかを見てみたい。

まず変わるのは、使うまでの手間
こうした話題になると、すぐにAIが仕事をどう変えるか、という大きな話になりがちだ。だが、編集部Aとしては、まずもっと手前のことが気になる。普通に使えるのか。余計な準備はいらないのか。使ったときに流れが止まらないのか。
編集部Aは日本でGeminiとChatGPTに使い慣れていたため、香港ではこれまでVPNなど回り道が前提で運用していた。そうなると、使う前に毎度VPNをオンにしなければならず気持ちが切れる。かといって常にVPNをオンにしたままだとネットワークの遅延がボディブローのようにじわじわ効いてくる。
さらにネットワークの遅延は距離や通信経路の影響を受けるので、やり取りの回数が多いAIでは、その少しの引っかかりが思った以上に響く。だからこそ香港でGeminiがそのまま使えることを知り、よっしゃ!と声がでたのも記憶に新しい。

実務で助かるのは、途中の整理
編集部の仕事は、完成原稿を書く瞬間だけでできているわけではない。何が論点かを先に見つけたり、英語・繁体字・広東語の情報を見比べたり、読者に伝わる形に組み直したりする時間のほうが長いこともある。
実は香港にてVPN無しで使えるAIを試しては見たものの、やはりもともと日本で使っていた生成AIに蓄積したデータから会話できる方が私の思考の癖を理解していることもあり便利だ。頭の中で散らばっている情報をいったん整理する。見方をいくつか並べる。何を先に確認すべきか当たりをつける。そういう思考の補助役として役に立つと感じている。
さらにGeminiにおいては、Google AI Proで、Gmail、Docs、Slides、Sheets、Meet、NotebookLMなどをAIと組み合わせて使える。社内で業務効率化を考えるうえで様々なAIやシステムをトライしてきた方も多いと思うが、Geminiを香港で使えるようになって、現場の回し方を改めて見直す必要がありそうだ。

やはり最後はヒトが見る
もちろん、これで人の判断がいらなくなるわけではない。むしろ、便利になるほど最後の確認は大事になる。自然な文章で返ってきても、それがそのまま正しいとは限らない。現場の空気感、数字の妥当性、制度の最新性は、人が責任を持って見るしかない。AIは答えそのものを決める道具というより、考える前の整理を早くする道具として見たほうが、今はちょうどいい。
正直、Geminiが香港で使えるように
なったからといって、明日から仕事が一変するわけではないと思う。ただ、VPNのような小さな面倒が減るだけでも、日々の実務では想像以上に変わる。AIはまだ万能ではないし、最後に見るのは人だ。それでも、考える前の整理や比較、下ごしらえを助けてくれる道具としては、すでにかなり現実的な存在になってきた。
今回のGemini解禁は、その変化を改めて感じるきっかけになった。編集部Aとしても、今後ほかのAIアップデートが実務をどう変えていくのかを、引き続き現場目線で見ていきたい。(編集部A)


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